初めて聞いた時の熱狂度 | ★ |
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三回目 | ★☆ |
この WEB サイトの中にある、最近のジェフ・ベックに関する私の記述を
拾ってみると「断片的」「フレーズのカケラを散らしていくような」なんて
フレーズが見つかる。
それを推し進めちゃったかな、という印象。曲というより、音の固まりのような。 雑誌のインタビューによれば、「編集の威力に目覚めた」らしい。 ベック自身のギターまでもが、コラージュ作品の一部品のように扱われている。 私は編集という作業そのものを否定するつもりはまったくなくて、例えば テオ・マセロがずたずたに編集したマイルスのアルバムに感動したりする。 だけどなあ。 例えばリフを部品化してループにする、といった手法に 一抹の寂しさを感じてしまうのですよ。リフを繰り返すときに、 毎回違うニュアンスを付けて、ベックにしか出来ない曲の膨らませ方をする、 そんなプレイが懐かしいのです。 いろんな音楽があって、それぞれ私を楽しませてくれる。それは事実なんだけれど、 結局私は、演奏者が楽器、そして演奏そのものを楽しんでいる、 そんな音楽をルーツに持ってしまっているんだろう。そう思えば私の、打ち込みに 対する微妙な距離感もなんとなく説明がつく。そして、今回ベックがやった 「編集」を「演奏」と呼ぶのか。 現時点で決めてしまうのは早いのかもしれない。 彼の本領はライブにあると信じているから。この作品がどう化けるのか。 古い曲と一緒に並んだときに、どんな色になるのか。興味の焦点は、そこだ。 なにはともあれ、ロックは、進んでいく。
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