(2014年3月3日) HISの主催する「初旅イタリア 旅行8日間」に参加した。世界遺産に登録された五つの市を含む、ミラノ、ベローナ、ベネチア、フィレンツェ、サンジミニャーノ、ローマを バスで回る旅であった。どの都市も観光に値する見ごたえのあるところであった。特に、ミラノ大聖堂、ヴァチカン寺院、パンテオンなど壮大な 大理石建造物は、写真で何度も見て知っているはずなのに、真近でみる実物の印象は強烈であった。 近代史で、日本が日英同盟を捨て て、ドイツ・イタリア・日本の3国同盟に向かった当時の日本の指導者は愚かな判断をしたものだと思っていたが、責める気はなくなった。古代ローマの遺跡を見れば、こ のような文化を先祖に持つイタリア人とは仲間でいたいと考えるのは素直な判断であろうから。 観光資源を豊富に持つイタリアは 、いくら汲んでも涸れない油田を持つ国のようなものである。だが、このような観光資源を持つ国として、少し考慮が足りないのではないかと思われる残念なこ ともあった。それは観光税なるものである。 ミラノでも、道の狭さから大型の観光バスが市内に入れないのは仕方がないが、観光バスが観光客を乗せてくると市内の入り口で観光税を納めなければならないのである。バスの観光税はHISが対処するのでまだ気にならないが、ホテルに宿泊する観光客から宿泊税(滞在税)を直接に徴取されたのには驚いた。2010年12月に可決された新税とのこ とである。イタリア人の側から見れば、自分たちの財産である古代建造物などを見せてやるのだから観光税を徴取しても当然との考えなのであろう。 イタリアでのレストランの料金はチップも含まれていて比較的安かった。しかし、人手不足のためかサービスが遅く、もう少し人手をかけて良さそうである。他国からの観光客が大勢集まれば、宿泊施設だけでなく、レストランや土産物店や交通機関など、必ず経済活動が活発化するであろう。必要な税収はできるだけ間接的に限る。日本の「おもてなし」精神を勧めたい。
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