西山煤電の通勤トロリーバス |
Taiyuan / China |
撮影: 2012/3, 制作: 2016/9, 改訂: 2019/12 |
太原市は山西省の省都、人口350万人の大都会です。近年、重工業で発展してきました。それを支えているのが豊富に産出される石炭です。市内には、国内第三位の出炭量を誇る山西焦煤西山煤電集団公司の炭鉱があり、会社が従業員輸送用のトロリーバスを運行しています。 |
「腾讯地图(Soso-map)」の地形図の上に、山西焦煤集団が経営するトロリーバスの路線図を書き込みました。独立した2つの路線があります。 青:官地煤砿線 (約6km) 赤:杜児坪砿線 (約5km) 乗車出来るのは炭鉱の関係者のみです。市バスの[7]路及び[17]路がそれぞれの終点まで運転されているので、部外者も訪問できます。 ※「焦煤」とはコークスの原料となる粘結炭のことです。 |
Xikuang st. (Beihan) Shangyou SY1381 炭鉱街の入口にある西砿街(北寒)の広場に、かつて炭鉱の専用線で活躍した蒸気機関車が保存されています。日本のD51を一回り大きくした上游(Shangyou)型のSY1381号です。 ボイラー前面に「振興中華建設四化」と書かれています。四化は大衆運動のスローガンに掲げた4つの目標ですが、組織や時代によって内容が異なります。 (2012/3/22) |
Guandi Meikuang Line Trolley Yard 河捞湾(Helaowan)にある官地煤砿線の車庫です。正式名を「官地砿電車隊」と言います。 訪問したらいきなり、とんでもなく古い連接車が出迎えてくれました。1980年代末期から90年代初期に、北京華宇で造られたBD562型です。これには大感激でした。 |
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車庫の中で待っていると、次から次へと旧型の連接車がやって来ました。ちょうど通勤時間帯が終わった頃のようです。 |
運転室が独立しているため、運転席側に乗務員が乗降するための小さな扉が付いています。 こちらも同じく北京華宇製のBD562ですが、少しだけ新しい年式のようです。フロント窓が1枚ガラスで、ライトも角型になっています。 |
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車庫の構内には、使われなくなった車両もたくさん放置されていました。 |
BD562の車内です。連接部分の円盤上にも座席があります。 手前右は、車掌さんの執務台です。 |
室内の前方部分です。客室と運転室が壁で仕切られています。外観に比べて、室内は比較的きれいでした。 |
こちらは北京華宇製の連接式でない車両です。 ドアが中央と後部に配置された独特のスタイルをしています。それにしても手入れの悪さが目立ちます。 |
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揚子江客車で製造されたWG6120DHAが、新しく導入されていました。古い連接車が順次置き換わる見込みです。 |
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Guangdi St. ここは官地煤砿の終点に近い官地街です。あいにくの雨でぬかるんだ坂道を、市街地へ向かう便が下りてきました。 |
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炭鉱の職員アパートの裏山に、へばりつくようにして人家が建っています。冒頭の写真も、ここで撮影しました。 |
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Du'erping Line, Trolley Station ここからは、杜児坪砿線の写真です。 炭鉱従業員の住宅がある河龍湾(Helongwan)に、電車站という名前のトロリーバス乗り場があります。 ※官地煤砿線の河捞湾(Helaowan)とよく似た名前です。地元の人に聞くと、両者は同じ地名で、河捞湾は山西省なまりだそうです。 |
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車両はすべて揚子江客車のWG-D68UKで統一されていました。空調付きの新車です。おそらく数年前に一斉に更新されたものと思われます。 |
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電車站には円形に架線が張られていて、ここで方向転換します。すぐ近くを走る官地煤砿線とは、繋がっていません。 この線は、杜児坪砿交通運輸公司が運営しています。 |
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電車站を出発して、谷沿いの山道を炭鉱に向かいます。バスのダイヤは炭鉱の勤務シフトに合わせて組まれています。 |
Du'erping Coal Mine 炭鉱の巨大な設備をバックに、満員の従業員を乗せてトロリーバスが坂道を登ってきました。ほとんどの便がこのように続行運転になります。もうすぐ終点の杜児坪炭鉱です。 |
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終点の杜児坪炭鉱に、3台のトロリーバスが到着しました。なかなか壮観な眺めです。 |
References: http://www.sxcc.com.cn/html/jtgk/jtjj/index.html http://baike.baidu.com/view/3042739.htm http://baike.baidu.com/view/34703.htm#6_3 http://www.jprailfan.com/newtransit/trolley/tnt9.php ↑相互リンク「黄河鉄路網」さんのサイトです。 「トロリーバスのいま」ネコ・パブリッシング『バスグラフィック』VOL.16 , 2012/10・・・筆者の寄稿です。 |