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昭和43年(1968年)放映のモノクロ作品の方をとり上げます。のちにカラー版、そして、平成13年10月14日から
再びテレビ(毎週日曜日18:30〜テレビ東京)に登場となりました。放映当時はあまり好きな作品ではなかったように
記憶しています。ヒーローの割に、どこか暗いムードがただよう…そこがまだ子ども心に理解できなかったのか…
最近になって、その真価がわかるようになってきました。徐々にふりかえってみたいと思います。
ワン ツー スリー フォー ファイブ シックス セブン エイト
ゼロッ ゼロッ ナイン
赤いマフラー なびかせて 進め サイボーグ われらの勇士
平和を守る 正義のひとみ ああ サイボーグ009!
テーマソング(→音楽館へ:フルコーラス版)もTVサイズは短縮版ですが印象的。白黒でしたから「ああ、赤いマフラー
なんだな」と
思いつつ、当時の動画としてはスピーディーに感じるタイトルバックでもありました。
話数 | 題 名 | 内 容 ・ 雑 感 |
第1話 | 恐 怖 の 怪 人 島 | 生物を巨大化させる実験を続けるドラキュラ博士とセムシ博士が脱走した囚人をつかって人体実験に成功、世界征服をたくらむ。運悪く003を人質にとられ、怪人島に呼び出された009と006・007が事件を解決するという活躍をコミカルに描くテレビ放映第一話。 |
第2話 | X の 挑 戦 |
サイボーグ戦士の生みの親ギルモア博士のライバルであるオメガ博士がつくったサイボーグX(エックス)。実は薔薇が大好きな青年マックが事故をきっかけにサイボーグにされ、戦うための機械にさていたわけだが、薔薇を愛する人間らしい心は残っていた。 しかし感情をおこすとオメガ博士に制御されてしまう。マックは死んだものと思っていたかつての恋人ミッチーに再会するが、結局009との決闘に彼女をまきこんでしまい悲劇の結末。せつないBGMがさらに涙をさそう重い話。ある意味で石森漫画の真骨頂か。★ |
第3話 | 南 極 の 対 決 |
機械を狂わすマッドマシンを発明したコズミ博士がブッラククロスという組織に誘拐される。さらに強力なマッドマシンを作らせるためにブラッククロスはコズミ博士の娘を誘拐、その救出に009と007が敵の本拠地南極へ。しかし、機械の力を借りたサイボーグはマッドマシンを打たれたら…応援に世界各地にいるサイボーグ戦士が全員集合、軍事力を誇るブラッククロスと対決、博士親子を救出。 とんでもないものを発明したものだと詰め寄るギルモア博士にコズミ博士は「ロンドンで幸せに暮らしていたが第2次大戦がはじまりドイツのV1号ロケットの攻撃で妻は片足を失い、顔は火傷で醜くひきつってしまった。娘を産むと妻は自ら命を絶ってしまった。だから戦闘用機械のすべての機能を狂わす発明で世界中から戦争をなくしたいと思ったのだ」と。研究に没頭する父を憎んだ娘との和解、そしてギルモア博士の「戦争を防ぐためだと言って恐ろしい水爆ミサイルをつくるより、よっぽどいい。二人で研究をすすめよう」という台詞で結ぶ。 |
第4話 | 宇 宙 魔 人 | ノーベル物理学賞のバーボン博士の乗った豪華客船が、電子工学のヨハネス博士が乗った旅客機が、空飛ぶ円盤に連れ去られた。次は立花博士をさらうと予告してきた宇宙魔人は東京タワーを吸い上げて科学力を誇示。これに立ち向かう009達。しかして宇宙魔人の正体は…意外な展開に。 |
第5話 | あ ゝ ク ビ ク ロ |
003(フランソワーズ)のバレエ発表会を見に上野へやってきた009と007。その途中で計算のできる犬の見世物が。犬塚博士によって知能を高められたらしい。が、博士とその犬が何者かに連れ去られ、子犬のクビクロだけが009達に保護された。第2次大戦中に軍隊に脅されて軍用犬を改造
し犠牲にしてきた博士は、ベトニア戦争に目から火を吐く犬を売りつけようとたくらむ連中に脅されるが、親犬では手術は無理だと断る。しかし親犬を捜しに009のところから逃げ出したクビクロが結局この連中の手に。手術を強要された博士は、あわせて悪を憎む怒りのエネルギーをクビクロの脳組織に埋め込む。救出にきたサイボーグ達に驚いた犯人達は博士や親犬を残し時限爆弾を仕掛けて逃走するが、捕まって警察へ
。だが犬塚博士と親犬を救うことはできず、クビクロだけが生き残る… そのクビクロは再び009達のもとを離れ犯人達に復讐のために襲い掛かる。だが、目から発せられる火のために大惨事がひきおこされてしまう。そのため、とうとう009がクビクロを…!エンディングは「神様どうしてこんなむごい事が起こるんですか。いったい誰が悪いんですか。どうかクビクロを憎しみのない平和なところへ連れてってください」と祈る009… |
第6話 | ガ ラ リ ア 王 救 出 作 戦 |
ガラリア人の有数な科学者ヨゼフ教授がギルモア博士にテレビ電話で助けを求めて交信中に殺された。ガラリアに潜入したサイボーグ達は国王暗殺計画があることを知り、国王を暗殺計画現場から救出するが、首謀者である親衛隊長を忠実な部下と信じ込む国王は…。 ガラリア軍に包囲され攻撃されても国王の目があくまでと耐えるサイボーグ達。「目 ぇあいてらい!」と国王の顔をのぞきこむ007に003は「心の目よ。悪人と善人を区別できなくて王様がつとまるわけないでしょ」と。かくして… |
第7話 | 消 え た ス ク ー ル ・ バ ス |
科学技術省に子供が侵入、職員・警官に体から発する放電を浴びせ原子力センターの見取り図を奪う。しかし逃走途中にエネルギーが切れて倒れ、秘密を知られないようにと自爆させられてしまう。 原子力センターでは電子エンジンを開発中。これをねらうクロッグは原子力センターのスクールバスを誘拐、009達をおびきよせ抹殺しようと。そのすきに電子エンジンを奪い、誘拐した子供たちにこれを埋め込み世界最強の子供サイボーグにして世界征服をたくらむ。が、クロッグの基地に潜入した009達に追い詰められたクロッグは口の中の毒薬を噛 み 「悪党は悪党らしく」死を選ぶ。誘拐された子供達は救出され、すでにサイボーグにされていた子供達も自爆装置を取り外すなどギルモア博士に直してもらおうとエンディング。 |
第8話 | 金 色 の 眼 の 少 女 |
ある嵐の夜、何者かに追われているという金色の目をした少女リタに009(ジョー)は出会う。彼女は肌身離さずプラチナ製のバックを持っていた。それから各地でこれまで人類が経験したことのない強力爆弾による謎の爆発事故が。応援を要請されたアメリカの002は日本への途中、謎の戦闘機隊に襲われ反撃、パラシュートで脱出した敵から攻撃目標の示された地図を入手。これをもとに爆破をふせぐためサイボーグ達は先回りをするが裏をかかれてしまう。リタが009達の動きを探っていたのだ。それに気づいた009は敵の裏をかき次の爆破を防ぐ。しかしリタが裏切ったと思った敵は彼女からバッグを預かり時限爆弾による009の暗殺を命じる。しかし爆破直前にリタはこれを投げ捨てる。 リタは地球占領をねらうミラクル惑星からのスパイだった。もしやと思いつつもリタを自由にしてきたのはどうしても本当の悪人とは思えず信じたかったからだと告げる009。ジョーのようないい人たちが住む平和な国をこれ以上苦しめること はできないと言うリタは宇宙基地の攻撃をすすめる。敵基地を破壊して地球に戻るとリタが倒れる。あのバックには生きていくために必要なエネルギーが入っていたと…せめてものつぐないにそれを承知でリタは…空に金色の虹がかかりジョーのリタの名を呼ぶ声と悲しいエンディングコーラスが響く。 |
第9話 | 悪 魔 は 夜 歩 く |
(これは子供時分に見て恐怖を覚え、ちょっとしたトラウマ的印象の残る作品)☆ |
第10話 | 地 底 の 黄 金 宮 殿 |
山賊に追われるスナイダー氏を助けた005。しかしスナイダー氏は古代インカ帝国の宝のありかを示す箱を娘に渡してほしいと言って息絶えた。娘キャサリンに連絡をとった005は、またしても山賊に襲われキャサリをさらわれてしまう。応援にかけつけた009と007とともに救出に向かうが、さまざまな妨害が。そしてやっとキャサリンを救い出し、宝が眠る地底の黄金宮殿で彼らが見たものは… かつてのスペインの侵略により滅亡したインカを復興 、いや世界侵略によって帝国再興の執念を燃やす王女と黄金魔神像が… |
第11話 | 黄 金 の ラ イ オ ン |
008から黄金のライオンが暴れていると通報を受け、009は003・007とともにアフリカへ向かう。 戦争狂のアルフレッド博士と死の商人が宇宙からやってきた黄金のランオンを利用して誰も寄せ付けずにキリマンジェロの奥地で世界戦争を引き起こす強力ミサイルを開発していたのだった…世界の平和を乱す科学者と戦争で金儲けをたくらむ死の商人をやっつけるサイボーグ戦士の活躍。 |
第12話 | 天 か け る 巨 人 |
老科学者ルネ博士が旧友のモリス航空社長の援助のもと生涯の夢をかけた超音速巨大貨物輸送機を設計。しかし1号機のテストが失敗。モリス航空に大損害をかけ責任を感じて辞表を提出したルネ博士に「あなたの夢を捨てることは、その夢にかけてきたモリス航空の大勢の人たちを捨てることだ」と訴える009、そしてモリス社長の指揮のもと2号機のテスト。しかしまたしても失敗。 技師長になれなかったことを恨み会社をつぶそうとした副技師長ジュリアンのしわざだと007の探索でわかるが取り逃がしてしまう。会社の全財産をつぎこんだ最後のテスト機のパイロットとなった009。その操縦席に密かにジュリアンも乗り込んでいた。もみ合ううちにテスト機はみるみる高度を下げて…。 |
第13話 | 悪 魔 城 の 秘 密 |
全世界征服を狙うキング男爵が各国の首都上空に軍事衛星を配し攻撃をしかけ、国連に召集された各国代表に無条件降伏を呼びかけてきた。国連秘密諜報部がすでにスイスで何かつかんだらしいが連絡が途絶えたまま…。追っ手に打たれ息絶える直前の諜報部員から004はマイクロフィルムを預かるが、そのフィルムを取り返しに来た一味に襲われ悪魔城で拷問を受ける。 救出にやってきた009と003・007も途中ドクロサイボーグとの苦戦を強いられるが、救出した004とともにキング男爵の野望を砕く。 |
第14話 | 呪 わ れ た 砂 漠 |
世界最初の原子力マンモスタンカーが遭難。捜索にあたった009たちは乗船していたナルミ(鳴海)博士の娘サエコ(冴子)だけを海上から救出。聞くと海が真っ二つに裂けたという。そのサエコを狙撃する者が…応戦した009は
狙撃手をわざと逃がし、003・006・007そしてサエコとともに追跡、アフリカにたどりつく。そして砂漠の中の古城でモーゼに出会う。モーゼの力で砂漠が割れ中から巨大モンスターが出現、003とサエコがさらわれてしまう。 古城の地下に敵の基地があったのだ。モーゼはマンモスタンカーを戦艦に改造し、003とサエコを人質にサイボーグを乗せ世界を征服すると言う。そこへギルモア博士の命令で追って来たサイボーグ戦士が勢ぞろいして大暴れ。モーゼの正体は四方から特殊光線を放射 し、空間に幻をつくったもので、ナルミ博士の有能な助手ミヤモトの仕業だった。ナルミ博士の研究を盗み姿をくらました彼は、せむしで醜く、小さいときからみんなにいじめられ日陰の生活だった。「そんな俺がみんなに愛され尊敬されるのは唯一つ、それは絶対の権力、世界を征服する偉大な人間になることだ」と言うミヤモトに、「人間の愛や尊敬は 、力では生まれてこない!」と叫ぶ009だが、サエコを人質にとられ身動きができない。そこへ敵兵に変身していた007が… |
第15話 | 悲 劇 の 獣 人 |
ある夏の嵐の夜、ギルモア研究所に傷ついた002が飛んで来た。004と太平洋の小島を訪れると宇宙人に襲われたという。そこには体の一部が高性能な機械だったり醜い姿の獣人が…004だけでなく、この島に上陸した009も006・007も捕らえられてしまう。 しかし彼らは2268年ちょうど300年の未来からやって来た呪われた子孫だと…。移民計画の発案者という未来人ノアの話によると第3次世界大戦が起こり、その充満した放射能の洗礼を受け生きとし生けるものことごとくがすさまじい変化をおこしたと。核戦争さえおこらなければ五体満足な人間として生まれるはずだったという彼らは放射能の雨が降り続き刻々と滅亡の時が近づく中、やっと箱舟のごときタイムシップを完成させ、この時代にたどりつき、材料を集めタイムマシンの研究を続けているとも。「それならこんな島でこそこそやらないで、なぜ国連に正式に申し入れないんだ」と問う009にノアは「笑わせるな。色が白い黒いというだけで争いをしている君達だぞ。ところが我々はご覧のとおりの化け物ぞろいだ。それでも君達は人種差別をやめて友達になってくれるというのか!」と語気を荒くする。 一方、009でさえやられたのだから一人で行ってもどうにもならないと止めるギルモアに「ジョーのためなら私はどうなっても」と飛び出して行く003。しかし009が 閉じ込められた透明な特殊カプセルに、足を打たれ這うように近づく003。「フランソワーズ、よく来てくれたね」「ジョー、生きていたのね」と隔壁ごしに手を重ねあう二人だが、お互いの声は届かない。秘密を知られたからには殺すのが当然と銃を突きつけられ包囲される003。だが、ノアは処刑をためらう。捕らえた009の脳を調査した結果、ジョーとフランソワーズ とがノアの先祖だということがわかったのだった。そこへタイムマシン完成の報が入り、彼らは原始の世界へ旅立つことに。(正しき人類の祖先となるか…)★ |
第16話 |
太 平 洋 の 亡 霊 |
(009シリーズのテレビ作品中の異色作。最もテーマ性が強く打ち出しされた印象深い一話。詳しくは→)★★★ |
第17話 | 幽 霊 同 盟 |
謎のヨットに集まった世界各地にいる死の商人(それは戦争の裏にあって、兵器を売り、金儲けをたくらんでいる連中である。人の命を売買の手段にしているがゆえに、死の商人と呼ばれているのだ。金儲けのためには国と国との平和を乱し戦争を計画する。まるで血に飢えたハイエナのような連中なのである。)たち。そこではゴースト同盟の新兵器音波砲が競りにかけられていた。その中に国際連合秘密情報部員が潜入していたが見破られ音波砲の人体実験の餌食に。 ギルモアのところへ国連情報部長がやって来た。戦争を食い物にして私腹を肥やしている死の商人に次々と新開発の武器を売りつけているゴースト同盟をたたきつぶさなくてはあとからあとから死の商人は生まれてくる。そこで世界平和のために009の力を借りたいと言う。そう話しいている最中、ギルモア研究所が敵の音波砲の攻撃を受ける。敵を追跡する009は本拠地らしきヨットを発見。調査によるとヨーロッパの大財閥で世界的平和主義者・慈善家のイクラ・デモアール氏の所有とわかる。本人に会って確かめようと006・007とともに009がホテルに向かう。デモアール氏は一人息子をさらわれゴースト同盟に利用されているのだと告白。実はゴースト同盟のボスは双子の兄で、発明狂の兄は実験中の事故によって醜い姿になってしまい、それ以来人間を呪うようになったと。自分の犯した過ちを外に向けてしまったのだ。息子の救助に向かい、ゴースト同盟のボスを追い詰めた009たちだったが・・・★ |
第18話 | わ が 父 は 悪 魔 の 使 途 |
黒い影に狙われる、青年ゴーチェを助けた007。彼の父ハルク氏はハトランド共和国の大統領に就任にしたとき「今日かぎり我が国はいっさいの軍備を撤廃し世界に永世中立を宣言する。戦争を放棄するのだから国防の必要もない。しかし世界の情勢もわかっている。だからこそ世界の国に先駆けて平和を宣言するのだ。人間が血を流し合い殺し合う、その必要がどこにあるか。そんなことをしたって喜ぶのは戦争で金儲けをたくらむ軍事資本家だけであります。」と演説。その国が三ヶ月前、世界中に国交断絶を宣言。それ以来、留学中の彼への仕送りも途絶え、国へ帰ろうと行く先々で命を狙われ日本に流れ着いたところだという。この話を聞いたギルモアは004に調査を指示。その報告を受け009はゴーチェ、003・004・006・007とともにハトランドに進入。そこで目の当たりにしたのは、世界最強の兵器と軍備の確立のもと全世界を征服し大ハトランド帝国建設に向けた檄を国民にとばす大統領の姿・・・ あれほど平和を愛し平和のための努力をおしまなたっか父が、最も尊敬していた父が最も軽蔑すべき人間になりさがっていたことに困惑するゴーチェ。夜空を見上げる003は「この国がまたあのお月さまのように美しく平和に戻るようにゴーチェのために祈るわ」と励ます。君たちに恥ずかしくて顔向けできない、父は悪魔に魂を売ってしまったと落胆し姿をくらましたゴーチェは抵抗派と合流。弾圧に追い詰められた抵抗派は大統領の暗殺を企図。大統領官邸に時限爆弾を仕掛ける役をゴーチェは名乗り出る。父が犯した罪の償いを自分自身でつけたいと。 一方009たちも大統領官邸に乗り込む。すると大統領は偽者で、官邸内に捕らえられていた本物の大統領を救出。そうとは知らないゴーチェは官邸地下室に時限爆弾を仕掛ける。「神様、お許してください、いま僕は父を殺そうとしています。世界の平和のために、みんなの幸せのために・・・お許しください。」 だが、003の能力のおかげで難を逃れる。「許して下さい。僕は、僕はお父さんを、殺そうとしたんです。」「事情はミスタージョーから聞いた。私がお前だったらやっぱりそうしたろう。悪人どもは滅びた。明日からはまたこのハトランド共和国に平和がやってくる。フランソワーズのおかげで助かったんだよ。ゴーチェ。お前は素晴らしい友人をもったなあ。」手を取り合うゴーチェと003。「お月さまに二人でお礼を言いましょう。あたしたちの祈りを聞いてくれたあのお月さまに。」と、皆が夜空の静かな月を見上げるエンディングへ。★ |
第19話 | 恐 怖 の 原 潜 シ ー ス ネ イ ク 号 |
アメリカの002から緊急連絡。実演演習に参加したシースネィク号が沈没した。シースネィク号には恐ろしい放射能を出す超大型特殊水爆ミサイルが積まれている。これを手に入れ悪用する奴が出たら大変だと引き揚げに向け009は008・007・006・003とともに応援に。艦隊参謀のヘルマン中佐も同行して海底へ。海底では凶暴な怪獣、ミサイル鮫、時限爆弾付きの小判鮫に襲われる。ヘルマン中佐が船底についた最後の一匹をはがしきれずにいるのを爆発寸前、009が救う。「すまん、私のミスだ。」と落胆するヘルマン中佐に009は「なあにすぐ直ります。心配しなくていい」と。しかし修理中、ヘルマン中佐は009に問う。「あの時君は
、この船を犠牲にして私を助けてくれたね、なぜだね?」「決まってるじゃぁありませんか。機械より人間の命のほうが尊い。」「しかし機械は人間より正確に役に立つ!」「えっ?あなたは変な考えをおもちのようですね。でもそれは間違っている。この世界で一番大切なものは人間の愛だ。心だ。機械にはそれがない。そうでしょう、ヘルマン中佐。」・・・「009。・・・私の信念をまどわすようなことを言ってくれるな!」すると目の前にシースネィク号が現れ、攻撃してきた。これをかわし追跡すると海底の洞窟を抜け、ある島に上陸するが敵に包囲されてしまう。ヘルマンは敵のスパイだった。ヘルマンが一緒にいるのを知りながら攻撃をするとは、このボスはよほど冷酷で残忍な奴か・・・ 「それは違う。冷酷だの残忍だのという感情はクダラヌ人間だけのもちものだ。すべては正確に計算だれたデータによってのみ行動されねばならない。」と巨大コンピュータがあらわれる。「ボス、あんまりです。なぜ攻撃したんです。」と言うヘルマンに「理由は簡単だ。そうしたほうがいいというデータが出たからだ。」と自らを正確無比と称するコンピュータは言い放つ。五年前ヨーロッパ軍事同盟が立てたオメガ計画で集まった科学者たちは世界征服のため、この島に機械の基地をつくり、おろかにも機械に征服されてしまい、ヘルマンを残して殺されたと。ヘルマンは指令を受ける通信機として、また背いた時に処刑するための腕輪をはめられていた。この腕輪をサーボーグ達にもはめるように命ぜられたときヘルマンはコンピュータを打った。が同時に強い電波で処刑された。009に抱き起こされたヘルモンは「コンピュータは止まる間際に自爆装置のスイッチを入れた。早く逃げろ。君のおかげで人間として死ねる。」と 息絶える。仲間をドルフィン号で先に逃がし、009は002とシースネィク号の水爆の起爆装置をはずして、間一髪脱出する。「やれやれ無事でよかったねぇ。」と脳天気に喜ぶ007。「そう・・・一人の勇敢な“人間”のおかげでね。」と遠くを見つめる009。 |
第20話 | 果 て し な き 逃 亡 |
人種差別の国南アフリカのランデシアで刑務所から逃げ出した女の子ベティーを救った009たち。ベティーの父マルク牧師は黒人解放の指導者でランデシアの黒人にとっては神様のような存在。ベティーは母親とともに人質にとられていたが、脱獄の際に母は打たれて死んでしまったと。牧師をたずねてコンゴ、ナイジェリアへと移動する009たち。しかし牧師の命を狙う一味が先回りをしていて、その連中から逃れることを繰り返す牧師と009たちはすれ違いに。 ようやく全アフリカ解放会議に出席しランデシアの人種差別撤廃を訴えるためにカイロに向かったという牧師を追って009たちもエジプトへ。会議ではランデシアの人種差別撤廃と現政府の即時辞任が宣言され、場内はウィーシャルオーバーカムの大合唱に。そしてベティーは父との再会を果たす。が、ここでも牧師は命を狙われ、すんでのところを009に救われる。ランデシアに帰国した牧師は空港でも狙撃を受けるが、009と008によって犯人は取り押さえられる。犯人は大統領の親衛隊長とわかり、黒人解放を宣言した前大統領の暗殺にもかかわっていたらしい。これを受けて警察が大統領府に向かうと、牧師を亡き者にしようとたくらんだ現大統領はピストル自殺をとげていた。 母の墓前で手を合わせるベティーの肩に手をおき牧師は「ありがとう。サイボーグのみなさん。われわれ黒人に本当の幸せがくるのはまだまだ先のことです。しかし太陽はこんなに明るい。私は妻の死を無駄にしないでしょう。」とエンディング。★ |
第21話 | 幻 の 騎 馬 軍 団 | 006が経営する中華飯店で働いていたタチバナは店を辞めてチベットへ行くと言う。20年前の第二次大戦終戦間際に軍の秘密命令でチベットに向かった陸軍少佐で特務機関員だった父の騎兵団が幻のように消えてしまったという。その父の生死を確かめたいのだと。現地で道案内の中国人を雇い、そのとき外人の探検家パーカーが同行したいと言って来た。やがて寂れた部落にたどり着き、タチバナは父たちがイスラムのピラミッドに向かったという話を聞く。そのピラミッドには不老不死の薬があるという。パーカーはその薬を手に入れて金持ちになるのが目的だった。彼らが秘境の中心部に近づくと突如あらわれた騎馬軍団に襲われ連れ去られてしまう。道中の記録を録音したテープをタチバナが飼っていた隼が日本に届け、009は003・006・007とともにチベットへ。襲ってきた儀場軍団を追ってピラミッドにたどり着くと、5000年前からピラミッドを守るイスラムの王女と、吹雪の中で生死の境をさまよったところを王女に不老不死の薬によって命を救われたというタチバナ少佐とその部下たちがいた。不老不死の研究のために冷凍室に入れられたタチバナが息子だと知った少佐は王女に実験の中止を申し出て、軍の命令で中国にわたった時には生まれたばかりの赤ん坊で顔もわからなった息子との対面を果たす。しかし、秘薬を手に入れようとするパーカーに王女も少佐も打たれてしまう。秘薬はなんびとにも渡すことはできないという掟によって秘宝を自分とピラミッドもろとも滅ぼすと言って王女はピラミッドを支える金のくさびを抜く。恩人である王女と運命を共にするという少佐と部下たち。「ハヤト、逃げるんだ。元気で暮らせ」との父の声を背に009たちと逃れるタチバナ。跡形もなくなったピラミッド。「世の中には、あたしたちの想像を超えることああるのね「とつぶやく003に「欲望、裏切り、憎悪、そういうものが人間の心からなくならない限り人類の進歩はない」というタチバナの台詞で結ぶ。 |
第22話 | 復 讐 鬼 ( 前 ) | この一週間に、原因不明の発狂や「怪物」と口走って失踪したり自殺する人が続出。フランソワーズも怪物の姿におびえていた。ギルモア博士はフランソワーズの目が薬品によって侵されていることを突き止め、それと同じ作用をする薬を塗りつけたコンタクトレンズを自分と009にはめてみると白い怪物が襲い掛かってくるのが見えた。001は憎しみの精神波を感じ取った。怪物は復讐鬼と名乗り、11人の薄汚れたねじけた魂を呪いの炎でドロドロに溶かしてみせると告げる。フランソワーズを含む11人がいったい何をしたというのか? |
第23話 | 復 讐 鬼 ( 後 ) | 002からの報告でアメリカでも怪物を見たという人物がいることが判明。その人物が一週間前に日本に観光旅行に来ていることから、その間にどこへ行ったのかを調べることに。ギルモア博士は行方不明者のひとりの妹がフランソワーズに似ていることを発見し、怪物が勘違いをしているのではないかと疑念をいだく。そこへ怪物があらわれ、003(フランソワーズ)にとりつき連れ去ってしまう。001は怪物がいる間、ロープウェイで人が殺される夢にうなされたと言う。それは最初に刑務所で狂い死にした男が犯した事件だった。この男の乱暴をたしなめたために殺された心霊学を講義するエギという教授には、テルヨという娘がいた。このロープウェイに乗り合わせた客が襲われていることから、この娘が復讐しているのではと、教授の家に向かう009たち。そこには003のほかに4人が軟禁されていた。何もしなかったことが罪だ、あのとき一人でも手を差し伸べてくれれば死なずにすんだと復讐鬼は呪いの言葉を投げかける。ただ一人だけ、戦って生き残った者を助けてやると復讐鬼に言われた人々は手に手に武器をとって殺し合いを始める。003の運命は・・・。009は教授の家で機械の中に横たわるテルヨの姿を見る。人間の体から魂を取り出す機械なのか?「心霊術の写真には魂が白い怪物のように写ったりする。いわば生きながら幽霊として力をふるったのかもしれない。」と後に述懐するギルモア博士。★ |
第24話 | 非 情 な 挑 戦 者 | 008が、004が、002が、005が次々と誘拐された。日本でも006と007が連れ去られ、これを追跡する009の前に2機のジェット機があらわれる。ガイクルテールとビルクルテールという双子の操縦者はサイボーグたちに決闘を申し込んできた。この戦闘で、たまたま近くに居合わせた母娘を巻き込んでしまい、009は救助してギルモア博士に委ねるが母親は重傷。誘拐先を突き止めた009は、敵の本拠に忍び込む。この双子は、優秀な科学者である父が開発した催眠教育カプセルで育てられ、その優秀さを実証するために世界最強とうたわれたサイボーグたちに挑戦してきたという。執拗に戦いを挑む双子たちに「武器を貸そう」と言われた009は「いらない、おまえたちのその頭脳が千年かかってもできない武器がある」と言い放つ。強力な電磁牢に捕らえられたサイボーグたちも009と同じ「勇気」という武器で立ち向かう。その戦いのさなか、重傷の母親が亡くなってしまう。002の援護で弟のビルクルテールの機に取り付いた009は、その通信を003から受け、「おまえたちは平和に暮らしている人たちを虫けらのように殺したんだぞ。聞け、あの悲しい声を!」と少女の泣き声を聞かせ、「この声を聞いてなんとも思わないのか、この悲しい声が心に響かないのか!」と訴えるが、振り落とされたところを002に救われる。009と002に追尾された兄のガイから援護射撃を求められたビルは少女の泣き声にかき乱されたか、誤ってガイの機を撃ってしまい、心乱されたまま、もんどりうって・・・。悲しみのコーラスが流れるエンディングで「哀れなガイクルテール。彼は人間の心に目覚めないまま死んでしまった。」とつぶやく009.「それにしても、この子のお母さんを殺し、あの兄弟を死に追いやった憎むべき悪魔は父親じゃ。どんなに科学が進歩しようとも心だけは、人間の心だけは永遠につくることはできん。」とギルモア。 |
第25話 | よ み が え れ ! 不 死 鳥 (フェニックス) |
日本グランプリで島村ジョーとデッドヒートを繰り広げた大田モータースの新鋭若柳がレース中に事故を起こし怪我を負った。ライバルとして一目おくたった一人のレーサー若柳が自信を失い大障害レースを前に引退を表明したことに心中穏やかでないジョー。ギルモア博士からも「サイボーグ戦士は平和を乱す悪者と戦う。しかし、それだけが君たちの使命ではない。自信を失った一人のレーサーを立ち直らせる、これも立派な仕事じゃ。だが、009。心に負った深い傷はレーガンでバリバリ撃つわけにはいかんよ。やれる見通しがあるかね。君の判断と努力で、それができた時、若柳選手だけでなく君自身も進歩することができるだろう。」と言われたジョーは、若柳のレース復帰までのテストドライバーを買って出る。しかし、マッハ1.5までのスピードが出せるフェニックス号の開発を妨害し大障害レースに出場させず大田モータースをつぶすことを請け負った国際産業スパイに加担した技術員のササキが若柳の車に仕掛けをして事故を引き起こしたり工場の部品を横流ししたりしていたのだ。そのササキの仕業で、ジョーが乗ったテストは爆発事故を起こし失敗。それを見た若柳はショックの追い討ちで寝込んでしまう。テスト2号車が完成するが人命を尊重してテストを躊躇する社長に「サイボーグは不死身だ。大田のレースカーは日本一、いや世界一だ。その車が優勝することは日本の自動車に大きな発展をもたらす。サーボーグ戦士としてもやりがいのある仕事だ」とギルモアがテスト決行を説得。009は若柳のために荒療治を目論み、003と007に001、海外から002と005を呼び寄せる。国際産業スパイも思い切った手を打ってくる・・・。 |
第26話 | 平 和 の 戦 士 は 死 な ず |
「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」 広島の平和公園。「昭和20年8月か、もう30年近くにもなるんだね。」「いつまでも平和が続きますように。」と祈りをささげる009と003。そのすぐ近くで「ほんとうね、こんなことが二度とあってはいけないわよね。」「犠牲者はさぞ苦しかったことだろう。」と話す外国人の娘と父の姿。003が「優しい人たちね。」とつぶやく。そこへパブリック連合国の公用車が止まり、軍人が降り立った。「ネビル少佐、お迎えに参りました。司令部から出頭せよとの命令であります。本国へ帰れますよ。転属命令らしいです。」「なに、まさか、あのミサイル基地の話じゃ・・・。」本国へ向かう飛行機から富士山を見ながら「これで日本ともお別れね。」と言う娘に父は「なに、またいつか帰って来るときもあるさ。」「ほんとう、パパ。ほんとうにそう思っているの。ウラー同盟と戦争になれば最後の一人まで殺し合いになるって、そう言ってたじゃないの。」「戦争になるとは限らんよ。」「うそ!だからパパみたいな優秀な軍人がミサイル基地に転属・・・。」「キャサリン!これだけは言っておく。私もパブリックの空軍少佐だ。戦争になれば祖国のため真っ先に命を捨てる覚悟でいる。」「祖国のため、大勢の人を殺すのね。何千人も、何万人も・・・。」 緊張高まるパブリックとウラー両国の動きを監視するサイボーグたち。 大陸間弾道核ミサイル発射係を命じられたネビル少佐は基地に到着。「あの長距離水爆ミサイルが私のボタンの一押しで太平洋を飛び越え、ウラーの首都マリングラードに正確に命中する。そして男も女も、子供も年寄りも、幸せになったばかりの若い夫婦も、一瞬の間に命を絶たれ、そして、あの広島の祈念碑に刻まれていた“過ち”が何百倍もの大きさで再び繰り返されるのだ。平和を守るのに、本当にこんな恐ろしい方法しかないのだろうか。」と自問する。ミサイル発射の指令センターにある16のランプが全部 点き、ブザーが鳴った時、発射ボタンを押さねばならない。ふと同僚の傍らを見るとマスコットの人形が目にとまる。「目障りでしょうか?」「そんなことはないさ。この部屋は殺風景過ぎるからな。ランプがいつ 点くか、ブザーがいつ鳴るか、はらはらしているより人形を眺めるほうが楽しい。」(とはいえ、不気味な形相の人形・・・) ランプが全部点き、ブザーが鳴った!少佐はボタンを押す。ミサイルが発射される。やがてマリングラードに、きのこ雲が浮かぶ。ブランコに乗っている少女、公園の若い男女、農場で働く農夫の姿が白く反転・・・。続いてウラーのミサイルが発射され、パブッリクの空軍基地が、パリのエッフェル塔が、ロンドンのキングベンが、東京の国会議事堂が白い閃光に消える。次々とボタンが押され、ミサイルが飛び交い、各所にきのこ雲が上がり、炎の中を逃げ惑う人々。その中に少佐は娘のキャサリンの姿を見る。焼けただれ、血を流して「パパ…」と、うめいて倒れこむキャサリン・・・。「ああっ!」うなされて跳ね起きる少佐。「恐ろしい夢だった。だが、いつ本当になるかもしれん。世界が火の海に。その口火を切るのは、私の手だ!キャサリン、もしも、もしも、戦争になって、私が敵国の人間を一度に何百万、何千万と殺したら、おまえはパパのことを勇敢な軍人と褒めてくれるかね。それとも人殺しとののしるだろうか!」 なにかに操られるかのようにウラーとパブリックは一触即発の状況に。冷戦が熱い戦いになる恐れを伝える報道に、例の人形が写りこんでいるのを見た001は、恐ろしい悪の力が住みついていることを感じ取る。さっそくパブリックへ調査に向かう009 。しかし、途中で四次元跳躍で宇宙空間に連れ去られてしまった009は怪しい人工衛星を発見。その中で009を待っていたのは例の人形だった。「009、よく来てくれたねぇ。」「きさまは誰だ!」「誰でもない!私さ。君とはズーっと前からお馴染みじゃないか。そう、私は人間のいるところなら、どこにだっている。あるいは君の心の中にも住んでいるかもしれんなぁ。あははっ。わかるかね。かつて私はドイツ人でちょび髭を生やした小柄な男にとり憑いたことがある。そいつにユダヤ人を大勢殺させた。だがぁ、なんてったって一番楽しめたのは、エノラゲイとかって爆撃機にとり憑いて広島へ行った時さ。あの時は、さすがの私も驚いた。これほど人間ってやつが残酷になるとは思ってなかったよ。あははっ。やつら原爆のスイッチを押しちゃったんだよ。40万人の非戦闘員、そう、女、子供、生まれたばかりの赤ん坊の上でだよ。しかも、そのパイロットたち、平然としてるんだよ。その理由がまた最高に傑作なんだよ。大統領が許可して、司令官が命令したからなんだって、あははっあははっ!その一瞬間で私は今までの千倍も強く大きくなれたんだよ。」と笑い転げる人形。「わかった!まだ生きていたのか、人間の心に潜む悪!あいつだ!いつかのあいつだ! (※1↓)」「だからズーっと前からお馴染みだと言ったじゃないか。」「悪魔め!」と言ってガンを抜く009.「それで私を倒したつもりかい。あははっ。私は不滅なんだよ。人の心にポッカリあいた隙間から私はいくらでもやってくる。」再びガンを打つ009 。「無駄なことはやめろ!聞け、009。今更おまえごときがもがいても遅い!やがてパブリックの馬鹿どもがミサイルを発射する!あははははっ、あははははっ・・・」急ぎパブリックへ向かう009は、ギルモアにウラーの動きを止めるよう通信する。「遅い、遅いぞサイボーグ! 貴様がどんなにあがいても無駄だ!未来永劫、私は勝つんだ。」という魔の声を背後に聞きながら009は「神様、初めてあなたに祈ります。僕が着くまでボタンを押されずに済みますように。」と念じる。パブリックではミサイル発射命令が出され、ランプが点灯し終わり、ブザーが鳴ったが、キャサリンの姿、声が脳裏に浮かぶネビル少佐はボタンを押すことに躊躇する。同僚から「大統領命令だ」と、たしなめられた少佐は「しかし、今このボタンを押せば世界はおしまいだ!」「やられる前にやる。攻撃は最大の防御です。大統領もまたそう判断されたに違いない!」「待ってくれ、いくら義務だからといって、罪もない人々を何千、何万と犠牲にすることはできん。それが我々の義務だというなら、おかしい、なにかが間違っている、なにかが、ああっ!」と胸を押さえて倒れこむ少佐。同僚のマスコットの人形の腕が上がるのと同じく、その同僚は銃口を少佐に向けていたのだった。そこへ009が入ってくるが、 人形に操られた同僚によってボタンは押されてしまう。発射されるミサイルに加速して飛びつく009。ミサイルの翼を操作し進路を変え、宇宙空間に出た009はミサイルを人工衛星に向ける。「いたな、悪魔め。今その悪の巣を吹き飛ばしてやるぞ!」「へっ、ご苦労なこった。すでに私は悪の芽を世界中に撒き終わった。それに引き換え、 貴様は死ぬ。この宇宙の片隅で、惨めにひっそり体も魂も粉々になって砕け散る。へへっ、哀れな人間よ。」「あいにくだが、僕の魂は滅びやしない。僕が死んでもサイボーグの仲間がいる。地球人類50億がいる!覚悟しろ、悪魔!」爆発のあと、大気圏に落下していく009。「もうだめだ、さようなら、フランソワーズ。さようなら、ギルモア博士。」・・・そのとき002の声が届く。「009、しっかりしろっ!頑張れ、いま行くぞ。いいか、最後の一秒まであきらめるなよ。」「ありがとう、でも間に合うまい。大気圏内だ。あと30秒もつかどうか。」服もマフラーも焼けていく。マッハで飛ぶ002も空気の摩擦で体が焼け始める。「地面が近づいた。さようなら、002。」「神様・・・」間一髪。 これからも監視の目を怠らぬようにと世界へ散るサイボーグ戦士を前にギルモアは「悪魔が言っていたそうじゃ。悪の芽は、人の心の見えない片隅で秘かに牙を研ぎつつあるとな。」ニュースでは「世界最強を誇るウラー同盟がさらに新兵器開発を目指していると強く非難する一方、パブリックでは大幅に軍事予算を増やすことを計画しています。」と伝えていた。「50億の夢である“平和”。地球上に真の平和が訪れるのは果たしていつか?あるいはそれは永遠に求めて得られない青い鳥なのであろうか。」というギルモアの言葉を冷ややかに笑い飛ばす人形がミサイルに腰掛け、不敵な表情見せてエンディング・・・。★★ |
※1劇場版第1弾ラスト〜ブラックゴースト団首領の台詞「私はズーっと大昔から愚かな人間どもに戦争を起こさせてきたのだ。
殺し合いの血と不幸せの涙と、そして人と人との憎しみとを栄養にして私は段々強く大きくなった。平和、平和と口では
言うが、私がちょっいと誘いをかければ、人間どもはすぐに殺し合いを始める。馬鹿な奴等だ。」「悪魔っ!」「違う!私は
自分で育ったのではない。私を作り、私を育てたのは、お前たち人間の心の中にある醜い欲だ!」
※2劇場版第1弾エンディングナレーション〜あの邪悪なブラックゴーストは、戦争の黒い幽霊は、人の心の奥底に住む
醜い欲に育てられたブラックゴースト。彼らがまたいつの日か現れないと誰が言えよう。
(首領)「私は死ぬ。だが、ブラックゴーストは滅びない。」
(009)「そのとき、僕たちはまた集まらなければならない。」
(003)「そんなことがなければいいけど。神様、いつまでも平和が続きますように。」
公式サイトは
http://www.009.tv/