JEFF BECK Japan Tour 1999
Set List

最終更新日 : 1999/06/05

結局、私の見に行った三日間はすべて同じセットリストでした。 なので二回目三回目では、次に何が出てくるか分かっているはずなんですが、 それでも例えば Star Cycle のイントロとか、毎回感激してました。

なお、[ ] 内は収録アルバムです。ご覧の通り、メインはニューアルバムからの 曲です。Who Else! 収録曲で今回演奏されなかったのは "HIP-NOTICA" と "ANOTHER PLACE" の二曲だけ。うち ANOTHER PLACE はギター一本で演奏される エピローグみたいな曲なので、事実上 HIP-NOTICA だけが仲間はずれにされている ことになります。まぁ確かに地味な曲だが。アンコール二曲がいずれも "Guitar Shop" からというのもちょっと意外。George Martin のラストアルバム "In my life" でベックが客演した "A Day In The Life" を取り上げているのも 面白いです。

まーでもそんなことは今だから落ち着いて書けるわけで、もーほんと、 何演ったってかっこよかったす(じーん)。

1. What Mama Said [Who Else]

イントロは三人のみ。テーマが始まる頃におもむろに向かって左袖から 登場。
- 6/3 :
ジェフ、この日はサングラスをして登場。

2. Psycho-Sam [Who Else]

1 フレットにカポタストを付けている。カポはシャブかな? 銀色。
- 6/2 :
ドラムとシーケンサのズレが若干目立つ。 この日に限らずスティーヴ・アレクサンダーは、オカズで突っ込む等リズムの揺れが ちょっと気になった。ドラムソロを見る限りではコンテンポラリーなテクニックの 持ち主だと思うのだが…

3. Brush With The Blues [Who Else]

後半で、一切ピッキングなし、左手の押弦のみでリフを弾く、というのをやっていた。 相当ボリュームを上げているのか。それから左手が強力なのだろう。そういえば この人のトリルとか、コピーすると左手の強さを思い知りますね。
- 5/25 :
曲の前半は RAT を Off にしていた。CD で聴ける、あの透明なサウンドを そのまま再現! 感涙。

- 6/2 :
RAT は触らなかったと思う。ギターのボリュームのみでコントロール。 本当にコントロール幅が広い。RAT 買ったらああいう制御が出来るんだろうか?

と思ってホントに RAT を買った私であった(6/3に)。 そして秘密のほとんどは RAT にはないことを身を持って思い知ったのだった…

4. Star Cycle [There and Back]

レコードにも入っている、曲が始まる前の 「Eb F Eb F (トリル) … F--」 というフレーズをベックがギターでやっている(レコードではキーボード)。 左手でトリルして、最後の低い F を右手で押さえる、というやり方。 ここで場内大爆発と思いきや、沸いているのは 1/4 ほどでしょうか。 20 年近く前のアルバムですからねぇ。でもシーケンサーのテーマが始まってたら それなりに盛り上がってたけど。ちなみに私は大爆発しました。

5. Savoy [Guitar Shop]

オリジナルに入っているピアノで駆け上がるフレーズやホーンセクション部分は ジェニファー担当。この人は本当に器用です。が、自分があの役をやるのは ちょっといやかも。って相手にされないってば。

6. Blast From The East [Who Else]

イントロのギターフレーズはジェニファー担当。

7. A Day In The Life [In My Life]

オーケストラがごーっと上っていくところは、全員でぐしゃぐしゃな音を出して 雰囲気を再現していた。賛否両論ありそうですが私はかっこいいと思いました。 中間部が、George Martin のバージョンよりもぐっとテンポを落として 重い感じになっているのも○。
- 6/3 :
基本的にメロディを弾くのみ(もちろんその歌わせ方、崩し方が良いのだが) のこの曲で、ソロらしいソロは中盤に一個所だけ。 この日の、ここのフレーズは素晴らしかった。この人の弾く、音程インターバルの 広いフレーズにめちゃめちゃとことんすっごく地の果てまでも激しく極めて 弱いのでした。私ってやつは。

8. Declan [Who Else]

笛(?)のパートを、ドラマーのスティーブ・アレクサンダーがキーボードで 再現していた。が、ヘタ。オリジナルは尺八に似た音の何とかいう名前の笛なのだが、 せっかく日本に来たんだし誰か日本人ゲストにに尺八を吹かせるというのも 面白かったんじゃないかとか勝手なことを考える私です。
- 6/3 :
この日初めて気付いたんだけど(ベックばかり見ていた)、ランディが ギター弾いてます。白いストラト。リバースヘッドのモデル。 5/25 に一緒に見に行った 櫻井君の報告 によると、笛の音はジェニファー・バトゥンのギターシンセらしいんですが。 んー。ギターならもっとコブシ効かせられそうな。がんばって欲しいものです(?)。

9. THX138 [Who Else]

イントロのフレーズは右手タッピングを使って弾く。
- 6/3 :
この日だけしていたサングラスをこの曲の直前ではずしていた。 ブレイクもばっちり決まって最高の出来。

10. The Pump [There and Back]

個人的にすごく好きな曲なので(まぁアルバム "There and back" の曲はどれも 好きなんですが)、これが出てきたときはうれしかったなぁ。
- 6/3 :
7 フレットに人差し指、残りの指は 12 フレット付近、というフォームで コードを交えたソロを弾いていた。かなり手がでかい?

しかし、一番盛り上がったところで繰り出された意表を突くメロディ。 なんとレイラのリフメロディではないか。泣笑。 (筆者注:私はクラプトンが嫌いです)

11. Led Boots [Wired]

この曲の後半はドラム・ソロ。 ちなみにドラムセットはソナー社製。トリガ、パッド等を多用。 良く動く手足。シンバルを上下から乱打したり、クラッシュミュートをうまく 使っている辺りは良かった。三日とも後半はサンバキック + 手乱打というパターンで、 一応アレがストーリーといえなくもないかな。

話が出たついでにドラムのことを書いておくと、スタジオ盤で ナラダ・マイケル・ウォルデンが叩いているパターンよりもすっきりした感じの リズムを叩いていた。どちらかというと ARMS コンサートでの サイモン・フィリップスのプレイに近い…かな…うーん…(←何か悩んでいるらしい)

テーマリフの後に出てくるテーマメロディ (? 7/8 になる前に四回繰り返されるやつ)を、 バンド全体でボリュームをすとんと落として演奏してたのが印象に残ってます。 ギターソロの入り口も同様にすとんと落として、そこからギターがどう盛り上げて 行くかが見物でした。これが見事だったのがやはり 6/3 か。

- 6/3 :
この曲が始まる直前に、アルバム "Frankie's House" 一曲目冒頭の タッピングフレーズが登場。一瞬期待してしまった。

ソロの内容はもちろん、バンド全体としての盛り上がり/下がりもきれいに揃い 気持ちの良い演奏。

12. Cause We've Ended As Lovers [Blow by Blow]

テレキャスのイメージがある曲だが、ストラトで弾いていた。ちなみにコード進行は "Secret Policeman's Concert" と似た感じで、オリジナルとは若干違う。
- 6/2 :
エンディング、一番最後のコード、なんか間違えたような不協和音を 弾いたと思ったら、それをそのままアームダウン、ダウン後の音が ちゃんとトニック和音の構成音になっている、という技。脱帽。

13. Space For The PaPa [Who Else]

何の変哲もない A コードを「がっがががが」と弾くだけのリフが、ライブで聴くと ゾッとするほどカッコ良い。 中間部で Beck's Bolero (第一期 Jeff Beck Group "Truth" 収録) の一節を 引用していた。セットリストを見てみると、一番古いアルバムは Blow By Blow で、 それ以前の曲はない。以前のライブを幾つか見ている方(うらやましい…)によると、 Going Down (第二期 JBG "Jeff Beck Group" 収録) 辺りが定番だったらしい。
- 6/3 :
Beck's Bolero を引用し忘れて慌てて入れようとするジェフがおちゃめ。 曲の途中、シーケンサがハットのような音で刻んでドラムが一旦 休むところでスネアを交換していた。シーケンサの調子も、途中で音が途切れたりして 良くなかったように思う。なお、曲の最後でスティーヴがシーケンサの操作を 間違えたか何かして、変にシーケンサの音だけ残っていた辺りがまたライブならではの 生々しさと言えましょう(←ものは言い様)。

14. Angel (Footsteps) [Who Else]

後半、ボトルネックを右手で持ちギターの上側から構えて、 フレットを超えてフロントピックアップ付近で、 ピッキングすることなくボトルネックを弦に当てる音だけでメロディを弾いていた。 そういう超ハイポジションだと、ほんのわずか押さえる位置をずらすだけで 大きく音程が変わるので、メロディを弾くのはとても難しそうなんだけれど、 そこはさすがのプレイ。
- 6/2 :
テレキャスター登場。フロント/リアとも普通のシングル、 バタースコッチ(か黄ばんだホワイト)、黒ピックガード、 メイプル指板ネック。 しかしトーンはあまり変わらないと思う…彼独特の音色はやはり指で作られて いるんだなぁと、目の当たりにして納得。

- 6/3 :
テレキャスはこの日も登場。また、この日だけは金属ではなく ガラス製のボトルネックを使用。

15. Even Odds [Who Else]

- 6/2 :
曲が始まる直前にラインセレクタを踏んでいた。アレはストラト用と テレキャス用のセッティング切り替えなんだろうか?

16. You Never Know [There and Back]

スタジオ版はシンセベースのテーマでスタートするが、 ランディ・ホープ・テイラーがそれを再現。中盤でベース・ソロ。
- 5/25 :
ベースソロ、左手はネックの上側から弦を叩き、右手はネックの付け根辺りと リア・ピックアップ辺りを叩きわけ、ドラムのリズムパターンのような音を 出していた。

- 6/3 :
一番最後のユニゾンキメ直前にやおらフラットピックを持つ。 「指が痛いときはフラットピックを使うこともある」という インタビューを読んだことがあるが…

17. Blue Wind [Wired]

イントロとテーマの橋渡し的な感じで、スタジオ版ではシンセの馬鹿っ速い フレーズが入っているんだけど、それをジェニファー・バトゥンが 再現していてびっくり。
- 5/25 :
この曲だけフラットピックを使用。黒いやつ。

テーマ部分、高音パートと低音パートの掛け合いみたいなリフなんですが、 低音パートを客に歌わせるという暴挙に出ていました。客はほとんどデスボイスで 「だーだだーだだだーだだっだーー!」音程ありません。すごいことになってます。

- 6/2 :
掛け合いソロ、ベック二巡目、
(カウント)わん つー すり ふぉ
(ギター)  −− −が −− −−  (「が」はシンプルなコード)
というだけのフレーズを弾き続ける。反則。なんでコレでカッコ良いんだ? ちなみにこの日は指弾き。

- 6/3 :
前曲で持ったピックをそのまま使う。 掛け合いソロ一巡目、驚愕の速弾きをきっちりキメ、流暢にフレーズを つないでゆく。なんと、そーゆーのも弾けるのね。うーん。確かにフィンガー ピッキングから紡ぎだされる音色は大きな魅力の一つではあるんだけど、 こういう流麗な演奏も聴きたいなぁと欲張ったことを思ってしまう。

ジェニファー・バトゥンが、アルバムでのベックのフレーズ (ハーモニクスだけでフレージングするヤツ)をそのまま使って笑わせてくれる。

そういえば 5/25 にあった客との掛け合いがこの日もありました。今度はちゃんと メロディになってました。客のレベルが高いのか?

-- Encore --

18. Where Were You [Guitar Shop]

レコードに比べ、あまりリズムのタメがない感じはするが、ちゃんと再現 しているのはすごい。
- 6/2 :
ハーモニクスは所々ハズしていた。それが理由かどうかわからないが、 どんどん次のフレーズに進んでいく。ベックに合わせてコードを 付けているジェニファーは必死に追いかける。

- 6/3 :
ご機嫌は最高潮。演奏前、シールドのプラグを耳に挿したりして笑いを 取っている。演奏の出来も最高で、メロディの崩し方は鳥肌モノ。 ミスも少なくタメも良い感じ。至福のひととき。

19. Big Block [Guitar Shop]

ベック気ままに弾く→ドラムが一旦ボリュームをすとんと落とし、 一小節ほど八分音符をクレッシェンド→例のテーマ (みそららそみそららー) という構成になっていた。
- 6/2 :
ドラムが落としたところでイキナリテーマを弾こうとして、二音だけ弾いて 間違いに気づくベック。また、オーラスのキメの音を出し損ない、 両手をギターから離してポーズを付けていたが、最後のコードと共に ギターの弦を引き千切る! 双眼鏡では 6 本全て切れていたように見えた。 ちなみに顔は笑っていたから、失敗して気がふれたわけではないらしい。 しかし照れ隠しにしては豪快だ。

- 6/3 :
エンディング、全員でぐしゃぐしゃ伸ばしているところで ベックがギターを背中に背負ってそれをジェニファーが叩く、 ベックが突然ベースのプラグを引っこ抜く、などお笑いパフォーマンス爆発。 熱狂の中ライブは終了。最終日だからサービスして〜という思いも虚しく客電が…

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