■補足設定■

 七度死んだ男を書いていて、話の展開上、この世界はこうなんだよなーというのや、他キャラの心情が入れられなかったので、ちょっと説明というかいい訳したくて作ったページです。読まなくても特に問題はありませんが、エレンが死んだ後あの世界はどうなったんだ、とか色々気になる方はどうぞ。完結までに時間がかかっているため、どこかに矛盾があるかもしれません。さらっと読み流して頂けると有り難いです。
 取りあえず、転生は縦軸ではなく横軸なので、平行世界をランダムに飛んで行っています。転生しているのはリヴァイとエレンのみです。基本的に平行世界の人物も原作軸と同じ外見と性格をしていますが、別世界の人となります。エレンは転生後の人生において総て前世があった自覚がありますが、リヴァイが前世を認識したのは七度目の人生が初めてです。



■一度目■

・エレン→原作設定の未来を想定しています。この話の原点というか、転生する源となったそのもの。「リヴァイと一緒に生きて幸せに暮らしたい」という望みを持ちながらもそれを一切口にせず、恋人であるリヴァイのその手により処刑された。大切な人の幸せと平和のために自己犠牲の選択をしたことに後悔はありませんが、一緒に生きたかったという想いが強すぎたために、リヴァイを巻き込んで何度も転生することになりました。リヴァイと一緒に生きる、というのが転生を止めるためのキーなので、果たされない限り何度でも転生を繰り返します。無意識に残っていた力を発動したため、七度目まで自分の願いが原因だとは気付きませんでした。更に気付いてもその願いが果たされる以外に転生を止める手段はありません。

・リヴァイ→原作設定の未来の兵長を想定しています。エレンを処刑した後、その遺体が晒されることを阻止するためにその遺体を奪って逃走しました。無事に逃げ切ったのはエレンとリヴァイを想う者達が追跡を本格的にせずに、表だけ取り繕ったから。誰にも荒らされない場所にひっそりとエレンの墓を作り、埋葬してから周りに花の種を蒔いて、エレンの墓の上で自刃して果てました。その後、エレンの力に巻き込まれて一緒に何度も転生することになります。七度目のリヴァイは兵長の最期を覚えていますがエレンに話す気はありません。


■二度目■

・エレン→七度の人生の中で一番苦労した人生。前世の記憶と今生の混同が激しい当初は自傷行為を繰り返したり落ち着くまでは大変でした。両親が理解のある人で、息子を見捨てずにちゃんと育てました。アルミンと出逢ったことで自分の記憶が前世なのではないかと気付く。アルミンを守るために共に城に行き、親友を守るためにずっと戦ってきましたが、暗殺者としてやって来たリヴァイの顔を見て動揺した隙をつかれて死亡。死亡時の年齢は二十代後半くらい。この人生でエレンは大分鍛えられました。

・リヴァイ→暗殺者集団のリーダー。アルミン暗殺の依頼を受けて城内に侵入しましたが、暗殺は失敗してその後逃走しました。エレンに名前を呼ばれて驚いたのは記憶が戻った訳ではなく、誰も知らないはずの本名を呼ばれたからです。アルミン暗殺失敗後も他の依頼を引き受けて暗殺者として生きましたが、任務中に死亡。

・アルミン→王が侍女に手をつけて生まれました。エレンと幼い頃に出逢い親友に。母親が殺されるのを恐れて逃げたのですが、王位継承権を持つ王子が次々に亡くなったため、祖父の元から城へと連れて行かれることに(母親はアルミンを生んだ後病死)。大切な人達を守るためと、王族としての義務を果たすために王となり、後に賢王とその名を歴史に残すことになります。エレンのおかげで暗殺者の手からは無事に逃げ出せましたが、エレンを死なせたことは生涯悔いが残ることに。


■三度目■

・エレン→ごく一般の家庭に産まれましたが、幼くして両親を亡くし、父の友人であった旅の一座の座長に引き取られます。一座の中で育ったので家族同然の気持ちを抱いています。雑用は何でもこなせますが、楽器と歌の才能はなし。得意とするのは剣舞で、一座の中でもエレンの剣舞は人気の高い演目。立ち寄った街で騎士となっていたリヴァイと出逢うが、王族内のごたごたに巻き込まれ、リヴァイを庇って死亡する。自分が死ぬ際に見せたリヴァイの顔が忘れられずにトラウマとなり、これ以降の転生ではリヴァイと出逢うのをどうにかして避けようとします。

・リヴァイ→王国近衛騎士団、第二師団、副団長の肩書を持つ、王太子の腹心の騎士。街で出逢ったエレンに心を惹かれ、一座に通うが、そのためにエレンを王家内でのごたごたに巻き込んでしまった。一応貴族の出身で三男。エレンが死亡した後、座長に詫び、頭を下げ、エレンの遺体を引き取って弔った。周りからは結婚を勧められたが、断固として断り、生涯独身を貫き通した。

・アルミン&ミカサ→エレンと同じような境遇で共に一座で育ちました。アルミンは楽器の名手で、ミカサはその声の素晴らしさで有名な歌姫。二人とも、エレンが死んだことに対する怒りと後悔が残ることに。実は数年後、くっついて子供にエレンと名付けたという裏設定があります。


■四度目■

・エレン→侯爵家の三男で騎士。名門貴族の出自だが、今までの人生が一般市民だったために貴族の暮らしが合わない。家柄と実力がありながらも自国の王が苦手という理由で近衛騎士にはならずにいた。城下町で傭兵団の兵士長のリヴァイと遭遇し、強引に引っ張り回されていくうちにお互いに愛し合うが、戦争が始まり、リヴァイとは決別する。戦場で再会したリヴァイを庇って死亡。

・リヴァイ→傭兵団・自由の翼団の兵士長。原作の兵長よりも昔のゴロツキ時代をイメージしています。城下町で遭遇したエレンに一目で惹かれ、強引に自分の稽古相手に指名し、引っ張り回す。エレンを愛し、戦争が始まる前に自由の翼団に引き抜こうとするが、エレンに拒絶される。戦場で自分を庇い死亡したエレンの遺体を持ち帰り、埋葬しました。その後も傭兵として戦いましたが、戦場で死亡。エレンの遺髪を生涯肌身離さず持ち続けていました。遺体はエルヴィンの指示で何とか持ち帰ることが出来たので、エレンの墓の隣に葬られました。

・エルヴィン→傭兵団・自由の翼団の団長。常に冷静で自分の傭兵団のことを考えており、エレンの祖国を裏切る形で勝利。後に強国につき、その名を世界に轟かせることになります。リヴァイとエレンのことについては残念に思っています。

・王→武術については国で一、二を争う程の腕前の持ち主ですが、政治的な手腕は余りありませんでした。父王が武官よりも文官を重用するタイプで、隣国との折衝や駆け引きが上手く、戦を避け上手く国を統治していたので比べられることが多かったのが、彼を歪ませることになった原因。賢王と呼ばれた父と逆の方法で国を大きくすることにこだわり、武官を優遇し、結果、自らの国を滅ぼされました。城が落ちる前に自害しました。

・エレンの父→代々将軍の家柄で自身も将軍。実直な性格で王には忠実。戦死しました。

・エレンの長兄→近衛騎士団、団長。脳筋タイプですが、真っ直ぐで裏表のない性格。家族内ではエレンを一番可愛がっていた人物です。敵の将と刺し違えるような形で死亡。

・エレンの次兄→文官。戦争で負けると判断し、止めようと何度も進言したが聞き入れられずに開戦。肉親や使用人達を安全な場所に逃がし、自分だけ国民のために残った。戦後、その有能さを認められて処刑されずに登用されることに。残された国民のために尽くし、国が安定し、後任が育ったところで隠居した。父と兄弟の死については語らなかったが、悔いが残っている。

・ジャン&コニー→ジャンは下級貴族、コニーは平民の出。二人とも生き残り、一時捕虜となるも、エレンの次兄の口添えもあって復帰しました。


■五度目■

・エレン→暴走した馬車にはねられ死亡。享年七歳。丁度祭りの時期で見学していました。今までで最短の人生でした。

・リヴァイ→エレンをはねた馬車に乗っていました。丁度商談に向かう途中の事故で、リヴァイ自身に責任はないですが、子供を死なせてしまったことは後を引きました。


■六度目■

・エレン→大商人の息子として生まれる。リヴァイとの邂逅を避けるために、父と幼い頃から商船であちこちを飛び回る生活を続ける。が、その商船が海賊船に襲われ、海賊の一人ともみ合ううちに海に転落して死亡。

・リヴァイ→エレンの乗船していた商船を襲った海賊の首領。エレンは一目でリヴァイだと認識しましたが、リヴァイはエレンが海に落ちたのを目撃しただけで、二人の間には一言の会話もなく終わりました。


■七度目■

・エレン→現代のごく普通の家庭に生まれ、大学へと進学する。大学二年生になり新しいアルバイト先を探していたところ、リヴァイに遭遇しその場から逃走する。が、直後頭上の工事現場の鉄柱が落下してきて下敷きになりそうになり、それを庇ったリヴァイが腕を骨折する。その後、リヴァイに責任を取れと言われ、彼の身の回りの世話をするアルバイト生活が始まる。一緒にいるうちにやはりリヴァイに恋心を抱くが、過去のトラウマにより拒絶してしまう。その後、ハンジに相談した際にこの転生が自分の願いのせいではないかと気付く。リヴァイを巻き込んでしまったことを詫びるが、リヴァイも記憶があることが判明し、結ばれる。

・リヴァイ→人気作家。ジャンル問わずに何でも書くことで有名。マンションに一人暮らしで金持ち(デフォルト設定)。街中で会ったエレンを庇い、腕を骨折、強引にエレンに身の回りの世話をするアルバイトを命じる。実は転生した中で唯一の記憶持ち。全部の記憶を詳細に覚えている訳ではないが、夢でしか会えないエレンのことをずっと探していた。エレンに愛を告白し、一度は拒絶されるも結ばれる。

・ハンジ→リヴァイとは同じ大学の同期で、人気女性雑誌の編集長。リヴァイを担当したこともあり、人の才能を見抜く目がある。婚約者持ち。

・アルミン、コニー、ジャン→エレンと同じ大学に通う同期。アルミンとは仲がいいが、ジャンとは相変わらず喧嘩する仲。が、なんだかんだ言って皆で行動することが多い。



 元々は七度目のリヴァイとエレンの俺とともに生きろ云々のシーンが書きたくて出来た話なんですが、設定を詰めていくうちに七度目までの人生がやたら長くなりました……。エレンがリヴァイから逃げようとする理由が何故なのかきちんとした説明を入れた方がいいかと思いまして。四度目が長すぎたために五度目と六度目は流す予定のものを更に省略しました。海賊リヴァイと人質エレンの話は膨らませれば一本書けそうな気がしたんですが、これ以上長くしたくなかったのでボツに。
 タイトルが七度死んだ男なのは単に語呂というか、字面が良かったからです。五度でも六度でも八度でも良かったという……。七度にしてしまったので、七度目までの人生考えなければならず、無駄に長くなる羽目に。
 女性誌の編集長のハンジさんが仕事面でもリヴァイとまだ付き合いがあるのは、ハンジさんが元文芸担当で、そのつてで有名作家の対談やインタビュー、エッセイやコラムを載せてるからです。意外にも好評でリヴァイの回は特に反響が大きいため、連載にしたいのですが、リヴァイのお前の仕事は面倒という主張で断られているという裏設定。
 完結まで非常に長くかかりましたが、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。




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