[13]路 (1) |
上海/ 中国 |
撮影: 2006~08年, 制作: 2015/5, 改訂: 2019/12 |
2006年から、毎年上海を訪問するようになりました。トロリーバスに乗って上海の街を巡るひとときは、小生railbusにとって至福の時間です。どんな景色が待っているのか、興味は尽きません。今回は、曹家渡~提藍橋を走っていた[13]路をご紹介します。過去形になっているのは、撮影後にこの系統がいったん廃止(ディーゼル化)されたためです。 [13]路は1960年に同区間で開業しました。その後2002年には、曹家渡~中山公園が延長され、中山公園~提藍橋となりました。延長されたのも束の間、この頃から上海ではトロリーバスの縮小が進み、延長部分の曹家渡~中山公園は2005年に廃止されて、バス路線[922]路に置き換えられました。この[922]路は中山公園地鉄站~提藍橋を走る系統で、トロリーバスの[13]路は[922]路の区間運行という位置づけになりました。今回ご紹介する写真は丁度その頃、2006年~08年にかけて撮影したものです。 |
Shanghai trolleybus route 13 Tianmu Xilu /Hengfeng Lu 国鉄上海駅のすぐ南、天目西路と恒豊路の交差点です。一般に東西に走る幹線道路には、東路、中路、西路という区分けがあり、ここは天目西路になります。朝日を受けて、[13]路のトロリーが走っています。 (2006/11/4) |
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上掲と同じ場所です。北西角の空き地にクレーンが入り、ビルの建設が始まっています。 下掲の地図をご参照下さい。①の場所です。 |
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「上海城区交通図」(部分) 2006年, 上海科学普及出版社発行に、青いラインで[13]路のルートを追記しました。 蛇行しながら東西に流れるのが蘇州河で、[13]路はその北側を走ります。赤い丸数字は撮影場所を示します。 ①天目西路、②河南北路、③提篮桥(提藍橋)の順にご紹介しています。 |
2年後の2008年に撮影した天目西路/恒豊路の交差点です。同じ歩道橋から西を向いています。入居はこれからのようですが、北西角に建設中だったビルが偉容を現しています。左端に[13]路のトロリーバスが写っています。 (2008/7/14) |
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[13]路のトロリーバスと並んで左に写っているディーゼルバスが、冒頭で説明した[922]路です。 桂林大宇製GDW6105Gで、韓国DAEWOOのライセンス生産です。 |
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[13]路には、申沃客車製のSWB5105 KGP-3が使われていました。画面奥にも曹家渡行きの2台が写っています。 |
←歩道橋から西を望んでいます。画面奥の少し小高くな っているところが、蘇州河の長寿路橋です。2年前と比 べて、朝のラッシュがひどくなってきたように見受けら れました。 ↑ 当時の[13]路は、曹家渡~提篮桥(提藍橋)で運転されてい ました。左端の雪のマークは冷房車ですが、既に全車冷 房化が完了していました。 |
交差点の少し西側からリヤビューを撮影しました。背景に先程ご紹介した完成間近のビルが写っています。 |
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Henan Beilu /Tianmu Donglu ここからは、地図の②で示す場所です。 曹家渡行きの[13]路が、河南北路から左折して、天目東路に進入して行きます。画面奥の一帯では、拡幅工事と再開発工事が進んでいます。 (2007/11/25) |
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上掲の撮影から1年後、少し南から見た河南北路です。道路はすっかり整備され、背景には洒落た住宅街が完成しています。左奥の茶色のビルが、上掲の写真にも写っています。 つきあたりが地下鉄の宝山路駅、近くに旧上海北站があり、鉄路博物館になっています。 (2008/10/28) |
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Haining Lu /Henan Beilu 海寧路/河南北路の交差点です。 提藍橋行きの[13]路が左折して、海寧路へ入っていくところを、歩道橋から撮影しました。 |
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海寧路を少し東に行ったところにある、四川北路の停留所です。近代的なビルが建ち並ぶ中央に、中国銀行の虹口大楼がレトロな姿を留めています。 |
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Gongping Lu /Tangshan Lu 以下は終点の提籃橋付近、地図の③で示す地点です。 公平路を下ってきた提藍橋行きの[13]路が、唐山路へ左折するところです。この交差点から先、[13]路は一方循環運転になります。 (2008/7/14) |
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上掲の交差点を曲がったところです。このあとすぐに三叉路を右に取り、昆明路に入ります。 この唐山路には、他に[19]路と[25]路が走っています。それらについては、別途ご紹介します。 |
Xiahai Temple 提藍橋の中心、下海廟の門前です。この寺は、清代乾隆年間に創建された仏教寺院ですが、道教の媽祖(まそ)も祀られています。媽祖は航海の女神で、漁民の信仰を集めていました。 提篮桥の「篮」(らん)は竹籠の意、竹籠に入れた線香と花束を提げてお参りしたことから、名づけられました。 |
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上掲の場所で振り向いたところです。梧桐の緑が逆光にまぶしく映える、海門路を終点へ向かいます。 |
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Haimen Lu 海門路/東長治路の交差点です。2014年に地下鉄の12号線が開通し、提藍橋駅がこの場所の地下に造られました。 |
上掲と同じ場所です。地下鉄の建設に伴って、東長治路は大幅に拡幅されました。背景の食堂などはすべて 立ち退きになっています。 |
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Tilanqiao 東大名路にある[13]路の終点、提藍橋です。乗り場は道路上ですが、この奥に広大な敷地の車庫があります。 ※現在、車庫は廃止されてマンションになっています。 |
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Gongping Lu 西行きの[13]路は、提藍橋を出発してまもなく、再び公平路に入ります。公平路は結構狭い道路です。 |
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公平路を上ってゆくと、再び東長治路と交差します。現在はここも拡幅されていて、背景の3階建ての菜館は跡形もなくなっています。 手前方向へ進むと唐山路の交差点で、一方循環区間が終了します。 |
【後日談】 2010年3月、系統番号の調整が行われ、バス路線[922]路の全線が[13]路になりました。この時点で、[13]路は基本路線がディーゼル運行、区間運転がトロリーバスとディーゼルの併用運転でしたが、トロリーバスの本数は極めて限られていました。翌2011年7月、わずかに残っていたトロリー運行が廃止され、[13]路は全線ディーゼル化されました。ところが幸いなことに、上海市が環境政策「緑色革命」を推進するに当たり、トロリーバスの活用を決めたのです。2014年6月、放置されていたトロリー線を整備して、奇跡的にトロリーバスが復活しました。これについては、[13]路 (2)でご紹介します。 |
Reference: |
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%85%AC%E4%BA%A413%E8%B7%AF |