Two Against Nature / Steely Dan

買った直後の熱狂度★☆

  1. Gaslighting Abbie
  2. What a Shame About Me
  3. Two Against Nature
  4. Janie Runaway
  5. Almost Gothic
  6. Jake of Speed
  7. Cousin Dupree
  8. Negative Girl
  9. West of Hollywood

フェイゲン氏とベッカー氏二人の名前しか書いてませんが、 例によってスタジオミュージシャンをうじゃうじゃ使ってて書くのが面倒だっただけ です。例えばドラマーではリッキー・ローソンやヴィニー・カリウタといった 売れっ子をしっかり押さえている辺りは流石。 ヴィニー・カリウタは 8 曲目で登場します。全然派手ではないんですが、 やっていることはかなり高度。テクニックってのはこう使うんだぜ、って感じですか。 ニクい。

中身は、そうですねぇ、ちょっと顔を近づけて話をしたとたんに 「あ、あなた昼にニンニク食いましたね」と分かってしまった、そういう仕上がり。 Steely Dan のにおい。R&B を暗い部屋に閉じ込めておいたら妙な成長の仕方を してしまったような、あの感じ。不思議なコード進行。無駄な音のない演奏。

そう、「あの感じ」はそのままなんですが、なんというか、キャッチーではない アルバムですね。どうもメロディがアタマに残らない。ひょっとすると 自分の感受性が鈍っているだけかもしれないという懸念はありますが、例えば Babylon Sisters (Gaucho) の「ばーびろーんしすたーず しぇいきっ」とか、 Peg (Aja) の「ぺーぐ いとうぃるかむばっくとぅゆー」とか、 歌い易くはない(だってコード進行がヘン)けれど、印象的な フレーズがあったと思うんだけどな。まぁなんせ昨日買ったばかりなので、 この辺の感想はまた変わるかもしれません。聴いているうちによくなった、 なんてのは私の場合はよくあるケース。

過去のアルバムを聴いたことがないという方には、是非 The Royal Scam、 Aja、Gaucho といった作品を聴いて欲しいと思います。

って、なんか批判的になっちゃってますが、私は Steely Dan の、そして ドナルド・フェイゲンの大ファンです。どのくらいファンかいいますと、 自分の結婚披露宴の退場 BGM にフェイゲン氏のソロアルバム The Nightfly の ラストを飾る名曲 Walk between raindrops を使ったぐらい。 ちなみに入場の BGM は Blues Brothers Band の演奏する I can't turn you loose でしたから、かなり馬鹿な宴だったことは容易に想像がつきます。とほほ。

なんでも「再結成」ではない、解散した覚えはない、とのことですが、 前作 Gaucho が 1980 年の作です。私、中学生ぐらいですか。 20 年もあれば世の中にはいろんなことが起こって移り変わるけれど、 風化せずに残るものもある、と。 「Steely Dan のにおい」は、そういうものの一つなのでしょう。 「自然に逆らった二人」というタイトルですが、この二人にとって Steely Dan を やることは自然ではないことなのかな。そうかなぁ。


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