全国市町村土壌浄化法連絡協議会 第9回担当者会議
山々の木々が色づき始めた11月12日(水)~14日(金)、担当者会議が山梨県身延町の下部ホテルをメイン会場に開催されました。担当者会議は、土壌浄化法に関わる連絡協議会々員市町村の下水道や集落排水等の事業に携わっている担当者の情報交換・勉強の場として位置づけられ、年1回集まって、様々な課題で勉強会を行っています。 昨年に引続き、今年も技術研修会との同時開催となり、1日目は講演会に参加、2日目の午前中は技術研修会の参加者と一緒に、施設見学を行い、現在建設中の下水道の浄化センターや、既に稼動中の農業集落排水事業の処理場、土壌浄化法では全国で唯一の総務省の小規模集合排水処理施設、等を見学しました。

そして、いよいよ午後からは、担当者だけの勉強会となりましたが、昨年からプログラムに取り入れた、実稼動中の処理施設においての体験学習のスタイルを、身延町の協力体制のもと、今回も取り入れることができました。 研修会場となった、農業集落排水事業の上ノ平処理場では、土壌の分解能を確かめ るため、事前に埋めておいたチクワを掘り出しました。このチクワは、担当者会議の6週間程前、処理場内の条件の違った4箇所の場所にミカンを入れるネットに入れ、埋設しておいたものです。
   ①ニイミシステム沈殿分離槽
   ②ニイミシステム接触ばっ気槽
   ③汚泥トレンチ
   ④処理場入り口
それぞれ土の中に埋設されたチクワが、その条件の違いによって分解の速度等を確認するための実験でした。0.1グラム単位で計測できるスケールを準備し、皆でいそいそと掘り出したのですが・・・結果は、土壌に住む生物にとっては期間が少し長過ぎたようで、4箇所全ての地点で分解されてしまっていました。
チクワの埋設実験(平成20年9月24日)
チクワの長さ 11cm 埋設深さ 30cm  掘り出し(平成20年11月13日)

次に、汚泥削減装置の役割を果たしている汚泥トレンチの一部を掘って、トレンチの内部を目視で覗いてみました。普段は、めったに見ることの出来ないトレンチの内部を自分の目で確認できたことは、貴重な経験でした。また、沈殿分離槽と接触ばっ気槽、それぞれの汚泥を採取し、汚泥性状の違いや特長等を観察しました。室内では、維持管理上の観点から、生物処理における窒素の挙動を、DR890(ハック社製)の使用による窒素の簡易測定等について、土壌浄化法スキルマネージャーから懇切丁寧な説明を受けることができました。

一夜明け、最終日は会議室での講習と意見交換会となり、それぞれの自治体の現状等を述べ、またそれについて質疑応答がなされました。時間的には少し不足気味でしたが、それでも、処理施設とは切っても切れない発生汚泥の現状やこれからの課題等、身近に迫った問題を抱える担当者は、他の自治体の実情等を聞いて、今後の参考にするために熱心にメモをとっていました。

今年も少人数での会議となりましたが、その分、中味は濃く参加者の熱意は熱く、有意義な勉強会となりました。