(2014年5月8日) オーストラリアで売られている世界地図を見たことがありますか。この地図がオーストラリアの小中学校で実際に使われているのかどうか知りません。もし、使われていないのなら外国人旅行客用のお土産用品なのでしょう。南北を逆にした世界地図なのです。オーストラリア大陸が上に来て、日本列島は下の方に描かれています。私たちが日常目にする世界地図は北極が上になっていますから、南極を上にした世界地図は何とも奇妙に感じます。 欧米の小中学校で使われている世界地図は大西洋が真ん中の描かれていますから日本は右の端の方です。極東のアジアにある日本という表現どうりです。西洋を中心にすると日本は東の果てにあるわけです。日本で目にする世界地図は日本が中央に描かれていますから米国が右側で英仏が左側です。経度の0度はイギリスのグリニッジ天文台を通るのですから日本の世界地図の方が欧米の世界地図より合理的だと言えなくもありません。米国が東の果てであり欧州が西の果てで日本が真ん中にあると主張したらどうでしょうか。中国や韓国は賛成してくれるかも知れませんが、長年の慣習を変えさせる動機にはならないでしょう。日付変更線も経度0度でなく太平洋を通る線として決められていることも動かしがたい慣習でしょう。 長年の慣習はよっぽど合理的な理由がないと変えられないものですし、変えてもあまり利益のない事柄では、多くの場合慣習を大事にする方が得策でしょう。ところがそろそろ慣習を変えた方が良いのではないかと思うことがあります。歴史家は反対するでしょうが天文学者は賛成してくれるかもしれないことです。それは、地球儀の軸を23.5度傾けるのを止めることです。今までの地球儀を作っていた模型屋さんは地軸を垂直にした地球儀を作っても売れないから作らないのだそうです。売れない理由は学校で教える理科の教科書にあります。地球は1日1回の自転をしながら太陽の周りを1年で1回の公転をしていると教える図に、地球の公転軌道を水平に描いていることです。公転軌道を23.5度傾けた図にしておけば地軸を垂直にしたままで良かったのです。 地球儀の軸を傾けないとどういうメリットがあるのでしょうか。通常の世界地図に使用されているメルカトール図法と上下が合っています。そして、作りやすくなります。太陽電池を使って、地球の磁場を利用することで、何もしなくても自転する地球儀を作ることができます。実際に既に作られていて、光で回る地球儀ムーバグローブ クラウドサテライトという商品名で売られています。さらに、強力な永久磁石を使って空中に浮かんだ地球儀を作ることが出来ます。これも既に商品になっています。 天動説から地動説に変わって、現代人はほとんど地動説に何の疑いも持ちませんが、小中学校の教育の成果でしょう。地球は太陽の周りを「水平に」回っているという無意識の概念は捨て去る時期に来ているのではないでしょうか。水平というのは一つの特別な角度です。地軸を垂直にするということも同じく特別なことです。両者には差がないということを認識することがこれからの宇宙人としての人間に必要なことだと思うのです。
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