(2) 永安鋼鉄の上游型機関車 |
河南省洛陽市 / 中国 |
撮影: 2011/11, 制作: 2015/3 |
観光用に保存されているものを除けば、もうすっかり蒸気機関車の姿を見ることはありませんが、中国ではまだ現役で走っているところがあります。但し、さすがの中国でも国鉄の本線筋からは引退していて、活躍は地方の炭鉱や製鉄所などの専用線に限られています。その中の一つ、河南省洛陽市にある永安鋼鉄を2011年に訪問しました。 |
国鉄洛宜線の关林站(関林駅)から分岐する引き込み線の先に、永安鋼鉄があります。奥に見えるのがその工場です。今日は門が閉まっていて、あたり一帯が静まり返っています。なんだかおかしな雰囲気です。 |
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あーっ、恐れていたことが・・・。守衛所の窓に、生産停止の張り紙が掲示されていました。訪問したのは11月10日でしたが、張り紙の日付は11月3日となっていました。 |
門の隙間から中を覗くと、機関車がいます。2014号です。守衛さんと交渉しましたが、中へ入ることは出来ませんでした。 |
仕方なく、望遠レンズで撮影しました。左の奥にもう1両の機関車が見えます。黒光りしていて、化粧煙突と「和谐平安」の文字が確認できます。番号を読むと、0866号のようです。近くで撮影出来なかったのはまことに残念です。 |
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門の外に1両の機関車が置いてありました。赤錆びだらけの1339号です。湯気が出ているので、使用されているようです。 |
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真横から見た1339号です。軸配置は1-D-1ですから、日本のD51と同じタイプです。但し、大陸の標準軌の機関車なので、一回り大型です。上游型(Shanyou)、略してSY型と呼ばれています。 |
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SY1339号の銘板です。1985年1月に唐山の機車車輌工廠で製造されています。まだ26年しか経ってない新しい機関車ですが、手入れの悪さが目立ちます。 |
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この機関車は職員の詰め所に暖房用の蒸気を送る、据え付けボイラーのような役割をしていました。工場も閉まっており、もう動かないのでしょうか? |
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しばらく待っていても動かないので、諦めかけたその時です。詰め所から職員が出てきて機関車に乗り込みました。 |
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石炭も用意されました。 |
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運転席にも職員が乗りました。どうやらこれから動かすようです。 |
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出発です。ありがたいことに、動くところを見ることが出来ました。辛抱強く待っていた甲斐がありました。 |
職員を乗せて、機関車だけが単機で出発していきました。 |
機関車はこの専用線を通って走り去って行きました。線路に沿って、あとをつけて行きましょう。 |
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数百メートル行った先に門があり、その先で国鉄線に繋がっています。今日は門が閉まっていて、機関車はその手前で止まっています。大勢の職員がレールの保線作業をしていました。 |
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作業はほとんど終わった模様で、皆閑そうにしています。 |
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最後にゲージで軌間を合わせています。この様子では、工場の生産再開があれば、まだまだこの引き込み線は使用されるようです。 |
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作業が終わった職員を乗せて、詰め所に戻るところです。来たときよりも大勢乗っています。バイク代わりと言ったところでしょうか? それとも実際に機関車を走らせて、レールの調整作業を確認していたのかも知れません。 |
↑ 「洛陽旅游交通図」湖南地图出版社2009年4月発行(部分)に目印を青字で書き込みました。 永安鋼鉄へ行くには、洛陽駅から[55]路のバスに乗り、終点の关林庙(関林廟) 下車が便利です。 ※申し訳ありませんが、機関車の現況は不明です。 ←関林廟です。三国志の有名な武将、関羽を祀っています。関羽はのちに商売の神様として信仰を集め、俗説では算盤を発明したとも伝えられています。 |
Reference: |
http://www.sy-country.co.uk/ |