国家財政均衡法(仮称)  

(2012年9月14日)


  日本の現状
 今日の日本の経済的現状は要約すると次の5項目が指摘されている。
1. 国家財政は1000兆円の累積赤字で、国債発行による自転車操業になってきた。
2. ドル・円換算レートは70円台の円高が続き、輸出産業は苦しんでいる。
3. デフレ傾向が続き、企業の多くがもう少しインフレ状態になることを望んでいる。
4. 株価は9000円前後を推移し、下がったままである。
5. 消費増税が決まり、今後の経済低迷が危惧されている。

 このような情勢にあって、多くの日本の若者が自分達の世代で返さなければならない借金を負わされたような閉塞感にとらわれている。
 しかし、幸いなことに日本は3兆ドルを越える海外資産を保有している。加えて、財政赤字の大部分を占める国債は日本人および日本の銀行等が購入したものである。

 国家の財政赤字を解消し、明るい日本の社会にするために、次の国家財政均衡法(仮称)を定める。総理大臣は必要な時期にこの法律を発動する。

 国家財政均衡法(仮称)骨子
1. 総理大臣は自分の任期中に一度だけ国家財政均衡法を発動できる。
   一度発動した総理大臣は再任されても二度と発動できないものとする。
2. 総理大臣は日銀に対し、100兆円を限度として、財政均衡特別税(仮称)を課すことができる。
3. 日銀はこの特別税が課されたとき、その税額以内で日本銀行券を印刷できる。

 財政均衡特別税による効果
 発動された税額の多寡にもよるが、次の効果が期待できる。
1. 国家財政の累積赤字は(数回の発動で)解消する。
2. 消費増税が不要となる。
3. 国債の発行は不要となる。
4. 国債を購入する資本は、株やベンチャー・キャピタルに回る。
5. 株価は上がる。
6. デフレからインフレになる。
7. 円高傾向が止まり円安に向かう。

 その他
1. 国債はプラスの利子がついている限り、その発行は経済が右肩上がりで成長しているときのみに限るべきである。そうでなければ国家の累積赤字は増える一方である。国債は資産の保全という利益があるのだから、マイナス利子の国債として発行すべきものである。
2. 資産の保全や増加を図る目的での現行の国債購入は不労所得である。富裕者も成長株や成長企業を見つけて投資する努力が必要である。
3. 総理大臣には従来の国会解散権に加えて、前向きの伝家の宝刀を一振り与えることになる。しかし、総理大臣になった人には何か一つ大きなことをやって貰うことが望ましい。

(了)


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