上海 |
Shanghai・Zhangjiang/ China |
撮影: 2011~2015, 制作: 2017/2, 改訂: 2023/6 |
かつて上海には多くの路面電車が走っていましたが、1963年を最後に姿を消していました。2007年になって張江地区のハイテクパーク(張江高科科技園)で新しいトラムの建設が始まり、2009年12月31日に10kmの路線が開業しました。地下鉄2号線の張江高科駅と張東路金秋路を結んでいて、地下鉄の広蘭路駅前を経由します。 方式は前作でご紹介した天津と同じく、ゴムタイヤのトランスロールを採用しています。 |
Google Mapsの上に、上海張江有軌電車の路線図を赤色で書き込みました。上海浦東現代有軌交通有限公司が 運営しています。運賃は全線均一の2元、上海交通カードが使用できます。緑色で示すのは、地下鉄2号線です。 |
Metro Line 2, Yuandong Avenue 張江有軌電車に乗るには、地下鉄2号線を利用するのが便利です。途中、浦東空港から2つ目にある遠東大道駅で、地上区間を走る地下鉄の写真を撮りました。ここには地下鉄の車庫があって、線路が輻輳しています。 車両は仏アルストム/南京浦鎮車輛廠製のAC17です。 (2012/3/28) |
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Zhangjiang Hi-Tech Park Station 張江有軌電車は、地下鉄2号線の張江高科駅の駅前にターミナルがあります。周りにはホテルやレストランがあって、夜も明るいところです。 (2011/1/15) |
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張江地鉄站を出発します。背景の建物の2階は元地下鉄の張江高科 駅でしたが、地下に移設されて廃墟になっていました。 (2011/1/16) |
「上海PD-010」と書かれている青いプレートは社番を表し ています。トランスロールは軌道を走る電車なので、自動 車のナンバープレートはありません。 |
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トランスロールのレールは1本で、案内車輪をガイドします。写真はその分岐器です。車体はゴムタイヤで支えられていて、路面にタイヤ痕が付いています。 |
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張江地鉄站を出発して大きく左へ曲がり、トラムは碧波路へ進入していきます。 |
Bibo Lu Gaoke Lu 碧波路高科路を南へ進むトラムです。 後方の建物は、通信機器メーカー・中興通訊の上海研究センターです。同社の製品は日本のソフトバンク携帯などで多数使われています。 |
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Huatuo Lu Keyuan Lu ~ Cailun Lu Jinke Lu 華佗路科苑路と蔡倫路金科路の間で、華佗路は円弧状にカーブしています。 編成全体を撮影するのに最適な場所を見つけました。 付近には、上海中医薬大学のキャンパスがあります。地名の由来となった華佗は三国志に登場する医者で、毒矢で負傷した関羽を治療したことで有名です。そう言えば、「華佗膏」という水虫に効く軟膏がありますね。 (2015/3/24) |
Gebaini Lu Libing Lu 哥白尼路李冰路の交差点で、トラムの編成を真横から撮影しました。バイクと一緒に走る姿は、まるで巨大なジンベエザ メが小さな魚たちを従えて泳いでいるような感じを受けます。背景は浙江省臨海市にある浙江華海薬業の生物医薬開発セ ンターです。この付近にはBAYERをはじめ、多くの薬品関連企業が進出しています。 (2012/3/28) |
Gebaini Lu Libing Lu ~ Ziwei Lu Gaosi Lu 哥白尼路李冰路から路線は北へ向かいます。紫薇路高斯路との間は以前は荒涼とした土地でしたが、新しくマンションが建って、すっかり見違えるような街になりました。 |
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Ziwei Lu Gaosi Lu 紫薇路高斯路の交差点です。漢字の看板があるので、中国に居ることが実感できます。それまでは欧州の街並を走っているような感じでした。 |
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同じく紫薇路高斯路の角を曲がったところです。この辺りには飲食店がたくさん軒を並べています。 |
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トランスロールの車内です。天津と同型の STE 3型 です。天津の車両は窓が固定でしたが、上海では上 部に内側へ開く小窓が付いています。 今時珍しい紙の切符です。車掌さんが乗務している ときに、現金で払うともらえます。↓ |
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Guanglan Lu Zuchongzhi Lu 地下鉄広蘭路駅の最寄り電停、広蘭路祖冲之路です。 浦東空港から地下鉄2号線に乗ると、広蘭路で乗り換えになって大変混雑するため、トラムに乗るには広蘭路で降りるのがお勧めです。 背景に、上海には珍しい一戸建ての豪華な住宅があります。一体どんな人が住んでいるのでしょうか? |
Guanglan Lu Dangui Lu 広蘭路丹桂路の交差点です。高層マンションの谷間をトランスロールの優美な車体が走っています。中国のイメージとはほど遠い光景です。 |
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上掲と同じく、広蘭路丹桂路の角を曲がるトランスロールです。黒い遮光ガラスに自身の姿が写っています。 屋上に太陽電池のパネルを載せたマンションが 見えます。 |
Zhangdong Lu Jinqiu Lu 終点の張東路金秋路は、ハイテク団地の町外れで、 少し寂しい所です。 電光板に車号と時刻が表示されていました。先発は 2号車、社番「上海PD-002」です。↓ (2011/1/15) |
誠に残念なことに、2023年5月末をもって当路線は廃止されました。一般のトラムと互換性のないシステムゆえに、部品の供給が滞ったことが原因と言われています。 |
References: https://en.wikipedia.org/wiki/Zhangjiang_Tram https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%A0%E6%B1%9F% E6%9C%89%E8%BD%A8%E7%94%B5%E8%BD%A6 http://www.zte.com.cn/global/ http://www.huahaipharm.com/# |