香港 (1) |
Hongkong |
撮影: 1995/7, 制作: 2016/5, 2019/12 |
狭い地域に大勢の人々が暮らす超過密社会、中国語(広東語)と英語が共存する独特の文化など、香港には旅行者なら誰でも一度は訪問してみたいと思う魅力がたくさんあります。アヘン戦争の終結から1997年までの約150年間、香港は英国によって統治されてきました。その英国の流れを汲む2階建てのトラムに乗車するため、返還直前の1995年に訪問しました。 |
Google maps の上に、トラムの路線図を書き込みました。系統番号は付けられていませんが、6つの系統があります。 それらの起終点を赤丸で示します。 Shau Kei Wan ~ Kennedy Town, Shau Kei Wan ~ Western Market, Shau Kei Wan ~ Happy Velley, North Point ~ Shek Tong Tsui, Causeway Bay ~ Shek Tong Tsui, Happy Valley ~ Kennedy Town, 丸数字は撮影場所で、以下その順にご紹介します。 |
① 士美菲路(Smithfield Road) 西の終点、堅尼地城(Kennedy Town)の近くです。高層アパートの谷間、吉席街を2階建てのトラムが走って行きます。香港の代表的な風景です。 トラムを運営するのは香港電車公司。開業は1904年ですが、2階建ての車両が導入されたのは1912年です。 軌間は日本の在来線と同じく、狭軌の1,067mmを採用しています。 (1995/7/17) |
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② 港澳碼頭(Macau Ferry Terminal) マカオへ渡るフェリー乗り場の近くに、海岸沿いを走る区間がありました。現在この場所は埋め立てられて高速道路が走っていますので、トラムから海を眺めることができません。 |
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上環(Western Market) フェリー埠頭がある地区は、上環の西港城という繁華街です。写真は港を背にして南を向いて撮影しています。 |
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この上環地区では西行と東行が別線になっています。一見複線のように見え、 2両のトラムが並んでいますが、いずれも手前方向に走ります。右の車両は西行で画面の右方向・堅尼地城へ向かいます。左の青い車両は跑馬地(Happy
Velley)行きで、ここが始発地です。画面の左にあるループ線を経由して出発します。 |
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③ 銀行街(Bank Street) 中環(Central)から金鐘(Admiralty)にかけて、トラムは近代的なオフィスビルに囲まれた風景の中を走ります。世界の金融を支配する香港の中枢地域です。 左に立法會大樓が写っています。この建物については、次作でご紹介します。 |
美利道(Murray Road) 上掲の少し東側、金鐘地区の美利道です。ビル群の隙間から、先端が尖った形のセントラルプラザのタワーが見えています。1992年の竣工で、高さが374mあります。訪問した95年当時、アジアで最も高いビルでした。 |
車両は前後に運転台が付いていますが、ターミナルに はループ線があるので、常時は片側のみ使用していま す。写真左端、後方の運転台に乗客が乗っています。 乗降口には一応ドアが付いていますが、腰板までの高 さなので、上半身を外へ乗り出すことができます。 ↑方向幕は中英併記、中国語は右から左へ読みます。 |
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④ 汕頭街(Swatou Street) 湾仔(Wan Chai)地区で、トラムは旧道の壮士敦道(ジョンストン通り)を走ります。やや狭い通りで、両側には昔ながらの商店が並んでいました。香港の中心街に位置しますが、下町という感じのするところです。 背景は廉価な仕立ての洋服屋さん、隣は喫茶店です。ビルは改築中で、竹の足場が組まれています。投宿したホテルの窓から撮影しました。 |
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車体の天井には中央にポールがあり、前部に主抵抗器を格納した箱が載っています。社番が書かれている部分です。 どの車体にも全面広告が施されていて、オリジナルの塗色には出会いませんでした。日本企業の広告が目立ちます。 |
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←上掲と同じ場所ですが、対向する電車の2階席から 撮影しました。下の写真が2階席の様子です。 |
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⑤ 北角(North Point) 筲箕湾(Shau Kei Wan)行の系統が、北角地区の英皇道(King's Road)を走っています。右側のビルの奥にループ線がありますが、直通系統なので広い通りを直進します。 |
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上掲と同じ場所です。 たまたま2両の電車がすれ違っています。広告を良く見ると、右がコニカ、左がミノルタです。両社は2003年に合併して、コニカミノルタになりました。 |
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北角のループ線です。ここをターミナルとする系統が、商店街の中を横切っていきます。 それにしても、ここの人々のエネルギーにはびっくりします。経済的にいずれ日本を追い越すのではないかと、そのとき感じました。 |
⑥ 筲箕湾(Shau Kei Wan) 東の終点、筲箕湾です。東大街と金華街の交差点に広場があり、その中に小さなループ線があります。 西の堅尼地城からここまで、約1時間半の長旅が楽しめます。当時の運賃は1.2香港ドル(約20円)です。お釣りは出ませんので、多くの人がコイン2枚、2ドルを払っていました。 |
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オマケです。筲箕湾から先の各方面へは、マイクロバ スが運行されています。車両はすべて日本製でした。 |
References: http://www.hktramways.com/tc/ http://hkrail.wikia.com/wiki/%E9%A6%99%E6%B8%AF%E9%9B%BB%E8%BB%8A https://en.wikipedia.org/wiki/Central_Plaza_(Hong_Kong) |