第一話 飛翔

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グイッ

「……あれ?」

おかしいな、体が前に進まない。
首の辺りを何かに引っ張られているような・・・。

そのとき、アリアは自分の回りに何か力が働いているのに気付いた。
後ろの、あの猫の方から。


ふわあっ・・・

アリアの足が地面から離れた。

「え・・・えぇっ!?」

それと同時に、背後からする猫の気配も上へ上がる。

一人(と一匹)は、そのまま天空へ向かって、共に上昇していく。



……あれ、上へ上がっている…?
幽霊と一緒に…上へ……!?

「ちょ、ちょっと待って!私、まだ死んでないよ!?」

アリアはもがいて抵抗したが、首根っこをつかまれているかのように、首から下の体はむなしく宙に揺れるだけだった。

「やだ、離して!降ろして〜〜っ!!」

そうしている間にも、世界は一人と一匹から静かに遠ざかっていった。




*あとがき*