ヘルシンキ (1) |
Helsinki / Finland |
撮影: 2004/5, 制作: 2015/6, 改訂: 2019/12 |
2004年に、仕事でフィンランドの首都ヘルシンキを訪問する機会がありました。幸運にも滞在中に休日があったので、トラムに乗車することが出来ました。ヘルシンキのトラムは全長が約100km、軌間1,000mmで、市の交通局(Helsingin
Kaupungin Liikennelaitos =HKL)が運営しています。 まずは前編をご覧下さい。 |
Ylioppilastalo, Helsinki ヘルシンキの中心街、Mannerheimmitie通りです。三角帽子のような屋根のある煉瓦造りのビルが、北欧らしい落ち着いた雰囲気を醸し出しています。フィンランドで最も有名なストックマン百貨店の本館で、1862年からの歴史があります。 ※フィンランド語の地名には自信がないので、そのまま表記します。ご了承下さい。 |
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この通りには、商業施設のほか、銀行やホテルなどが軒を並べています。時計台のあるビルも印象に残りました。 訪問時、ヘルシンキのトラムには11本の系統がありましたが、そのうちの8本がこの通りに集まって来ます。 |
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Mikonkatu こちらは、ヘルシンキ駅の東側、Kaivo通りに沿った繁華街です。[6]系統の67号がやって来ました。フィンランド国営の重工業会社、Valmet(ヴァルメト)製の連接車で、NrⅠ型と呼ばれています。 NrⅠ型は1973年~75年にかけて、40編成が納入されました。トラムとしては世界で初めてサイリスタ・チョッパ制御方式を取り入れた、70年代のハイテク車両です。 |
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Sörnäinen [6]系統に乗って市の北東部へ行き、駅前から3km程のところにあるSörnäinenで下車しました。屋根の付いた大きなビルがたくさん並んでいます。右端の近代的なビルは郵便局です。 このあと写真の[8]系統に乗り換えました。 |
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Urheilutalo [8]系統の途中にあるUrheilutaloの変則交差点です。写真では[3B]系統が右折していますが、突き当たりの建物のところにも分岐があって、[3B]は右奥から出てきます。 一方、[8]系統は突き当たりの左から出てきて、画面の交差点を右方向へ直進します。 |
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Salmisaari [8]系統の西の終点、Salmisaariです。小さな広場に方向転換用のループがありました。 ※[8]系統は、2015年1月にYatkasaariまで延長され、この電停は無くなっています。 |
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Ruoholahti 上掲の終点から1つ手前にあるRuoholahtiの電停です。背景のビルは、(当時)携帯電話で世界に君臨したNOKIAの拠点の一つ。立派な建物ですが、本社ではありません。 |
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Kaivopuisto ヘルシンキ港の南側は小高い丘になっていて、1834年に建てられた古い天文台があります。写真は、この丘の坂道を港に向かって下ってゆく、トラムの[3T]系統です。 [3T]は、市内を一周する循環系統で、8の字状に走っています。起点のEiraを基準に、左回りが[3T]、右回りが[3B]です。 ※2013年の8月に、[3T]→[2], [3B]→[3]へ、それぞれ改番されました。 |
図のA地点が大聖堂(Tuomiokirkko)で、その南はセネート広場です(Senaatintori)。大聖堂から港に至る一帯には、トラムが縦横に走っていて、大変見応えがあります(図中赤いライン)。 以下、B~Gの各地点で撮影した写真を順に掲載します。 ※Google mapsに、トラムの路線を赤色で記入しました。地名が二重表記になっているのは、上段がフィンランド語、下段がスウェーデン語で、いずれも公用語です。 |
↑港の近くにあるヘルシンキ大聖堂です。1852年に完成したネオ・クラシック様式の教会で、青空に聳える姿は、白亜の殿堂という感があります。 ↓犬もトラムの乗客です(B地点)。 |
Senaatintori (B地点) Aleksanterin通りにあるSenaatintoriの電停です。この通りは乗用車の通行が制限されていて、トラムだけが走っています。観光客や買い物の人々が安心して歩ける場所です。 |
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Valtioneuvoston Kanslia (C地点) セネート広場の東南角を[7A]系統が右折していきます。白い列柱のある建物は首相官邸です。 |
Ritarihuone (D地点) 首相官邸の南側です。この付近には、美術館や博物館があります。ここから東側へは[4]系統と[2]系統が走っていました。 ※現在、[2]系統(旧)は廃止されています。 |
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Kauppatori (E地点) 両側を建物に挟まれた狭い通りへ、北行きの一方通行でトラムが進入してきます。写真では見えませんが、後ろには港の景色が広がっています。 |
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(F地点) 港に向かう西側の線路で、こちらは南行きの一方通行になっています。奥にセネート広場の一角が写っています。 車両の88号は、1983年~87年にかけて造られたヴァルメト製NrⅡ型です。NrⅠ型の改良型ですが、両者の外観はほとんど区別が付きません。 ※写真のようにオリジナルは2車体の連接車でしたが、2005年以降低床式の中間車を増設して135人→169人乗りに改造されています。 |
(G地点) 港の桟橋の脇をトラムが走っています。冒頭の写真もここで撮影しました。この港からは各地へのフェリーや湾内クルーズの観光船が出ています。 |
前編の最後にバスの写真を2枚貼っておきます。 これは港の広場で見かけた、ヴァンフール製の3軸長尺車。数えてみたら座席が15列もあります。 |
こちらはヘルシンキ駅の東にある国立劇場の前で撮影した、スカニア製の3軸長尺車です。 Pohjolan Liikenneが運営する路線バスで、3扉の仕様になっています。 いずれのバスも詳細は分かりませんが、フォルムと背景が美しかったので掲載しました。 ヘルシンキ・後編に続きます。 |
References: |
https://en.wikipedia.org/wiki/Helsinki_tram |
https://en.wikipedia.org/wiki/Valmet_Nr_Ⅰ |
https://en.wikipedia.org/wiki/Valmet_Nr_II |