《第9回技術研修会 開催報告》 |
土壌浄化法の下水道界における役割 |
~技術研修会にて関係者が連携を強調~ |
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全国市町村土壌浄化法連絡協議会
事務局長 稲垣 茂 |
平成20年11月吉日をもって、世界に誇る身延山久遠寺五重塔が堂々復元再建されたのを記念するかのように、我々土壌浄化法に関係する者が一同に会し、身の引き締まる思いで、北は北海道から南は九州の南端から、現代の世に示現したシンボル(五重塔)の下に集結したのであります。
今回の技術研修会は、今日における下水道の役割について、下水道の経営から具体的な技術、そして建設から維持管理の全ての重要テーマについて、ソフト、ハードの両面から検討しながら情報の交換が大きな目的であります。
第9回土壌浄化法技術研修会の開催を快く引き受けを賜りました身延町は、既に農業集落排水事業及び総務省管轄の小規模集合排水処理施設事業(合併浄化槽と比べ物にならない経済効果が上がっている)が供用開始されており、そこに住む住民から喜びの声を直接聞くことができたのが特筆されます。
更に研修会開催地として有力候補となりましたのは、現在、公共下水道事業(身延地区)と特定環境保
全公共下水道事業(下部地区)が、二地区とも適正な処理区を選定、建設工事がハイピッチで進められておることと、身延町でも御多分に漏れず、財政難に喘ぐ地方自治体の域を脱するべく、下水道事業の分野についても、技術、財政面等から他の処理方式と比べながら、先行 している土壌浄化法の事例を基に、建設費及び維持管理両面からの実績データを検証するなど、また周辺環境(住宅地の中に設置している処理施設)にマッチし、すこぶる景観と臭気も無く安定的に稼動している先進地視察を住民と一緒になって実施しながら、慎重に進められたからであります。
身延町長 望月仁司 氏は、参加者全員と親しく、交流の場の中にまで入っていただき、その心からの歓迎には頭が下がる思いでした。御自身、山梨県庁(土木技監)を最後に、平成14年に首長(旧中富町長)に就任、その豊富な行政経験からの適切な御助言等、大変意義ある研修会でありました。特に御専門が、「水」関係に精通され、天然温泉の水質まで詳しく御説明を加えていただきましたこと、我々日頃から、水関係にある者として、有意義なものとなり今後は折に触れての御指導、御教示を心から願うものであります。
望月町長の御高配もあってか山梨県側からは、県土整備部下水道課補佐鈴木洋一 氏及び農政部耕地課副主幹 清水一也 氏の特別参加があり、山梨県の下水道の現状と問題点等について御説明があり、県民に対する下水道の必要性に対する熱きアピールと、県民と共に豊かな水環境をつくるための具体的な施策と方向性についてお聞きすることが出来ました。
小規模下水道の分野で、我々が常に関係のある団体として、山梨県土地改良事業団体連合会からは、技監・事業部長であった 佐野和彦 氏の御臨席をいただき、土壌浄化法の事業化のポイント等について、ユニークな説明等を受けることも出来たのであります。
研修会最高の見せ場は、人と人との出会いによって、土壌浄化法による処理施設は実現困難とされていた時代(昭和60年代後半)に、東北のある小さな町(会津坂下町)で、当時は若き青年であった竹内会長と共に、現在福島県会議員で活躍されている 小澤隆 氏から、土壌浄化システム開発者との出会いによって、公共下水道の分野に先陣をきって登場する裏話等が披露され、会場からは笑いと感嘆の声が上がっておりました。実に土壌浄化法以外で考えられない一つのエポックであり、これからの普及活動をする上で極めて重要で興味深い発表でありました。(小澤先生、本当にありがとうございました。)今後の更なる御活躍を心から御祈念申し上げます。
本研修会を通じて、我が国の下水道の分野での現状を理解するためには、実際直面している色々な問題点を情報として発信されなければなりません。この山梨研修会に見られるように、国は自ら従来型の下水道を基に、新たな発想によるクイックプロジェクト事業の実験に入っており、その成果には、将来を見据えた下水道政策が定着することになる訳です。
当連絡協議会 竹内会長も、従来型の自治体経営では事業の推進は極めて難しくなっており、社会情勢に対応した取り組みが必要であることを強調、財源の問題解決のための地方分権に注目されておりました。効率的な財源の活用を実践している市街地分割型による“ばんげ方式”は、国に対する一つの提案型下水道事
業として、今や全国各地から、その講演等が依頼されるところまでになり、そのリーダーシップを遺憾なく発揮されており、今後の動きが注目されております。
最後になりましたが、昨今の世相は大混乱の中にあって、全ての人々が等しく、平和と幸福を願っております。奇しくも身延町における記念すべき第9回の技術研修会は、身延山久遠寺の恩恵にあずかることが出来ました。これ一重に関係された身延町 赤池課長をはじめ、スタッフの皆さまに心から敬意と感謝申し上げます。
時代が求めている新しい発想、新しい展開を下水道の分野に、五重塔から放たれる光明が燦然と輝く節目の10周年になりますよう祈願を込めて、土壌浄化法“夢”のあるものにしたいものです。
(第9回担当者会議の開催報告はこちら)
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施設見学 下部浄化センター |
施設見学 北川処理場 |
施設見学 上ノ平処理場 |
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総合司会 |
開会のあいさつ |
全国市町村土壌浄化法連絡協議会 |
北海道占冠村 |
稲垣茂事務局長 |
建設グループ(下水道) 平川満彦主幹 |
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ようこそ身延町へ |
身延町における下水道事業 |
山梨県身延町 望月仁司町長 |
山梨県身延町環境下水道課 赤池義明課長 |
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山梨県の下水道事業 |
ばんげ方式を全国に |
山梨県県土整備部 |
全国市町村土壌浄化法連絡協議会 |
下水道課 鈴木洋一課長補佐 |
竹内昰俊会長(福島県会津坂下町長) |
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住民と共に立ち上げた土壌浄化法・決断と実行 |
下水道未普及解消クイックプロジェクト |
福島県議会議員 小澤隆氏 |
国土交通省都市・地域整備局下水道部 |
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下水道事業課 宮川幸雄計画調整係長 |
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山梨県の農業集落排水事業 |
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地元住民として身延町の農業集落排水事業に |
山梨県農政部耕地課 清水一也副主幹 |
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思うこと ~仕掛け人、亡き友を偲んで~ |
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元山梨県土地改良事業団体連合会 |
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佐野和彦技監・事業部長 |
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土壌浄化法の技術 |
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NPO法人認定を受け、挨拶に立つ |
土壌浄化システム開発者 木村弘子氏 |
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日本土壌浄化法ネットワーク 観音理事長 |
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閉会のあいさつ |
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鹿児島県南九州市建設部水道課 |
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江平恒博参事兼下水道係長 |
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