作業継続
エンジン起動に成功して、本格的に外装に手を加えていくことにする。
厄介な作業になるパーツも多い。
特に燃料タンクのサビ取りは大変な作業になることは間違いない。
ボロ個体として僕の手元にやってきたFZR250Rだが、最初車体を振った時に「シャリシャリ」と音が出ていた。
燃料タンクにガソリンが入っている?わけでもなく蓋をあけてみると、変質したガソリン特有の異臭がしたから間違いなくヤバい物質に変化していることが分かった。
「やりたくない」の一言が出てしまったことは言うまでもない。
エンジン起動の時も、油脂類で特にエンジンオイルの汚さには参った。
エンジンフルオーバーホールはこの時点では実施できないから(本当に動くのか確認する必要があるからだ)
古いオイルを抜き取り、何度もセルモーターを用いてエンジンを駆動させたうえで内部に残っている古いオイルを洗浄するという手法を繰り返した。
最低でも4~5回くらいは行わないと綺麗にはならない。
綺麗にならない原因は「オイルフィルターの性能」に問題があるのである。
中華、台湾製の「なんとか自大雄」(仮称)製品はまずダメです。
フィルター?じゃねぇから。
エンジンオイルフィルターでもないから。品質なんて確保されていないクソボロ製品。
JASO規格だったか、国内規格に準じているとしておきながら、フィルタリング性能なんて皆無
ただの缶詰。
汚れは落ちない、ゴミ異物の収集も不可能のパチもん製品だからお前のは。
やはりね、純正パーツを使用するのが一番良い。
値段は倍近く違うが、性能は保証されている。
暇な人は中身をバラしてみれば分かる。
マジ、台湾、中華の製品はクソ。
FZR250RはMBオイル仕様、最近はこのオイル、指定粘度の該当する製品がなくなり、ヤマハではあるオイルを代用品として指定している。
MAは入れてはいけない。ギアが壊れる。
ドレンボルトについても、キジマで売られているアルミ製はやめておいた方が良い。
純正スチール製の方がよほどマシ。ガスケットも自動車用が使えるし安いからさ。
燃料タンクたいへん
早速、ガソリンタンクのサビとり開始。
よく言われている「花咲かG」の登場である。(ここの社長、かなり馬鹿だけどな)
モノタロ製品はダメね。使えないから。同じような値段なのに。
ついでサンポールもやめておいた方が良いよ。やはり専用品を用いることが後々パーツを壊さないで済むから。
サンポールの場合、一度サビは落ちるが再発するから無駄行為なんだわ。
まずは、タンクを車体から取り外してシャリシャリ言っているタンク内に有機溶剤をぶち込んでおく
少しでも溶解するように。
次に、強い水流を使って内部洗浄を行う。しつこいくらいに行う。
で、中身をよく観察して、ここで花咲かGを取説の通りに作業すると時間はかかるが落ちるよ。
実際、サビというよりも硫化した変質ガソリンを取り去るわけだし、界面活性剤が有効に機能すればよいだけ。
サンポールは不要な物質も混入しているから、使えないのよ。マジで。
ガソリンラインにあるメインリザーブ切替スイッチ、燃料コックの整備も同時に済ませてしまう。
変質ガソリンがかなり詰まっているから、というよりもガソリンの硫化は底面から始まるのだと思う。
一度発生すると取り除くのはかなり大変である。
この辺りもプロの知恵と技が必要になる部分である。
僕の手元に来た時、冷却水もフルード類も何一つ入っていないボロだった。
エンジンオイルも変質気味でどうなることやらと心配した部分である。
ひとつひとつ丁寧に修理、修復することでまたひとつの存在感を発する機械に生まれ変わらせることが可能になる。
FZR250Rというバイクが自分の色に染まっていく。何かひとつ特別なオーラを纏いながら。
僕が各個体に触っていくと「何かが付与されていく」という話を何度も聞いた。
地味に地味に行くよ。
スタンドスイッチ他
エンジン起動時に気が付いたこと。
それはスタンドスイッチが機能していないこと。
ここも結局分解整備することになったのだが、電装品という電装品について全て自分自身の手を入れることになっている。
困ったことに、酸化しているパーツが殆どであるから、全てにおいて機能確認と修理修正が必須になってしまう。
いつになっても走り出すことができないのはムカつくが、焦らずに行くことにする。
それともうひとつ気が付いた不具合
メインパイプのクラックが見つかったこと。
これはサビが原因でシームレス加工がしっかりされていない。当時としては普通の技術範囲で作られた単なるパイプ構造
成型時は良好だったのだろうが、長年の風雪に耐えられなかった一品。
当然、Oリング、ガスケットも全部交換である。
クラックの状態から判断して、中古パーツで対策した。後々クラックの入ったものも修正して使えるようにする。
このパイプとアルミ製のパイプは入手できないため、かなり難儀する部分かと思われる。
注意しておきたいのが、水周りに関係するOリング、ガスケット類は全て新品に交換することをお勧めする。
硬くなってひび割れてしているところが多数あったからだ。
冷却水がないということはエンジンブローに繋がるし、一度ブローしたものは修復不能に陥るケースになるから
水漏れは無いようにしっかりと整備すべき箇所である。
ラジエターもダメ
このラジエターは3LN3用を中古パーツで見つけて修理してある。
値段も1000円しなかったわ。最初についていたパーツは使えないわけではないが、補修する目的で保管。
冷却水もSLLC化して対処してある。
ホースの一部で問題が発生するが、ここはちょっとした加工と改造で対処できると思われる。
ラジエターホースについては旧品は用いない方がよい。硬すぎていつ損傷するかわからないからである。
バランス調整開始
仕上がったキャブレタAssyとインシュレーターを結合させ
チョークワイヤ、スロットルワイヤーを本組していく。
エンジン点火はすでに成功しているから、今度はキャブバランスを整えていく。
やはり、一度でもキャブレターを全バラするとバランスが崩れるからどうしてもこの作業は必要になる。
安いクソ中華系バランサーではちょっと無理な領域。
ヤマハの場合、かなりセッティングに時間がかかるし、専用のSSTやアタッチメントがないと調整できないのがネック。
1HXエンジンはマジに良い音がする。
バラツキを調整していくと分かる。
キャブセッティングは計器を用いて整備すると途端に良くなるから不思議だな。
昔、キャブ自体のセッティング方法を学んだ経験が生きる瞬間である。
現代のワカゾーはどうなんだろうか。現代のバイクはもっと高度な世界なのだろう。
だが、キャブ自体が悪ではなく、ベースになっているからこそ成り立つ技術なのだ。
電子制御ばかりでアナログな世界は遠ざかっているだろうから分からないとする人も多いのではないだろうか。
楽しいぞ。キャブセッティングは。
今のバイクは興味がなく、旧車に視線が注がれるために先に見据えるものが乏しい感じがする。
いつの日か,FZR250Rにインジェクションエンジンを積むことが来るのかもしれない。
だけど、これは歴史を否定するように思えるからその時が来たら考えることにする。
その時代時々の良さというものもあるのだから。
ソレックスやワルボロ、ミクニ他も触ってきたし(ワカゾーは知らないだろうが)
今回の1HXエンジンの音を聴く限り、良い方向にセットできたのではないかと思うところである。
ということは?
フルオーバーホールの必要性は急務ではないということになる。
燃料タンクのサビ取りは順調に進んでいるようだ。
後、数日様子を見て内部確認を実施してみることにする。
タンク洗浄本格化
前ページですでにタンク洗浄を行ったが、今回は2回目に突入している。
硫化した変質ガソリンのアレが出るわ出るわ。
何度洗浄しても出てきやがるのである。
タンク内を覗いてみるとサビは殆ど落ちており、ファイバーで細かく見てみるとある箇所に硫化ガソリンが残留している箇所がある。
よって、再度薬剤をぶち込んで様子を見ることにした。
薬剤では取り除けない状況だから、ここはアナログだがSSTをこさえてそれで削り取った。
表面をさらえば後は薬剤で溶かし切れると思えたのである。
高圧洗浄機で最後は吹き飛ばしてこれでもかと言わんばかりの水流で作業ごり押しした。
しかし、問題となる箇所はやはり「花咲かG」では落とし切れないので、ある特殊な薬品を使って対処したのだ。
また、数日間は中身を開けられない。封入して様子見。
タンク作業が進まないと結局、エンジンはかけることができないのだから仕方のないところである。
「花咲かG」って、効果を上げるには?
温度管理が必要ってことだけは言える。
猫緊急入院
僕の飼っている猫が病気になってしまって、緊急で入院することになった。
便秘で苦しんでいる状況。
そこそこ病気に強い子だっただけに、年齢を考えると仕方ないのだと思う。
僕は猫に好かれる。何故か好かれる。
嬉しいことではあるが、僕は猫の玩具くらいにしかこの子たちは思っていないのかもしれない。
この猫は、悪運の強い子で何度も死線をくぐりぬけてきた。
最初の出会いは、ガレージの前に捨てられていたのだが
もう少しでワンボックスカーにひかれる寸前だったのを目撃して、それを見たとき
「ああ、この子は終わったな」と思った瞬間、そのクルマの下からひょっこり
「死ぬかと思った」と言わんばかりの状況で出てきたのである。
もしもひかれたとしたら、いつも僕がその死体を片づけたり、役所に回収をお願いしたりと処理する形になる。
嫌だけどね。
一旦は、この子を保護することにして段ボールの箱の中に入れておいた。
家で飼うことはできないから。(すでに一匹家族がいるからさ)
最初見、かわいいとは思えなかったからなおさらだわ。
引き取り手が見つかるまで、作業場の中で遊ばせて飯食わしていた。
一週間入院となったが、奴の表情が思い出される。
「寂しい」「一人にするな」という声が聴こえてきたから。
手術も成功して無事帰宅。
以前を思い出すと里親探しをしたものの、結局誰も見つからず安楽死方向になる子だったのだが
ひとつの命も大切にできないのはいかんなってことで、俺んちで飼うことになった。
つまり、奴はすでに2度、3度と生還を果たしている。
結果的にいつの間にか僕のところに居ついてしまい今に至るわけで、他の人間には噛みついたりと悪い子なのだが
何故か僕には噛みつかないし、懐いている。とても不思議な子だった。
今これを書いている時はすでに死んで土に帰っている。
かなりヤンチャな猫ではあったが楽しい猫であったことは確かで、ある意味友達以上だったのかもしれないな。と思う。
僕が死んだら、間違いなくこの子は迎えにくる?かもしれない。
この子の最後は僕が看取った。
あっという間の猫生だったように思える。
この子が死んだ後、かなり寂しい感じが続いたが慣れてきた。いつもいる場所にその子がいないと落ち着かないのは今も変わりはないが
動物の死や人の死を経験すると、やはり慣れてしまうのは良くないのかもしれない。
年齢を重ねると、死んでいく人の数が多くなることは確かだし、ああ、またか・・・ってなるわけね。
子供の頃は、一大事以上の出来事になるが、大人になった後は、やはりいろいろ考えさせられる。
この子が愛用していた猫専用こたつにいない。いつも足元に来て猫足合図もない。
やっぱ、寂しいなというのは慣れというよりも、忘れるということなのかもしれない。
親父が死んだ後から、なおさら寂しいという気持ちが深くなった気がするが、ある意味ひとつの苦労から解放された気分はある。
足回りを修復する
走り出すまであと少し。
タンク洗浄まで時間があるから、次の工程に進むことにした。
現在リアアーム、タイヤがすでに取り外されて整備待ちになっている状態。
ダンパーオイルが漏れているフロントフォークも取り外してしまう。
フォークに刻まれている点サビは深くなっているために再使用は不可能。
加工機で調整することもできないわけではないが、大切な箇所だけに予備パーツを使い分ける考えもあって
オークションで中古パーツを探してみることにした。
やはり、酷いものしかない。もっとも僕が欲しいのはメッキ側ではなく外ケース側にある。
それと、ダンパースプリング(セッティング値が少しずつ異なるからである)
中古フォークを仮止めした時のもの。(かなりボロい)
とりあえずは横にしないでスタンド駐車できる状態に。
困ったことに、塗装作業が控えているためできる部分から修理していくこと
同時並行作業はさすがにキツイ。
単純作業ではないため、飽きてくる感もあるが、そこはモチベーションを高く保たないと結果良い品物は生まれないということ。
最初についていたタンク給油口の状態。
タンク内部も、写真にある通り茶色い物体が大量に泳いでいた。
アルミも変質してカタチを失っていることが分かるだろう。
臭いも強烈で、さすがにこの給油口パーツは新調することにした。
シールリングもヘタっているし燃料が漏れたらと思うと心配は尽きないからだ。
内部にあるキーシリンダーは後に再使用することが分かっているから取り外して保管してある。
で、下の写真は、タンク洗浄後。
3回は洗ったと思う。
かなり綺麗になっていることが分かる。

この状態まで引っ張ってくるまでに相当な能力を用いたと感じる。
今後は給油口の写真の状態にしないよう細心の注意を払っていくしかない。
さて、これから内部コーティングして終わり。
次ページはVer.1の完成。
ヤマハFZR250Rver.7フルレストア 製作委員会