レストアとは?

まずは、嫌でも話さなくてはならない項目。これから入る。基本知識ゆえ、説明するのも面倒。だが、これを知らないと最終的な形態が思い切り崩れる。

いわゆる外見後悔に繋がるのを避けることが目的である。


レストアとは一体何か?

文字上においてレストアは略語であり、レストレーションやレストアップの意味(restore)と同類。

修復、回復、元の状態に戻すという意味である。初期同一線上にリペアという意味も含まれるが修理する目的から全体像を見ると復元するということで小物から大物に変化した形での修理回復作業をレストアという言葉で当てはめることができる。

プロ領域になって初めて到達可能な方向になるのがレストアといっても過言ではない。

ド素人の加工や作業能力はあまりにも低すぎて、仕上がりが最低最悪になる場合が殆どであり、以下に示す筐体構造を命名している。

玩具化とゴミ化問題

レストア、それは簡単。wikiで調べましょう。ではなく、レストアの本質=いわゆる修復するという形、手法をいう。素人であってもレストアの意味、意義、本質を見誤るもしくは見逃すと持ち主、ユーザの個体が「ゴミ化、玩具化」します。これは必ず避けるべき行動になります。

ゴミ化、玩具化を避けるべく必要なことを述べていきたいと思います。最近よく見かけるのが、レストアの本質を知らぬアホが増えに増え、過剰飽和状態になっていること。

 物理構造と各種法律

脱個性だか分からんが、無知に馬鹿アホが増え、ナックルからもげてタイヤ脱落走行不能。爆音鳴らして公道走行とか、機械構造の何たるかを知らぬド素人が増えた。
常日頃述べている整備士の技術と技能が大きく不足していることが大きい。昔のようにメカオタクレベルの話以前の問題でPCを活用したデータリンクを用いた診断機能優先型のドアホが増えたため、メカニカルについてはほぼ皆無といってよい状況になったことが原因なのだと思う。

レストアとは何か=修復技術を向上させながらひとつの世界に取り組んで行き、最終的には満足かどうかは分からないがその世界に到達させる行為なのだと思います。

人の価値観は人それぞれであるが、予算をなるべくかけずに制約がある中からもがき苦しんでいった個体は長続き=長寿命なものに変化する。ことが分かっている。

街中の一般公道を見ていると分かること。それは最低地上高を割っている個体、リム曲げ、ツッパリタイヤ、車高上げすぎ(ジムニーや軽トラね)、合法と称して「何処がだよ!」といえるものばかりで、実がないのよ。規定法律を守ることなく、自分さえよけりゃそれでいいでは、重大な事故も発生することが必然になる。

もし事故が起こってしまったとき、言い訳は「外れるとは思わなかった」「想定外」「車検適合している」とか。いろいろ述べてくる。アホ丸出しで(笑)そうならないように、常に点検整備することが大切なのだが。

愛車のゴミ化を防ぐべく、道路交通法を含めた各種法律を勉強したうえで公認車検を必ず取得することが安心して一般公道を走行可能になる。常にビクついて走っていれば走行にかかる勉強=一番重要なドライビングを学べないことになる。

 工具や時間と勉強方法

レストアに必要な知識は、経験と勘に頼るところは多いもののモノづくりの大切さを知っている人ほど伸びます。

金属とプラスチックの集合体であるクルマですから、素材と仲良くなることが一番の手段になると思います。

それから必要な工具は必ず入用になる。安物の工具は無駄に終わるため、最低でも品質中程度以上のものを選択して集めていくことがレストアにかかる最初の一歩となります。最初から安工具を買っても結果ゴミになるだけです。


マジに工具選択は重要であり、安工具では結局そこで終わる。管理人=僕もしくは俺(これを一人称とする)は、長年の経験から国産系の工具が一番であると思っている。スナップオンも良いが、メッキの質が昔品質はともかく、現行品は終わっているために使いたい工具から外れて、現在は国産系を使用している。

昔は米国製とはいえ、原産国は中華、台湾であるため。意味がない。アンチではないものの、ドイツ製か日本製。これに限る。


国産系であっても、値段が安い場合は間違いなく中途半端な国製か、台湾に落ち着いてくる。(Kブランドであっても、中華製がはびこっている)

今は自分自身の経験以前に、安ければ何でもよいではムダ金投資になりかねずそうなれば最初から高品質を選んだ方が投資も少なくて済むということ。

僕は、本を読むことが好きということもあり、「レストア入門マニュアル」を良く読んだりしている。そのほか、電子工学、工作や、機械工作に関する基礎本を見たり、場合によって法律全般書を参考にしながら、図面を描いたりしています。

だからかもしれないが、動画作成する暇が無くなるわけです。作るのは簡単だが慣れも必要。

僕にはひとつの思いがある。

 人生は一度だけであり
    地球にある自然体を楽しまなくては後悔する



無論、法律に抵触しないこと、他人に迷惑や被害を与えないことを前提としたものであり、人が死ぬとき後悔は必ずあるもの。だから少しでも少なくして逝きたいものだ。

人生時間は有限であるから、できる限り思うままに進むこと。人の命はいきなりなくなったりすることがある。それを思うと馬鹿がつくほどにマジになって生きることが大切なのだと。

何をするにも金は要る。だが、なるべく最小限に抑えながら自然体を楽しむことは可能。当然、それにかかるものは学習したり、実経験を重ねながら、失敗を繰り返しながら病気やケガに見舞われないよう注意しつつ事を進めていく。フルレストア系はある意味体力勝負、精神力勝負のところがあるが、しかしこれも経験を重ねていくことで分かる世界があるというものだ。

 どのような車体を選べばよいのか?

技術と技能を持ち合わせているのであれば、どんなボロでもよい。となるところだが、極力手間はかけたくない。沼に入り込みたい人はともかく、程度の良い32を探してほしい。
探す方法は星の数ほどあるが、現在はほとんどがアジア、中東、アメリカ、北米に輸出されてしまい、良い個体は期待できない。それであるから、探すことも難易度が上がってしまう。

地道に探すしかない。時間はかかるだろうが、そんなものは待つ。下調べして良き出物を待つ。ビッグモーター問題のように、偽物を掴まされないように努力することが一番重要。努力だけでは分からんから、その努力は本やネットから正しい知識を創っていくしかない。俺はそうしてきたから。正解模範回答である。

とある場所に投機目的で大量に集められていることも分かってはいるものの、その辺にある中古個体は酷使されシャーシも終わっているものばかり。ましてやHCR系を探そうとすると数はあるものの、ゴミしかない。後はその人がもつ価値観であったり、修復整備能力が高ければどの程度まで妥協できるかにある。

全塗装を目的としていても、失敗はあるし作業スペースのことも考えなくてはならない。痛い問題であることは確かである。

当時R32を探していた頃を思い出すと、33、34よりずっとマシと思う時代であった。今個体を探そうとしてもボロボロだろうし、直し甲斐のあるものに出会える。

 R32のとの出会い

僕が日産時代、最初に触ったクルマはトラッドサニーの派生モデルだった。日産の社員は日産車しか買えない縛りがあった。

実際は、縛りがあったわけではないが、暗黙のルールで僕は本当はトヨタ車に乗りたくて、当時でSW20系、あわよくばAW11のSC付きMR2に乗りたかった。だが、日産は日産車。会社の寮から見えるのだが、寮の前が社員駐車場になっていてそこから見えるのはトヨタ、ホンダ他の日産車外。

社員であれば、通路内の駐車場に入れるのだが。それは日産車でなければならない。チャリンコはどこのメーカーでもOKという。

今は、日産自動車本体が終焉に近づき、ゴーンも逃走し、どうなっていくのか見ものだが。それはともかくとして

R32に出会ったのは社内お披露目の時です。その時点ではまだ乗ることもできなくて試乗車でもない。

240SXや180が置いてあったりと、その時の日産は実に元気があったころ。

当時の300万円は、少し無理をすれば買える。そういう時代です。

今も思います。僕と同期だった奴らはどこに行ってしまったのでしょうか。かなり気がかりです。

辞令で都内に居住することになり、クルマは持てない生活になり一度はクルマそのものを封印したのですが

ある駅前の駐車場に白のスバルインプレッサ(年式は教えない)が駐車していて、電車で通過するとき毎日それを見ていた。

インプレッサの動力性能と加速力は凄い。でも、R32の質感は達成できない。

当時友人だったU君がR32を所有していて、僕のところに見せびらかしにくるのが悔しかった。

田舎に置いてきたトラッドサニーとは全くの別物。ましてやクルマは都内では持てないからさらにクルマの匂いが恋しくなる。

都内に出るとき、R32のカタログを貰ってそれを持って行った。すこしでも落ち込む僕の心を支えられるようにと。

落ち着かない毎日が過ぎていきます。仕事に追われている自分。クルマに触れない悔しさ。

ある日、都内を移動しているときワインレッドのR32がUターンをしていて、僕はハッとなった。

自動車業界にいることで、自分自身を見失うのではないかと。

昔から僕はクルマには縁があって、事あるごとに引き戻される運命にあったと思います。

やっぱりクルマに触れないのはストレスが溜まる。クルマに触っていた頃はマジに生き生きした姿を見せていたと感じる。

毎日駅前の白インプを見ると思い出す。さっさと田舎に帰れと言われている気がしてならない。

この裏事情は説明したくないが、ある時、田舎に帰る方向で転属できないか打診したのです。

田舎に帰ることが出来るようになり、その時に出会ったのが今僕のところにいるR32です。

 R32のステアリングに触った時

田舎に帰った時のことすでにトラッドサニーは親に手渡していた状態でしたので、何時か手に入れられないだろうか、すでに販売は終了しているR32です。

何か方法はないかと、探していたところ元日産の社員だった人からの伝手でタイプM売りたいという話を持ち掛けられた。(格安で)

外装状態はあまり良くない感じではあったものの、実際の走行距離が1万キロにも満たない上物。

外装が良くないためにいったんは保留。しかし日産の社員同士ということもあり、格安だからOKとの返事をして、外装のヨレはコーティングでカバーするからと(費用はそちら負担)今後が楽しくなる返事をもらいました。

納車まで1ヶ月以上待たされたが。

購入にあたり一度試乗させてほしいとそいつの自宅周りを乗ってみた。初めてのR32のステアリングに触ってみて「楽しい」とすぐわかった。

走り出してすぐに乗り味が落ち着いていてストラット系にはない動きであることが分かり外装以外は全くの新車状態であることが判断できた。

最低限以上の整備はしてあるから良き状態を保っていたのかもしれない。しかし殆ど不動車に近かったことは確かだ。

今は新車価格以上に暴騰している。これはかなりヤバいと思う。僕は絶対に売らないし、盗られないように対策する。

僕の思い出がつまっている大切なクルマだし、今は亡き友のことを考えると邪見にはできない。一生残したいと思う。それがR32です。

他人は分からない世界だと思いますが、あの日あの時、日産の社内で見たときの感動や、発表前のR32GT-Rに触れる機会があったこと。

同僚との思い出、懐かしい日々。この先は社内情報になるから言えませんが、辛いことの方が多かった。しかし時代を動かす力をもったクルマに携わることができた幸せがある。それがR32なのです。

車は当然機械ですから劣化するし、消耗します。しかしそれも微々たるものだから。R32の弱点となっているフロン足回りから作業開始します。

少しでも手を加えれば直せる。直す価値のある個体。それがR32スカイラインです。時間をかけて丁寧に修復していきます。






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