扇沢から爺ヶ岳(2,669m)そしてめざすは 鹿島槍ヶ岳(2,889m)
9月8日23時54分、新宿発白馬行きの快速ムーンライト信州81号に乗りいよいよ一年ぶりの山行に出発。 この列車は全席指定席のため、予約していなかった私はキャンセル待ちをするしかありませんでした。 乗れないとなると予定がだいぶくるってきます。 このあとの特急は甲府までしかいきません。甲府まで行き、明日あさ一番で特急に乗りこむか? それとも、このまま新宿駅で朝まで待機し、一番の特急で信濃大町にむかうか? いろいろな考えが頭の中を交叉します。(ちょっとしたパニック状態) 最後にいちかばちかもう一度みどりの窓口のおねいさんに尋ねてみました。 するとたったいまキャンセルが一席だけ出たとのこと・・・ほっと胸をなでおろしました。 さっそく指定席券を購入し、無事予定通り目的地に向かうことができました。 おそまつ 【反省・・・次回からは前もって予約をいれるべし】 |
翌朝5時8分信濃大町駅に到着。 扇沢までバス利用を考えていたが、タクシーの運転手の計らいで4人乗り合わせることになり、料金はバスと同じ1,330円ですぐ出発することができた。 乗り合わせた二人の方は、所沢から来られたというお母さんと娘さんの連れだった。 お二人とはそのあともしばしば一所になり、登りの苦しさや山頂についたときの喜びをともに 味わうことができた。 名前もつげず、再びお会いすることはないだろうが、今回の山行の忘れられない思い出になった。 左は扇沢の駅・・・ここからはトロリーバスで黒四ダムに行くことができる。 運転手の話では、年間120万人の利用者がいるそうだ。 |
|
扇沢から少しもどると、これから目指す爺ヶ岳や鹿島槍につづく柏原新道の登山口がある。 | |
土曜日の朝とあって登山者の数は多い。 正面のピークは岩小屋沢岳(2,630m)だろう。 目指す爺ヶ岳や鹿島槍は右奥である。 朝のひんやりした空気がここちよい。 |
|
1時間くらい歩いたところで突然展望が開けた。 地図で調べると左のどっしりしたピークは蓮華岳のようだ。 右にあるのは針ノ木岳(2,820m)だろう。 歩き始めから聞こえてくるのは沢の音だけだ。 |
|
登山道としてはよく整備されているほうだが、1,000メートル近い高度差を 登るとなるとやはりきつい。 顔から汗がしたたりおちる。 やっと種池山荘が見えてきた。 ここでしばらく休もう! |
|
山荘の周辺はお花畑になっている。 コバイケイソウの群生地のようだが、もうすでに花の時期はおわっていた。 7月頃ならいろんな花が咲き乱れてみごとなことだろう。 |
|
ウスユキソウ(エーデルワイスの一種)かな? 登山道の片隅に可憐に咲いているのを見つけ思わずシャッターをきった。 |
|
種池山荘でパンなどを食べ、しばらく休憩したのち爺ヶ岳を目指してまた歩きはじめる。 正面のピークが頂上ではない。爺ヶ岳南峰はこの奥にある。 やっと頂上にたどり着いたと思ったら、その先にさらに高い頂が現れがっかりすることがある。 また気をとりなおして、今度こそあれが頂上だと信じて一歩一歩登っていく。 山登りにはまさに人生の縮図のようなところがある。 |
|
2000メートルを超えると森林がなくなりハイマツ帯になってくるので、展望が利いて歩くのも楽しい。 北の方角に念願だった鹿島槍の頂上(南峰)が見えてきた。 北峰は残念ながらガスっていて見えないが、写真などで何度もみてきた 鹿島槍の双似峰だけに、ガスの裏側にちゃんとその姿を思い浮かべることが できる。 |
|
西側には、深い黒部の峡谷をはさんで剣岳がそそりたっている。 日本三大岩場を持つ山だけに、やはり険しさが感じられる。 いつかは登ってみたい山だ。 |
|
爺ヶ岳は南峰、中峰、北峰の3つのピークからなっている。 一番高いのは中峰で2,669mあるが、 一番手前の南峰についた時、ピークに到達した達成感と陽射しは少々強いが下から吹き上がってくる風のここちよさに時間のたつのも忘れてゆっくりしてしまった。 持ってきたうちのりんごと梨もそこで食べた。 美味しかったのは言うまでもない。 12時45分、重い腰をあげ中峰にむかった。 このあたりはハイマツの実でも豊富なのだろうか。にほんざるの姿がよくみられた。 中峰で登頂の証拠写真を一枚。 北峰では頂上にはいかず、黒部側にトラバースされた道をたどり、きょうの宿泊予定である冷池山荘(つべたさんそう)に向かった。 |
|
翌朝3時50分、山荘の玄関口では大勢の登山者が出発の身支度をしている。 それを横目にヘッドランプをつけいち早く山荘を出発した。 天気は申し分ない快晴。 これから鹿島槍に向かって登りが続く。 鹿島槍の一つ手前にある布引山頂で御来光を待つことにした。 5時10分東の空がオレンジ色に染まる。 数分後地平線の一点から閃光がはしった。 みるみるうちに太陽が顔を出してきた。 いつものことだが、夢中でシャッターをきった。 |
|
今回はじめて全容を現した鹿島槍ヶ岳(手前の南峰2,889mと北峰2,842m) | |
黒部峡谷を隔ててそそり立つ剣岳(2,999m)と左に立山 | |
昨日登って来た爺ヶ岳の三峰 | |
遠く富士山も見える。(中央) 右に南アルプスの山並み、ひだりに浮かぶのは八ヶ岳 |
|
いよいよ大本命の鹿島槍登頂だ。 最後の登りはきついが一刻も早く頂上に立ちたい気持ちで足の運びもいつもより速くなっている。 |
|
6時30分、ついに鹿島槍ヶ岳南峰に登頂。 記念に一枚撮ってもらう。 360度の展望を十分に楽しんだ後、バッグをそこに置き北峰まで往復した。 北峰から帰る途中、それまで雲でみえなかった槍ヶ岳が姿を現してくれた。 富士山もそうだが、槍ヶ岳も少し山の心得のある人なら、どこからみても一目でそれとわかる山である。私の一番思い入れの強い山でもある。 |
|
鹿島槍と対峙する剣岳 | |
鹿島槍の北に位置する五竜岳(2,814m)・・・この山も百名山に数えられている。 今回もう一泊とって五竜岳も登ろうかともおもったが、りんご園開園の準備等もあるし断念することにした。 |
鹿島槍の頂をあとにする頃雲行きが怪しくなってきた。 そして爺ヶ岳から種池山荘にむかう途中でとうとう雨が落ちてきた。 |