塗装剥離開始
塗装は基本的に保管状態が良ければ10年以上は輝きを保つことが可能だろう。元がウレタンだから。
だが、サビが入り込んだものはもう終わっている。だから塗装剥離を実施しないと駄目ということになってしまう。
バイク用シートのきれっぱしは出てきたことを考えると、ボロボロの状態までシート自体が風化してある時、自然転倒してカウル破損、ライトフレーム曲がり、いろいろと損傷してさらに放置プレイが続いたあとそこから先は想像してもつまらんことばかりが出てくる。
全天候型で放置されていたと考えられるから、新車時に近い原点まで戻さないといけない。
今回取り外したエンジンメインフレーム、シートフレーム、アッパーカウルステイ等を見てみると、基材は鋼かアルミが用いられています。
これに防錆処理の後、本塗装されて元にあった場所に固定されるパターン。
マフラーの黒色は、あるところの会社で用いられている塗装方法であることも承知しているためそれになぞる形での塗装を施せばよい。
当時の技術とコストでは塗装そのものの質はあまり良くない。今はかなり高性能になってはいるが、正直疑問が多い。
キャブやエンジンブロックに至っては防錆処理なしだから。FZR250Rの場合。
おかげでアルミサビが大量に発生している。処理はかなり面倒。
こちらはまだ生きている感があるため最終工程に回すことにした。だから雨や雪のあるところに放置するとこういうことになる。
室内保管であっても、アルミ白サビは多少発生でも発生してしまう。
だから保管は重要なのよ。
保管状況が良ければ、新車時を保ちつつ現在に残っていただろうが、それでも風化は進む。
だから、最適な保管は重要なのよ。埃は多少つくだろうがそれは自身で落とせば良いだけだ。
今回は最初からボロボロだから、補修というよりも全塗装。
ずっと下にある写真は剥離作業して丸裸になった後、防錆処理を施したもの。
作業状況から判断してまずまずの仕上がりでしょう。
後は本塗装に回します。
僕は、できる範囲の作業であれば業者任せにはしない。
何故ならば、業者はへぼが多いから(言い訳も多いし)
塗装の場合は特に慎重に行わないと、後々ブーメラン効果でやり直しなんてことになるから。
作業を細かく行うことを仮定してだが、まとめて塗装作業を行うと費用も安く済むし作業時間も節約できる。
一番嫌なもの、迷惑をかけたくない作業が塗装です。
少しのパーツ塗装であれば問題発生は少ないが、住宅地では迷惑かけすぎ。
自分自身が好きなことをしているということを考えると騒音や機械音等々の加工音を出さないようにするというのもプロというものだ。
(ま、極力。という言葉を付け加えるが)
今日の草刈り途中、僕は手作業、隣の家ではエンジン草刈り機
ああ、負けたと思っていた。というのは嘘よ。草刈りするにも地表の凹凸を良く考えてから作業しないとクルマやバイクに石ヒットでお陀仏になりかねない。だから、俺は手作業なのよ。
エンジン付きはどうも後のメンテナンスが面倒だから、マジに大きい場所を刈るということならば用意してさっさと刈る。
今は、電動の方がお得感も作業感も高い。
何故、草刈りの話をしているか?
それは、整備するスペース外であってもキレイにしておかねば、後々の面倒に巻き込まれたくないから。
僕の近くまでそいつ草刈り機を持って近づいてきたけどさ、「こっちにくるな、ボケ」と心の中で思って作業していた。
どういうことか?というのは上に書いた文字で分かるだろ。
僕はね少々高値のエンジンチェーンソーや刈払機、いくつか所有しているが緊急事態にならなければ出さない。そういうスタンスでいる。
やっぱ、今は電動の方が楽だわ。
塗装準備前工程
後に分かったことだが、再度同じ工程を作業する結果になった。予備パーツとしてアッパーカウルステイを買っておいたのだが
それはまず予備として、車体についていたカウルステイをこつこつと修復していた
曲がりが酷かったから。(後に、再使用する形で予備保管となった)
塗装剥離作業まで終わり、一度メインフレームにカウルを実際に装着してみて曲がっていた箇所との修正具合が適正になっているか確認してみた。
曲がり修正は正常にできているものの、何かこう不思議な違和感がある。
それもそのはず。
元ネタが違うのである。つまり3LN1のアッパーステイだったのだ。
結局、そいつも塗装に回して全部塗ることになった。バイクパーツ屋め、騙しやがって(笑)
純正新品は入手できないから、中古。こういうことも多々起きる。
ここで分かることは、3LN1と3LN3と3LN5は寸法が数ミリ以上異なっているから、中古で購入する時は要注意です。
被害は最小限で済んだし、結果オーライ。
今回、3種類のステイを塗装することになったが、前処理として少しのサビも残さずきれいに除去すること。変な剥離剤は用いないこと。
塗装を焼いて剥がすという行為もダメです。(焼きなましになって強度が落ちる)
有名どころの剥離剤であれば作業はしやすいが、強力すぎるのもネックになる。
塗装に入ったらそれはそれはマイクの特別加工のごとく素早く難作業を乗り越える(笑)
さっさと塗り終わったら乾燥させる。ウレタンで仕上げるのが近道。アルキッドはNOよ。
プロが仕上げるとこうなる。
塗装前、サビでボロクソ
さりげなく、使い古しのGPSレーダー探知機が搭載されているが、これは4輪用を2輪用に改造した特殊機器である。
こうした小物パーツも誰かが傍から見たときに普通についていたんじゃないかと思わせるのが僕は好きだ。
すでに、プロヘッドもH4化完了しているところが面白いところかと。
ついでに、フレーム自体も溶接加工して特別仕様になっていることも面白いところかと。(面白がって、拡大写真にしないところがミソね)
見た目だけの使えないプロジェクターヘッドライト
一番最初にやらねばならない作業として考えていたのがH4化である。
どうも、このツラをみると、ファミコンだったかボンバーマンの顔が思い出される。

マジ、笑える。カッコよい?とは思わんわ。(見た目に騙されてはいけない)
だとしたら、3LN1のヘッドの方がよほどマシだから。
しっかし、何故にPH6というバルブを採用したのだか、皆目見当がつかない。
当時としては最高の技術だったに違いないが、今では完全にクソですわ。
暗すぎて、危ない。夜間は走れないわ。マジで。
今となってはLEDで攻めるところだが、一度純正パーツとして取り寄せできるのか試してみた。
全滅だった(笑)
さらに、製造元となるメーカーに直接聞いてみた。
「無理」という言葉を貰って、「ああ、やっぱりねぇ」で終了。
ということで、LED化は最後の仕上げとしてとっておくことにして、ハロゲンのH4化を先行して行った。
薄物溶接に強いところに依頼すると良いです。(ウチのことです)
キャブ本格整備
外装ばかりに作業時間をとられていたものの
やっとキャブの修理整備を行うことができそう。
初期状態からすると覚悟がいるだろうと思っていた部分である
すでにキャブ本体はエンジンから切り離され各部分解から始める
状態はかなり悪い。
数十年の時を超え、今僕のところにある。
燃料供給系の修理整備そして調整を行う。
キャブレター、燃料ポンプ関係。見た目からサビサビでやはり覚悟が必要。
写真は1HXエンジンから取り外された後のもので少し修復作業に入った段階。
これでも綺麗にした方だ。(もっと綺麗にするが)
どうしてバイク乗りは雑で性格がゆがんでいるのか分かる気がするよ(誰とは言っていないが)
よく見なくても状態が悪すぎることは理解できるだろう。
ガソリンアウターが白華現象(白化)が出ている。こうなるとまずは白さび落としから始まる。
どこまで行ってもサビ、サビ、サビのオンパレード。
使えない部品は捨てるも良しだが、すでに廃盤になっているパーツも多いからこそ再使用するための手法を考えなくてはならない。
しっかし、前オーナーはFZR250Rという名機をここまでにも粗末にしたのだろうか。
購入当初は心から好きなバイクだったはずだ。
それを何故か数年もしくは数十年にわたり青空放置で路駐し、好きなだけ乗り回して「放置プレイ」
野ざらし、雨ざらし、あちこちヤレて痛んで再起不能の状況まで追い込んだ彼。
アルミ白さびが大量に発生。
救いだったのは、フルカウルのレプリカバイクということもあり
最小限?のサビでかろうじて瀕死の状態から免れたのだと感じる。
僕は車両放置というおろかな行為はしない。
所有者の責任だから。最低でも屋根下で紫外線や風雨の影響を受けないところに保管する。
クルマはバイクと異なり車体シャーシである程度外気から保護される。
バイクはフレームはあっても外気から保護されるところは極限まで小さい。
野ざらし駐車だったことは間違いない。
ただ、カウルに多少守られていたであろう感じから致命傷は免れた感じがある。
車体全部、全体から見た感覚から、巡り合った大切な車両であると思うと。
前オーナーのことを殴ってやりたい気持ちになる。
もっとも大切にされない車両ってのは、日本全国ゴミ山のごとく存在する。
FZRはCBRやNSRのような超プレミアものではなく、平凡な個体なのだろう。
モチベーションを高く保ちつつ、めげることなく整備修理を実施する。
サビと盗難率との比例
サビさびの車体は屋外保管が多い。そうすると目につきやすいから盗難率も上昇する。
少なからずFZR250Rという車体はすでに登場から30年以上が経過し、FZRシリーズから始まるとすでに35年程度時間が進んでいることになる。
4気筒エンジンは貴重であるから余計かもね。
最近、近所のコゾーや、おっさんバイク乗りの生態が家の窓から見えるのだが、こいつらの動向を見ていると
軒下保管が主流。
だから、盗難にあったり乗り逃げされたりする。
というか、こういうのが通常の世界なのだと思う。雨の日に窓から見ると、やはりそのままの状態であることが多いから
バイクの調子も上がらないし、サビもでる。そうなることを承知の上で路駐しているのだと思う。
直近では、カーポートの下に保管している姿を見かけたが、半年以上動作もしていないしエンジン点火して走行することもなくなり
しまいにはバイク自体が売却された様子。
せめてカバーくらいはして保管するくらいは当たり前ではないかと思う。
クソガキコゾーは、これを書いている数日前にパラツインのバイクに乗り換えたようだが、こいつライディングが下手クソで50Pでいきなり走り出して俺んちの前の生垣に突っ込んで逃走した経緯があり逃げる姿はそれはそれは笑った。
防犯対策もそこそこ導入しておかないといけない時代になったといえる。
放置車両は、朽ち果てた状態ならばまだしも、プレミアム個体だったら間違いなくお持ち帰り商品として抜き取られるね。
バイクの保管方法はいろいろあるだろうが、最低限でも屋根付き屋内、鍵付き必須。
防犯カメラも必須だろうね。
僕から言わせてもらうならば、ヤバい環境の中でバイクを買うのならば対策を最初から考えて講じて行動するしかない。
ここならば大丈夫だとか、大丈夫だろうでは、後に後悔することになる。
旧車バイクならばなおさらである。
どんなに強固な状況にしたとしても盗られる危険性はゼロにはならない。ということ。
1HXエンジンの状態は最悪。サビサビ。
いろいろ述べてきたが、各作業は継続しながら話している。
よく見るとブロック側のサビやカウルステイのサビも確認できるだろう。
あと少しで朽ち果てて終わったケースになると思います。
今僕の手元にいるFZR250Rの過去を感じて思うところ
完全に修復して走り出せるよう
今できる整備環境の中で可能な限り付き合えればと思う。
どこまで直せるかは、結局自分自身の技術と技能にかかっている。
本来であれば、エンジン駆動系から直していくしかない形になるが
今回の個体は、状態が悪すぎるためフレーム関係から修復することになった。
現在、仕事で殆ど修理するための時間をとることができず、暇になりそうな時を狙ってコツコツと整備修理している。
焦ったところで良いものは出来ないから。急ぐこともしない。
サビ除去については急ぎ作業になるが、これは誰に頼んでも求める方向にはならずテキトウで完了してしまうから
自分自身でコツコツと直すことが一番良い。
昔、手に入れることができなかった悔しさ、当時の思いを少しずつ手繰り寄せるように
その時の瞬間を楽しむことでひとつひとつ積みあげていく。
これこそがフルレストアの醍醐味である。
時間をかけることでそれだけ良いものが完成形に近づく、ゆっくり作業するということは僕にとって楽しみを末永く感じたいということもある。
これはF6Bカプチーノを作り上げていった手法と全く同じである。焦ったところで誰も手を貸してはくれないからさ。
しっかし、鉄さび、アルミサビが酷い。
こうした姿を見せつけられると、直したい衝動に駆られる。
いつの日か、必ず走れるように、エンジン起動も簡単に、普通に。
走り出すその時まで、努力するだけだ。
二度と手放す気はないし、自身の整備修理力、技術と技能という能力を信じるだけだからさ。
人というのは、飽きると写真のように放置され終わる。
人というのはおろかな生き物。やっと手に入れたその苦労を無駄にして捨てる。
僕にはできないね。今はとにかく整備修理を実施してできる限りの工数を投入する。
で、FZR250Rは応えてくれると信じる。
人間は、対象物に飽きたとき本性が現れるというが、写真に示すものがまさにそれだろう。
古くなったから、こうなったわけではない。好きだったらこんな風にはならないね。(保管状況環境にもよるが)
前オーナーは「馬鹿のバイク乗り」「無知のバイク乗り」ってことだ。この手のオーナーは他人(バイク含む)から見捨てられることが多い。
メカ、整備力、修理力に関してもド素人以下。
僕はこうなりたくなくて努力してきたが、無性に腹が立つ。
どうしてこう世の中の人間たちは、品物を大切にしないのか、と。
新しいものだけが魅力あるものなのか?だから前オーナーは人生楽しくないのだよ。
僕は、この程度のことでへこたれない。
昔あった辛い、苦しい時を、過去を清算するため。自身の人生を良き方向に進ませるために行っている作業なのだ。
そしてFZR205Rと共に新しい時間を手に入れるために。

外観調整はこんな感じ。ショットブラストはいらないよ。手作業で十分です。
アルミレスキューなんていらんよ。
こんな薬品に金払っても効果はないから。
リッター100円もしないものを使っても「落ちません」
頑張ってコツコツ手作業の方が早い。
今は、もっと効果的な薬剤が出ているとは思うが、それでも今のアルミと昔のアルミとでは種類が異なる。
サビ酸化の違いも大きい。
そんな金を払うのならば、手作業。
製造からもうすぐ35年になる。
時間を巻き戻す作業は実に大変である。
ま、大分良い方向に方向付けできているだろう。
写真では分からないと思うが、中身もしっかりメンテされて後はバランス調整。
最近話題になっている250系の4発インジェクターエンジン。
だけどな、過去の遺物としての能力はやはりキャブしかない。
インジェクターとキャブは、アナログの楽しさから言ったら間違いなくキャブ
理由は電子化すればするほど整備能力が問われ、さらにキャブの難しさを知ることになる。
キャブの組付けと調整は、いろいろなサイトを参考にするとよい。
しかし、使えないサイトしかないから。後は古文書を見た方が早いわ。
面倒なところは、油面計測と調整くらいだろう。
Oリング、ダイヤフラム主要パーツは純正経由では価格が高すぎるから流用で。
日本の悪いところは、旧車ユーザーを敵視しているのか、環境に配慮していると言いながら
実は、新しいものを買え。になっている。
英国や米国では旧車乗りについて、歓迎されている。古いクルマ、バイクに乗ってもらってありがとうとまで言う。
日本は、マジ
クソだ。
自動車税、消費税、ガソリン暫定税率、こんなもん要らねぇ。腹立つだけよ。
車検自身も2年では短すぎるわ。
自賠も高すぎる。整備費用も高すぎる。
無駄なところにばかり血税が注ぎ込まれる。住みにくい世の中にしたのは誰か?ってことだ。
ヤマハFZR250Rver.7フルレストア 製作委員会