養老馬,引退馬,競走馬, 乗用馬, 障がいを持つ人の乗馬



 岩手県南にある馬の小さな牧場です。この地方は東北地方の中でも比較的温暖で雪が少なく、馬の育成、休養には環境の良い所です。
  岩手県は古くから馬産地として知られかつては多くの馬を全国に送り出していました。また、農業、林業などで馬は家族の一員として重要な役目を果たし人と共に働き、愛され、暮らしてきた歴史があります。その人と馬の関係は、馬屋と母屋を棟続きで建てられた『南部曲屋』と呼ばれる農家の住宅様式からも知る事ができます。現代社会では馬たちの生きる場所は少なく限られてしまいました。しかし、馬の魅力は計り知れなくこの愛すべき友を失うことはできません。
 私たちの願いはこの小さな牧場が、岩手先人たちの心を受け継ぎ、南部曲屋が物語る、人と馬の共存できる環境をつくり、人も馬も幸せになれる癒しの場所となることです。



牧場主 佐々木 芳 久

 私の父は、戦前の国営競馬(現在のJRA)のジョツキーでした。戦後は自馬を持ち、地方の草競馬などで活躍しましたが、体を壊しやむなく馬から牛(酪農)に転向しました。しかし馬は重要な労働力として、家族の一員として飼われていました。
 私は産まれた時から馬と接し、父から馬のノウハウを教わり、馬好きになっていました。自分が馬のノウハウに自信が出来た昭和50年、父を説得して、牛から馬(競走馬)に再び転向、競走馬の育成牧場として再出発しました。その後、大学馬術部出身で大阪生まれの妻と結婚し、小さいながらも岩手競馬を主体に地方競馬場に多くの馬たちを送り出しました。ところが平成16年に育成調教中に落馬事故にあい頸髄損傷の重傷を負ってしまいました。
後遺症が残り、一時は馬を諦めざるを得ない状況でしたが、馬仲間の応援もあり、何より馬に対する思いは絶ちがたく、新たな牧場づくりを目指して日々努力しています。


開拓時代の写真
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