ミラノ (1) |
Milan / Italy |
撮影: 1995/7, 制作: 2015/2, 改訂: 2019/11 |
インスブルックからブレンナー峠を越えて南下し、ミラノを訪問しました。直通の急行列車で4時間半の道程です。ミラノはイタリア第2の工業都市ですが、ファッションの発信地としても有名です。総延長100kmを超えるトラムの路線網があり、その規模は欧州各都市の中でもトップクラスに位置づけされています。 ミラノでは多くの写真を撮影しましたので、2回に分けてご紹介します。 |
Milano Stazione Centrale 「世界で最も美しい駅」と賞賛される、ミラノ中央駅です。1931年、ムッソリーニの時代に完成しました。終端駅なので線路は奥の方へ延びていますが、建物正面の幅が200mもあります。 駅前の安いホテルに投宿したところ、偶然にも眺めの良い部屋に当たったので、夜も撮影しました。 |
ホテルの窓から撮影した夜の中央駅前です。望遠レンズを駅の西側にある交差点方向に向けてみました。デジカメのない時代でしたので、バルブ露光をしています。 冒頭の写真は昼の様子です。残念なことに駅前広場は工事中でした。駅舎は画面の右方向になります。 |
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駅前広場の電停が、ホテルの真下にありました。[33]系統の1901号を真上から見ています。 |
Stazione Centrale 中央駅の東口にはトラムの引き込み線があり、[5]と[9]系統の始発ターミナルになっていました。乗客が後扉から乗り込んでいます。 トラムの軌間はイタリア独自の1,445mmという珍しい規格です。 ※一般に標準軌と呼ばれる軌間は、4フィート8.5インチで、これをメートル法に換算すると1,435mmになります。 |
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同じく、引き込み線のループで方向転換する[5]系統です。背景に石造りの駅舎が見えます。 写真の車両は主力の1500型です。降車専用の中扉があり、その横に車掌席を設置したスタイルは、設計者の名前を冠してピーター・ウィット形と呼ばれています。 1927年から30年にかけて、合計502両が製造されました。全長13.9mの比較的大きなボギー車で、定員は130人です。 |
1995年当時のトラム路線図を制作しました。街の中心にあるドォーモ(Duomo)から放射状に線路が伸びています。各所に記入した丸印は、撮影場所を示します。 黒色で示す環状線を、左回りに[29]、右回りに[30]系統がそれぞれ走っています。この環状線は直径が約3kmで、この内側がほぼ旧市街地域になります。ミラノ中央駅はその外側、北東方向にあります(Stazione)。 ※系統番号は95年当時ですので、現在と多少異なる場合があります。 さて、それでは[1]系統に乗ってみましょう。地図の赤色で示した路線です。 |
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Via Vitruvio 駅前のヴィトルヴィオ通りを3ブロック南東に歩くと、ルイージ・セッテンブリーニ通りの交差点に出ます。ここから[1]系統に乗って市の中心部へ向かいました。上掲地図の左上にある赤丸地点です。 1500型の車体は、直線的なデザインを基調としています。両端が5角形に大きく絞られており、ガラス張りの4枚折戸を持った優美なデザインが特徴です。 |
上掲と同じ場所です。たまたま工事用の電車がやって来ました。2軸のトラム・715号が、貨車を牽引しています。小型車ですが、端面の形などは1500型によく似ています。 |
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P.za Cincinnato 南東方向にしばらく進んだところが、チンチッナート広場です。ミラノの街の中には、このように大きな樹木が茂っている場所が何ヵ所もあります。 |
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P.za Cavour 環状線の内側に入ったところにあるカブール広場です。1500型を正面から撮影しました。 |
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Archi di Porta Nuova アレッサンドロ・マンツォーニ通りには、中世12世紀に造られた城壁の遺蹟・ヌオーヴァ門があります。[1]及び[2]系統のトラムがこの門をくぐり抜けます。この門は独立した建造物ではなく、両脇の建物と一体になっています。 |
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Duomo 有名なドゥオーモ大聖堂です。カトリックのミラノ総本山で、世界最大級のゴシック建築は、身震いするような感動を覚えます。あまりの素晴らしさに、第2次大戦中に連合軍はミラノ爆撃の攻撃対象から除外しています。 [1]系統は、左手にあるアーケードのすぐ北側を走っています。 |
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Cadorna 街の中心の西側、 ルイージ・カドルナ広場です。北ミラノ鉄道のカドルナ駅やスフォルツェスコ城のすぐ近くです。 |
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P.za Virgilio 上掲から西へ進んだところに、ヴィルジーリオ広場があります。[1]系統はここで北西に向きを変えます。 |
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Via Vincenzo Monti その広場から延びるヴィンチェンツォ・モンティ通りは、街路樹が鬱蒼と茂り、まるで森の中にいるような雰囲気が味わえます。この通りには[19]系統も合流しています。 |
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P. le Baracca ところ変わって、ここは環状線の西に位置するバラッカ広場です。右回りの[30]系統が北へ向かっています。 環状線の車両は連接車が主力でした。その中の最古参、4601号が通り過ぎました。1955年に製造された全長20mの車両で、定員は175人です。落ち着いた感じがするレトロな連接車です。 |
P. le Aquileia 上掲から少し南にある環状線のターミナル、アクイレイア広場も森の中にありました。 ←4600型連接車の車内です。ほとんどの席が一人掛けの前向きシートになっています。連接部分をカバーする円板の上にも、座席が用意されています。 ミラノ (2)へ続きます。 |