(2011年5月9日 日本の各地で異なる重力の大きさを国土地理院が公表している。 国土地理院によると、「引力」と「遠心力」を合わせた力を「重力」というとある。 重力の単位がガルであるという説明になっているので、この頁で出てくる「引力」、「遠心力」、力はすべて加速度を意味していることになる。1ガル[Gal] は1[cm/s^2]である。 ニュートン[N]を単位とする力だと解釈すると「引力」と「遠心力」を合わせた力を「重力」とすると単位が加速度にならない。国土地理院の新しいHPで説明されている重力はまだ少し紛らわしいが加速度であると明記している。 「引力」も万有引力と言わずに単に「引力」と言っているのは地球の重力加速度を(万有引力)を示したいからであろう。「遠心力」も遠心力加速度を示してると解釈すべきものである。 国土地理院は重力が力でなく加速度であることをよく承知している。従って、重力を測定するには運動を観察するしか方法がないことも明らかであり、真空中に物体を落下させてその運動を記録して加速度を計算する方法を絶対測定と称している。 ばねと質量を用いた測定は相対測定と称している。絶対測定で明らかになった地点と比べて重力を求めるからである。 ここで注意すべきことが一つある。それは絶対測量と言っても、それは測定装置が固定されていることが暗黙の条件になっていることである。あるいは測定装置に固体した座標系に対する加速度を測っているということである。 従って絶対重力計FG5が如何に可搬型であろうとも、宇宙ステーション内に持ち込めば加速度ゼロ、つまり重力はない、という結果を示し、地球の座標系でみた重力加速度は計れないということである。 装置が地上に固定されているという条件が満たされていると仮定できれば、ばねと質量を用いた加速度計でも地上の反力による加速度を計測することで、重力加速度を測定したとみなせる。通常、加速度計が重力を検知しているという誤解も、説明を加えれば間違いではなくなるので、いちいち訂正することはないということになろう。 (了)
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