上海トロリー散歩

[26]路 
中国国旗
 上海/ 中国
 
撮影: 2010~2015年, 制作: 2015/10, 改訂: 2019/12

上海トロリーバス[26]路は、黄浦区の新開河と徐滙区の広元西路/虹橋路とを結ぶ8.8kmの系統です。そのルーツは、フランス企業(法商)の電車電灯公司によって造られた有軌電車(路面電車)の[2]路に遡ります。有軌[2]路は、1908年(清朝光緒34年)5月に、十六舖~善鐘路(現在の常熟路)で開業し、同年7月に徐家滙まで延長されました。金陵路や淮海路など、フランス租界の中心を経由する路線で、沿線には歴史的な建物が現在も多数保存されています。
 (※十六舖=Shilupuは新開河の南にある黄浦江の港で、海の玄関口です。)
1960年6月、淮海中路の重慶路以西から軌道が撤去されました。代わりに登場したのがトロリーバスの[26]路で、当初は新開河~武康路で営業していました。
2010年の上海万博終了後からは、トロリー線を使わないスーパーキャパシティーバスが運行されています。

上海26路
広元西路/虹橋路にて 2011/1/14撮影。

 上海26路地図
上海科学普及出版社発行、2010年版「上海城区交通图」の上に、[26]路の路線を記入しました。

上海26路   Shanghai trolleybus route 26
 Xinhaihe

新開河のターミナルです。撮影時にはスーパーキャパシタバスの充電設備が完成していましたが、車両はディーゼルバスが使われていました。

(2010/7/27)
上海26路   Dashijie

同じくディーゼルバスが運行されていた時代の[26]路です。金陵中路/西藏南路交差点(大世界)で撮影しました。


(2010/7/27)


 
上海26路   Xinhaihe

翌年訪れた時には、スーパーキャパシティーバスが運行されていました。
2010年に開催された万博の会場輸送で使われた車両が投入されています。


(2011/1/14)

 
上海26路   こちらは上掲と同じ新開河で、2015年の姿です。仮の建物だった背景が、新しいビルに変わっています。
充電用のパンタグラフがせり上がるところです。

(2015/7/24)

 
 上海26路   新開河のターミナルに到着する[26]路です。後方に浦東地区のビル群と、東方明珠タワーが見えます。
スーパーキャパシティーバスの導入からすでに5年が経過していますが、何故かトロリー線は残されたままになっています。

上海26路   上掲の場所で、黄浦江沿いの中山東二路から新開河へ右折するところです。ビル群は黄浦江を挟んだ向こう側にあり、間に船が写っています。

 上海26路   Jinling Donglu

新開河を出た[26]路は人民路を通り、福建南路を経由して金陵東路を走ります。 
このあたりは戦前、フランス租界の中心で、大変賑やかなところです。建物が歩道にせり出して、その下を歩くことができる街並が特徴的です。

上海26路   Jinling Zhonglu/ Longmen Lu

金陵中路/龍門路のバス停です。マイナーな停留所名ですが、地下鉄8号線大世界駅のある西藏南路/金陵中路交差点のすぐ近くです。以前は、分かりやすい西藏南路というバス停名でした。

上海26路   Changle Lu

長楽路/ 陝西南路~富民路を走る下りの[26] 路です。上り便の車内から撮影しました。
冬でしたので、街路樹がすっかり葉を落としています。

(2011/1/14)
 
上海26路   上掲とほぼ同じ場所、長楽路/富民路の交差点です。夏は街路樹が鬱蒼と茂り、とても同じ場所とは思えません。


(2015/7/26)


上海26路   同じく長楽路/富民路です。
プラタナスのトンネルが延々と続き、日差しを和らげています。並木道が多い上海の中でも、際だって美しいところです。


 
上海26路   Changshu Lu

常熟路/ 淮海中路の交差点です。地下鉄1/7号線常熟路駅の近くにあって、[15]路もここを経由します。自転車やバイクに邪魔されなければ、ドア側のきれいな写真が撮れる場所です。
車両は上海申沃客車(Sunwin/VOLVO)製の、
SWB6121SCです。
 
上海26路   SWB6121SCの車内です。
前方の通路を挟んで、前輪の上の席も含めて、両側が向かい合わせのシートになっています。左手前にあるのは、車椅子固定用のハネ上げ席です。



 
上海26路 Normandie Apartment

淮海中路を走る下りの[26]路です。武康路と余慶路が交わる六差路交差点に、ひときわ目立つレトロな建物があります。1924年竣工の武康大楼、別名ノルマンディーアパートです。フランス租界の影響で、建築物にはフランスの地名が付けられました。交差点の向かいには、宋慶齢故居があります。[26]路のハイライト地点です。


(2015/7/24)

上海26路 Guangyuan Xilu/ Hongqiao Lu

広元西路/ 虹橋路の終点です。多数の車両が充電できる設備が設けられています。


 上海26路   上掲の反対側から見た終点の風景です。鉄格子のある建物が乗務員の詰め所です。
SWB6121SCは、従来の上海客車のイメージを一新する精悍なマスクをしています。
上海26路
上海26路   上海26路
 上海26路   広元西路を出発する上りの[26]路です。このあと虹橋路~淮海西路の一方循環を進みます。

 
 上海26路   ターミナルの乗り場に古いタイプの系統板が掲示されたままになっていました。走行する道路名を省略して、交差する道路名を停留所名にしています。慣れない乗客にとっては、どの道路を走るのか分かりません。現在は交差点名を停留所名にするよう、変更されています。

 上海26路   地図式の系統図です。上りと下りそれぞれに対して、経由する道路や停留所の位置が詳しく書かれています。

 



References:
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E5%BA%B7%E5%A4%A7%E6%A5%BC
http://www.shtong.gov.cn/node2/node4/node2249/luwan/index.html


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