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ステージでは司会の男が淡々と進行を進めていく。
客席のボルテージは高く、対比すればとても面白いと感じる。

マスクをした女が男に引きずられるようにしてステージに上げられると、すぐにドーベルマンが同じようにステージに上げられる。

女の叫び声はマスクの下、くぐもってはいるが確かに間近の客には聞こえるだろう。
さらに、その緊張感や恐怖心が動物の本能を揺さぶるんだろう、ちゃんと調教されていて暴れることはしないドーベルマンでもその下腹部は興奮を表していた。

そのまま犬と女を放ち、狩りをさせるのも一興だと社長は笑っていたが、さすがに客の安全を考慮して却下した。

女はほとんど抵抗できずにステージ上で四つん這いにされる。

トレーナーの合図を待ちながらも、犬は女のソコだけを見つめ涎を垂らしていた。

客の興奮もステージには伝わっているだろう。
たっぷりと時間をおき、

「よし」

トレーナーのGOサインがついに出される。

それと共にそれまで大人しかった犬が女の上に乗り上げる。
まさにマウンティング行為だった。

女の身体が逃げようとすれば、犬はその背中に爪を立て逃がすまいとする。

1つ目のショーが終わる頃には女の背中は血塗れになっていた。

女がステージから下ろされると、一人の男がステージに上げられた。
男はマスクは着用していなかったが、すでにその顔を見て誰なのか当てられるような人間はいない。

男は胸とペニスにローターをいくつも括りつけられ、射精を抑制するために根本を縛られていた。

さらに後肛にもバイブが突っ込まれており、その尻から何本ものコードが垂れ下がっている。

実はステージにはすでに黒人の男が2人、スタンバイしていた。

男がステージに上げられると同時に、陵辱ショーが始まった。

前からと後ろから、同時に責められながら男は射精も許されることなく、目に涙を浮かべ喘ぎ声を出し続けていた。

最後は2輪差しでショーは幕を閉じたが、最後に司会者から

「本日出席のお客様でご希望の方限定ですが、先ほどの人間の調教DVDをプレゼントさせていただきます。

後日市場にも出回る予定ですが、今日プレゼントさせていただくものは無修正となっておりますので、ぜひ今日の記念にお持ち帰りください」

とのアナウンスが入る。

これで会場のボルテージは最高潮に達する。
その雰囲気のままに、最後の出演者が舞台へと上げられる。



首から上を覆い隠すように黒いマスクには鼻の部分しか空いている部分はなかった。

前の2人と同様に首から下は全裸だったが、まだ暴れるだけの元気は残っている。
ただこちらも簡単に逃げられても困る。
そこはある程度加減の分かっている人間を付けていた。

男がステージに上げられると、端から3つの箱が登場してくる。
箱の中身は何か見えず、1番から3番までの番号が振り分けられている。

ここで司会者の声が響く

「さて、ただ今から抽選会を行いたいと思います。

事前に皆様のテーブルには番号札を配布させていただいております。

これから私は2組、番号を呼ばせていただきます。
その番号のテーブルに座っていらっしゃる方、代表1名の方は後ほどステージへ上がっていただきます。

その2名の方にはあみだくじをしていただき、くじで当てた番号と同じ箱をこの男にプレゼントしてやっていただきます。

もちろん事前に箱の中身をお知らせすることはできませんので・・・」

招待客達の歓声が響きわたる中、ステージ上の男はさらに暴れるように手足をばたつかせている。

「さて、そんな幸運を掴み取った2組の番号を呼ばせていただきます」

次の瞬間にはその場は静まりかえり、全ての人間が自分のテーブル番号を見つめいてた。

司会者は一呼吸置いた後、

「・・・13番。そして、37番」

番号を読み上げると、途端に歓声が上がる。

呼ばれたテーブルの人間は興奮のためその場に立ち上がり、喜びを最大限に表現していた。

司会者はそんな状況を冷静に眺め、周囲の興奮が収まったところで


「では、あみだくじはこのパーティーの主催者でもある前中社長にお任せすることにしましょう。

前中社長、ステージにどうぞ」


社長が奥のテーブルを離れ、ステージへと向かう。
一歩を踏み出す毎に歓声が沸き上がり、社長もにっこりと微笑むことでその声に答えている様子だった。

ステージ上に上がると、社長と男が横並びになる。

社長はピンマイクを胸元に付けると、明るい声が店内に響く

「皆様、今日はご足労いただきありがとうございます。
楽しんでいただけていることと思いますが、これから最大のイベントが待ち受けております。

イベントの前に、あみだくじの準備にかかりたいと思います」

そして社長が話し終わると、司会者が用意していた物を社長に手渡す。

ステージの明かりに照らされ、光輝く1本のナイフ。
誰もがその社長が手にしているナイフに釘付けになっていた。


「動かないでくださいね、手元が狂うといけないので」


社長の声はそのまま招待客にも聞こえている。

客達はこれから何が行われようしているのか、固唾を飲んで見守っている。

そんな中、社長は男の胸元にナイフの刃先を当てた。

男の右乳頭の数センチ下。
そこからゆっくりと社長は腕を下ろしていく。

ナイフが通った後には1本の道が出来上がっていた。
道は深紅の色をしているが、表面の薄い皮膚を裂いているのか滴る程の出血はなく、まるで赤いマジックで線を引いているように見える。

そのあみだくじはある意味芸術的といえた。

男は動くことは決してなかったが、そのマスクの下で何度も唸り声を出していた。

一方で社長は嬉々として2本目の線を男の体に描き始める。

「あみだくじ・・・あみだくじ・・・」

微かにピンマイクから社長の声が聞こえてくるが、その声と状況のギャップが薄ら寒く感じた。

招待客はどう感じているのか分からないが、誰も声を発しようとはしなかった。

そして3本目の線が引かれる。

3本目となると男の足がガクガクと震え、支えられていないと立っていられない様子だった。

胸に3本の線を引き終えると、社長は次に横に数本の線を引き入れていく。

最後にはあみだくじの終点に、右から英数字でT・U・Vと印を付け、ようやく社長は男から体を離した。

見ていた客も、そして俺自身も一瞬にして全身から力が抜けていくのが分かる。

社長自身はいたって普通で、何も変化は見られない。

「さて、お待たせいたしました。ようやくあみだくじが完成しました。

それでは、先ほど司会者に選ばれたナンバーの方はステージにどうぞ」

いつの間にか社長が司会者のようにショーを進めていく。

コールされた代表者は男女1人ずつがステージに上がった。
男の方は明らかに緊張している様子が見て取れる。
逆に女の方は口元に笑みを浮かべ、堂々としていた。

「これからお二人にはあみだくじをしていただきますが、まず自分が選んだくじの上に印を付けていただきましょう」

言い終わると同時に、係の人間が再び社長の手にある物を渡した。

「こ、これは」

客としてステージに上がっている男も社長が持っている物から目が離せない様子だった。

「焼きゴテになります。遊び心を加え、こちらは星マークにしています。

もう一つは
女性の方ということなので、ハートマークにさせていただきました。

では、13番の方。

どのくじにされますか?」

「あ、あ・・・・一番左」

「分かりました。ご自分で印をお付けになりますか?」

社長の声に、

「い、いや・・・遠慮しておくよ」

男はぎこちない様子で首を横に振った。
そんな男の様子に数人から揶揄する声が掛かる。

社長はそれには触れず、

「そうですか。では、私が代わりに印を付けさせていただきますね」

明るく話すと、ちょうど男の右胸の上に焼き印を押しつける。

”ジュッ”

という音と共に

「ぐぅうっぅうううう」

という声が客達には聞こえたが、それは一瞬だった。
焼きゴテが離れたその場所には、真っ赤に焼けただれた星マークが男の胸に浮き上がっていた。

社長は間髪入れずに、今度は女性ゲストに顔を向けると

「さて、レディーはどこに?」

と尋ねた。
女性ゲストは特に物怖じすることなく、

「私は真ん中を」

そう言うと、社長の手からハートを形をした焼きゴテを受け取り、ちょうど胸骨の真ん中にそれを押し当てた。

皮膚と焼きゴテの間から白い煙が少し見えたような気がした。

2つの印が男の胸にくっきりと浮き上がり、周囲も真っ赤に爛れている。

社長が男に近づくと、高性能なマイクは小さな男の声も拾い上げていく。

「やめてくれ・・・やめてくれ・・・」

そんな声に誰も耳を貸すわけがなく、


「では、くじの公開といきましょうか」


そんなもの、見るだけでどちらが何番なのか分かりきっている。
それなのにくじを辿っていこうとするのは・・・社長の趣味でしかない。

再びナイフを手にした社長は、

「まず、星マークの・・・」

と言いながら、くじという名の傷の上に新たに刃先をあてがうと、傷を抉るようにして腕を下ろしていく。

そして男性ゲストが1番、女性ゲストが2番の箱に決まると、係の人間が2人の前に同じ番号の箱を並べる。


「では、その箱を開けてください」


社長の声と共に箱の中身が客達の目に曝された。

1番の箱にはカラフルな蝋燭が、そして2番の箱にはいくつかのピアスとピアッサーが入っていた。

「ちなみに、3番の箱は」

社長の言葉とタイミングを合わせるようにして、残りの箱が開けられる。

そこにはカテーテルと呼ばれる医療器具と、ガラスの注射器が用意されていた。

「またこれは次回に利用させていただきます。

ということで、これからくじびきで当てた商品を彼にプレゼントしてあげてください」

蝋燭を当てた男は商品を凝視したまま固まっている。

さっきの様子からもこういうパーティーに慣れていないということが分かる。
資料を取り寄せてみたが、本来招待状を受け取ったのは男性ゲストの連れ、女性の方だった。

女性の方がステージに上がってもおかしくない状況だが、女性はステージ上の男の様子を見ている方がお好みらしい。

男性ゲストの戸惑っている様子を見ながらその表情は綻んでいた。

一方でピアスを手にした女性ゲストはすでに傷だらけの男を眺め、どこにするのかを迷っている様子だった。
用意されているピアスは大小1つずつ。

「さあ、まずはどなたから・・・」

社長の声に女性ゲストが先に手を挙げる。

「じゃあ私から」

「では、よろしくお願いします」

女性ゲストは楽しそうに男に近づくと、向かって右胸の乳頭をこね始める。

社長は男の背後に回り、ステージを女性ゲストに任せるようだった。

ただ、こうしている間にも社長は男の耳元で何かを呟いている様子だったが、何を言っているのかは分からない。

社長が男の背後へと動いたと同時にピンマイクの電源を切るように俺が指示を出した。

女性ゲストは躊躇うことなく大きなピアスを右胸に、そして小さなピアスをペニスの包皮に装着させると満足げに男を見ると、

「これで重りがあればここに引っかけてあげるんだけど、残念ね」

言いながら、観客達の拍手喝采の中ステージから下りる。

そして、次は男性ゲストの番だったが全く動く気配はなかった。

「緊張されているようなので私がお手伝いをさせていただこうと思います。

さあ、こちらをどうぞ」

社長は男性ゲストに近づくと、その手に火の付いた蝋燭を持たせる。

「この男はあなたからのプレゼントを待っているんです」

話しながら、社長はゲストの手に自分の手を重ねると、

「まずはこの豊かなお腹から・・・」

ゆっくりと蝋燭を傾けていく。

男性ゲストは社長の誘導に従いながら、次々と蝋で男を飾っていく。
観客達の目を楽しませたのは男が蝋で飾られていく過程だけではなく、それをしている男性ゲストの変化も釘付けになっている様子だった。

今の男性ゲストの様子は、うっとりと陶酔した表情で、その下半身も変化の兆しを見せている。

「さあ、最後に残っている部分がありますね。ここは入念に飾ってあげましょう」

社長はそう言うと、敢えてそれまで残していた男性器の部分に蝋を垂らしていく。
その原形が全て蝋で覆われると、ようやく社長は男性ゲストから離れた。

「素晴らしい作品が出来上がりました。皆様、拍手を」

社長はそう言いながら男性ゲストを席へと戻らせると、サイドに控えていた司会者が再びステージ上に戻る。

「さあ、皆さん。

この後はこれまで出演してくれたゲストをかけてのオークションを行わせていただきます」

社長は司会者が話している間に客席に戻り、それから行われるオークションを眺めていた。

俺が社長の傍まで行くと、

「私は良隆さんに出会って丸くなったと思いませんか」

「え・・・」

「あの3人をこれぐらいで許してあげようとっていうんですから、ねえ」

そうため息をつきながら憂いていた。
俺はそれを聞いて、何も言えなかった。




数日後、密葬で組長姐の葬儀が執り行われた。
組長と若頭でもある社長を貶めようとした連中に殺されたというのが公式的な発表だった。

「あの女は良い人として祭り上げられるんですから、幸せですねぇ」

と誰にともなく社長は語ったが、それを何人の人間が信じたのかは分からない。

ただ、

「おー、前中」

「虎城さん、お久しぶりです」

「色々大変だったみたいだな」

「いえ、それほどでも」

葬儀には珍しく、組組織でも最上位に位置している虎城組の組長である虎城自身が顔を見せていた。

関東でも最大勢力とされている組織を束ねている大物に対しても社長の態度はそれほど変わらない。

「今日は密さんは一緒じゃないんですか?」

「車ん中で待ってる」

「そうですか、これからどこかへ?」

「旨い天ぷらが食いたいっていうからな」

葬儀の最中だというのに、2人の会話には悲哀などは一切ない。

「そういえば、あっちはどうするんだ?」

「どうもしません」

「そうか」

あっちが何のことを指しているのかは聞かないが、本当は笑顔で会話をするような内容ではないことは明らかだった。

「そうだ、そうだ、そのうち見せに来いよ」

「さあ」

「んだよ、出し惜しみかぁ?」

「すり減ると困りますから」

「ハッ」

そこで2人の会話は終わりを迎え、虎城は笑顔で帰っていった。

虎城を見送りながら、社長は

「さて、明日にでも良隆さんを迎えに行きましょうか」

と晴れやかな笑顔で言い放った。






彼の人からメールが衝撃メールが送られてきたのは、ちょうどこの次の日の朝だった。





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※ あとがき ※

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
とってもグロイお話だったかと思います。
次はほんわかした気分になるお話をと・・・思ってます。

でも秘かにグロイ話も好きだったりして・・・