(2011年11月26日)
添付の記事は誤解を招く表現がありますから次の訂正が必要です。
「ソユーズ宇宙船とISSの軌道面の一致は、打ち上げ方を変えれば実現できますし、」
→ ソユーズがISSの軌道面に一致させるために打ち上げは1日に1回しかなく、しかも打ち上げのウインドウは短いのです。通常1分程度です。打ち上げウインドウを大きくすると軌道修正に推進薬を多く使うことになります。軌道面を一致させるだけでしたら、打ち上げのチャンスは1日に2回ありますが、他方は進行方向がISSと逆になりますからランデブーどころか正面衝突になってしまいます。
「軌道面上の相互の位置(位相)を調節することも技術的に短期間で可能です。」
→ ソユーズが軌道に乗ったとき、ISSが地球の反対側にいたら2万Km追いつかなければなりません。ISSの高度が400Kmであったとして、ソユーズが300Kmの軌道であると速度差は60m/s程度です。この場合追いつくために4日近くかかります。高度200Kmの低い軌道に入った場合は速度差が170m/sぐらいありますがそれでも、追いつくために1日半かかります。ISSより高い軌道に入ってISSが追いついてくるのを待つことも可能ですが、2万Kmも離れていると時間がかかることに違いはありません。
打ち上げから軌道上ランデブーまでの時間が長かったり短かったりする本質的な理由は軌道の問題であって、打ち上げからドッキング完了まで6時間で済ませることが出来たのは、ソユーズが軌道に乗った時にISSの位置がそれほど離れていなかったことが一番の理由でしょう。
参考:人工衛星(円軌道)の高度と速度
高度 |
速度 |
200km |
7.84km/秒 |
300km |
7.73km/秒 |
400km |
7.67km/秒 |
500km |
7.61km/秒 |
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