海外トラム紀行

 ポルト
ポルトガル国旗
 Porto/ Portugal
 
撮影: 1995/7, 制作: 2014/11, 改訂: 2019/11 

リスボンから特急アルファで約3時間、ポルトガル第2の都市ポルトを訪問しました。ワインで有名な港町です。ここにも古いトラムが走っているはずです。到着したポルト・カンパーニャの駅前にトラムの姿はありませんでしたが、町中を歩き回っていて線路を見つけました。
後年になって調べたところ、以前は網の目のように路線があったようですが、1995年当時わずか1系統のみ残っていたことが分かりました。


 ポルトのレトロなトラム
Gas, Porto, 1995/7/5

 Porto tram   Porto tram route 18


市街地の西にあるBoavista(ボアヴィスタ)に、唯一残っていた[18]系統の終点がありました。
Porto tram    奥に写っているのがトラムを運営しているSTCPのボアヴィスタ車庫です。この車庫は1999年に廃止され、現在は立派な音楽ホールが建っています。
 Porto tram   終点の先にボアヴィスタ庭園の大きなロータリーがあって、トラムが方向転換していました。行き先のCarmo(カルモ)はポルト市街地の中心部でここから比較的近いところですが、路線は逆方向の西へ走り、ドウロ川沿いに大回りしてCarmoに向かいます。
 Porto tram   同じくロータリーから本線へ出てくる218号です。Brill-28 Prataforma Salãoと呼ばれるタイプで、Brill-23をベースに、1938年に改造更新されました。全長が9.9mの大きな2軸車です。
 Porto tram   広々とした道路の中央に見事な並木が続くボアヴィスタ通りを、[18]系統が走ります。軌間は標準軌の1,435mmです。

 Porto tram   上記と同じ場所、シダーデ公園前です。この区間は1999年に廃止されました。尚、ポルトでは今世紀に入って3系統のトラムが復活しましたが、この区間は廃止されたままで、線路も撤去されています。
 Porto tram   振り返ってもう1枚撮りました。この先の突き当たりがCastelo du Queijo(ケージョ城)で、ドウロ川に面した砦があります。
 Porto tram   Castelo du Queijoから線路は向きを変え、ドウロ川に沿って東に向かいます。
この区間は基本的に単線ですが、Fluvial(フルヴィアル)とLeonur(レオヌル)との間には複線区間がありました。ドウロ川の対岸が良く見える場所です。
 Porto tram   上記のカーブを曲がったところです。複線区間で2台のトラムが離合します。右の169号はBrill-28 PS形、左はBrill-23形の131号です。
 Porto tram   同じ場所です。この区間は石畳が続いていました。
Porto tram    ここはFoz(フォス)地区のFluvial(フルヴィアル)です。ドウロ川に沿ったソブレイラス通りを走ります。
現在この区間は、Passeio Alegre(パセイオ・アレーグリ)まで部分的に復活した[1]系統が走っています。

 Porto tram   さらに東へ行ったところがGás(ガース)、冒頭の写真の場所です。背景のアラービダ橋は、当時世界最長を誇ったコンクリートアーチ橋です。
幸運にも1本だけ残っていたトラムに乗車して、こんな美しい景色を堪能することができました。
 Porto tram   トラムの車内です。外観からは気がつきませんが、天井が高く造られています。

Porto tram ticket
車内で車掌から購入した乗車券、ミシン目の入った硬券です。


References:
http://www.stcp.pt/pt/viajar/
http://tram-porto.ernstkers.nl/Index.html


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