長すぎるまえがき~サントリーホールに酔えなくて~
3月2日のLe Velvetsのサントリーホール公演は、私にとって非常に残念な体験となってしまいました。といっても、コンサートに問題があったわけではありません。座席の選択を誤ってしまったばかりに、コンサートの楽しみが半減、いや激減してしまったのです(涙)。よりによって私は、最高のホールの最低の席で、このコンサートを聴いてしまいました。「後悔、先に立たず」とは、まさにこのこと。はっきり言ってショックです。残念です。悔しいです(涙)。この席を選んだのは他ならぬ自分。誰に文句を言うつもりもありませんが、あの時間を思い出すたびに、こんな席を選んでしまった自分に腹が立ってきます。今は、ただひたすら、このリベンジをどうやって果たそうかということだけを考えています(笑)。
さて、コンサートの感想を書く前に、なぜ私は、そんな最低の席を選ぶことになってしまったのかをお知らせしたいと思います。私はこの日、RAブロックというステージ真横にある座席でコンサートを聴いていました。今回のコンサートはSS(12000円)、S(9000円)、A(7000円)、B(6000円)と4種類の券種がありましたが、RAブロックは一番安いB席にあたります。そんな安い席を選ぶからだと言われればそれまでですが、安いという理由だけで、私はこの席を選んだわけではありませんでした。
サントリーホールはステージを取り囲むように座席を配置するワインヤード型ホールです。ワインヤード型のホールは少なく、東京近郊ではサントリーホールとミューザ川崎くらいです。せっかくサントリーホールに行くなら、ワインヤード型のホールにしかない座席で聴いてみたい…と思ったのが私の悲劇の始まりでした。
最初に私が目をつけたのは、PブロックのX席でした。Pブロックはステージの真裏で音的には劣るため、通常、安い料金設定になっています。しかし、ステージから近く、普段は決して見ることのできない位置からアーティストを見ることができるので、わざわざこの席を選んで買う人も少なくありません。しかし、今回はX席はファンクラブ会員しか購入できないエリアと聞き、X席は断念せざるを得ませんでした。ちなみに、アンコールの第九のコーラスは、X席のファンの方たちによって歌われました。
SS席という選択肢は私にはありませんでした。12000円のチケット代を高いと思うか安いと思うかは、そのひとの価値観によるので一概に高いとは言えませんが、12000円という金額は、同ホールで行われる中村紘子、辻井伸行、坂本龍一といったアーティストの公演よりも高額です。私には、この金額はいささか相場を無視した価格設定に思えました。もっとも、SS席は早い時期に完売したので、12000円を高いというのはあたらないのかもしれません。しかし、Le
Velvetsのファンならともかく、私は樋口さんの音楽を聴くのが目的なので、SS席である必要はないなと思いました。
そんなわけで私に残された選択肢はS、A、Bの3つでしたが、Aは中途半端な気がしたので選択肢から外し、結局はSかBかの二者択一となりました。今でこそ、Sにしておけばよかったと思うのですが、その時はまだ、昨年9月の「オーチャード1階のあまりにもステージから遠いS席」のライブ感のなさが強く印象に残っており、高くて遠いS席より、ステージに近く、ワインヤード型のホールにしか存在しないステージ真横のB席のほうが魅力的に思えたのです。
もちろん、B席の音に多少の問題があることは承知していました。が、事前に調べた限り、ピアノ独奏など一部のプログラムを除けば、極端に音が劣るわけでもなさそうでしたし、「日本一、音の良いホールなので、どこの席で聴いても問題なし」と言われると、そうかと思ってしまったのでした。
いったい、私の席では、このコンサートがどのように聴こえたのか、それをこれからお話したいと思います。
to be continue
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