済南のトロリーバス |
Ji'nan / China |
撮影: 2012/12, 制作: 2016/10, 改訂: 2019/12 |
2012年12月に山東省の省都、済南市を訪問しました。済南は、前作の青島から約320km西にあり、国鉄の在来線を走る新幹線車両に乗って2時間半で到着します。 済南の市内には至る所で泉が涌き出しています。その水が濠や河川に流れているため、中国では珍しく澄んだ水辺の景観が保たれている街です。 済南には、済南市公共交通総公司が運営する4系統のトロリーバスがあります。 |
七十二名泉の一つ、黒虎泉です。泰山に源を発する豊富な 伏流水は、まさに汲めども尽きぬ量です。 |
大勢の市民が水を汲みに集まっています。 |
済南市のトロリーバス路線図を、Google Mapsの上に書き込みました。訪問時の姿ですので、現在とは少々異なります。 [101]路(赤):辛西路北口~甸柳庄, [102]路(青):済南大学~葛家庄, [103]路(緑):姚家庄~大観園 [104]路(橙):済南大学~趵突泉東口(泉城広場) ※各系統のループ区間は矢印の一方循環です。特に[104]路は路線の大部分が右回りのループで、左回りはありません。 |
Yanshan Yard (Gejia Zhuang) [102]路の東の終点、公交燕山車場(車庫前)です。 路線図の終点は和平路にある葛家庄のバス停ですが、さらにその先の二環東路の高架下まで乗車出来ます。 (2012/12/17) |
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燕山車庫の内部です。昼過ぎでしたので、多くの車両が停車しています。構内は一方通行になっていて、運用されている車両が、中央のレーンを使って通り抜けます。 |
車庫の西側にある出口から、[102]路が出庫して行くところです。 もうすっかり枯れ葉になった木々を通して、冬のやわらかい陽光が差し込んでいます。 |
Gejia Zhuang (Village of Ge's family) 和平路にある葛家庄のバス停です。[101]と[102]路が並んでいます。両系統はラッシュ時には1~2分の間隔で、頻繁に運転されます。 |
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Yanzishan Lu 和平路から燕子山路へ右折する[101]路です。[101] 路はこの区間が左回りのループになっています。 冬枯れの並木道から連想すると、夏は緑の森の中かも知れません。 |
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Yaojia Zhuang (Village of Yao's family) [103]路の東の終点、 姚家庄です。なだらかな坂道の途中で、自転車を押して歩いている人達が見えます。 |
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Yaojia Zhuang Yard 姚家庄車庫の構内です。終点に到着したトロリーバスは、いったん車庫に入り、方向転換します。 車両は済南市にある国営企業、中国重型汽車集団が製造したJK6120Dです。全部で140台あり、済南のトロリーバスは、すべてこの型に統一されています。 JK6120Dは他の都市では見られない、済南独自の珍しい車両です。 |
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[103]系統が、姚家庄の車庫から解放東路を横切って出庫するところです。 |
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JK6120Dの車内です。1人掛けの前向きシートが両サイドに並んでいます。前部2列目、車軸の上の座席は後ろ向きの配置になっています。中央から後方にかけて小さな段差があり、後部が少し高くなっています。 窓の上部に広告を掲示するスペースがあり、落ち着いた雰囲気があります。床は滑り止めのついたリノリウム張りです。 |
University of Jinan 済南大学の車庫で出発を待つ[102]路です。 冒頭の写真もここで撮影しました。 (2012/12/18) |
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Type JK6120D China National Heavy Duty Truck Group Co., 済南大学の車庫から出て行くJK6120Dのサイドビューを撮影しました。 窓は上段固定で、下段が引き違いの大きなT字窓の四隅にRが付いています。白地にブルーのシンプルな塗色の車体には広告用の枠がありません。とても国営企業の作品とは思えない、素晴らしいデザインです。 ※ドイツMAN社から技術導入しています。 |
Jing Si Lu/ Wei San Lu 経四路/緯三路を走る[101]路です。 済南のトロリーバスは比較的最近の1977年に開業しました。[101]路は開業当時の[1]路で、旧市街の中心にある狭い経四路を走っています。遠くに高層ビルが見えますが、古い家並みが続く静かな場所です。 |
同じく旧街道の経四路を走る[104]路です。 [104]路は、以前は済南大学と経四緯十の折返し運転でしたが、趵突泉東口(泉城広場)まで延長され、時計回りしか存在しない不思議なループ系統になりました。 (地図参照) 今でも経十二路から経十路へ続く転回線の遺構があります。 ※現在は、大観園の東にある順河高架路の下を南下していますので、ループが小さくなっています。 |
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Jinan Hotel 経四路にある済南賓館という名前のバス停です。余談ですが、かつて同名の中華料理店が東京四谷にあったことを思い出しました。文化大革命で途絶えた山東料理を、唯一日本人が伝承していたことで知られています。 済南の旧市街は道路が碁盤の目状になっていて、地番は経○緯△という呼び方をします。しかし現代の地図とは縦横が逆で、経○路が東西の道路、緯△路が南北の道路をそれぞれ表しています。 ※市街地は東西に細長いので、縦糸を表す「経」で東西の道路を表したと、考えられます。 |
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Qinglong Bridge (Quancheng Lu) 泉城路の青龍橋を走る[101]路です。街の美観保護のために、泉城路にはトロリー線がありません。このため[101]路を走る約50台の車両は、特別にバッテリー駆動ができるようになっています。 ※車体床下に電池を格納、その通風口が見えます。 |
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Lishan Lu/ Wenhua Lu 歴山路を南へ走る[103]路です。歴山路は市の東側にある広い通りで、周辺はオフィス街になっています。 |
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Wenhua Xilu Dong 夕暮れの文化西路東口です。帰宅を急ぐ[103]路の乗客がバス停に集まってきました。 |
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Quancheng Square |
↑泉城広場の大噴水です。有り余る水を使って、音楽に合わせて動く噴水のショーが見られます。 夜の泉城広場を疾駆する[102]路です。真冬の屋外で、流し撮りに挑戦してみました。頑張った甲斐があって、それなりに街の雰囲気を捉えることができました。 |
References: https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%8E%E5%8D%97%E6 %97%A0%E8%BD%A8%E7%94%B5%E8%BD%A6 http://www.sinotruk.com/view/index.aspx http://www.jizg.com/new2/about.asp http://mt.sohu.com/20160109/n434001701.shtml |