ここでは、日本の代表的な屋根の種類について説明します。古くは、草ぶき、木の皮、木材で葺いた屋根がありますが、現在ではほとんどが新建材を使用した屋根です。古くから使用され、現在でも使用される屋根に瓦屋根(かわらやね)があります。

かやぶき屋根

かやぶき屋根

かやぶき屋根は昔の民家では一般的に使われていた屋根で、通気性も断熱性も持っている不思議な屋根です。屋根の形は「寄棟造り」、「切妻造り」、「入母屋造り」の3種類があります。かやぶき屋根は草葺き屋根の一種で、萱(かや)という植物を屋根材として使用しますが、萱という植物はなく、葦(あし)、ススキなどの植物が使われます。(写真は福島県、大内宿で撮影)

ひわだぶき屋根

檜皮(ひわだ)は読んで字のごとく、ヒノキの皮を剥いで板状にしたものを屋根材として使います。檜皮葺の歴史は古く、668年に崇福寺(すうふくじ)の諸堂の屋根が檜皮(ひわだ)で葺かれたという記述があると言います。70年位のヒノキの皮を剥いで板として使うために手間も技術も要り、かやぶき屋根と異なり、国宝級の建物に残るだけです。なお、ヒノキの代わりに杉皮を使う杉皮葺き屋根もあります。(写真は、国宝、日吉大社のホームページから引用)

柿葺き(こけらぶき)

ひわだぶきがヒノキの皮を屋根材として用いるのに対して木材そのものを薄くしたものを使用する屋根をこけらぶきと呼びます。日本古来の屋根工法で、文化財の屋根に見られます。有名な京都の金閣も、このこけらぶきです。

瓦屋根(かわらやね)

瓦葺き(かわらぶき)は、陶器や石などを用いた仕上げ方で飛鳥時代に大陸から伝来したと考えられている。耐久性は高いが重いために建物の構造が要求されます。2011年の東日本大震災の際に屋根に多大な被害がありました。修理は、傷んだ瓦を取り換えます。

コロニアル

瓦が粘土を焼いたものに対してコロニアルと呼ばれる素材はセメント系の素材を用いています。工場で生産する事が可能で、安価で、施工も楽なために都市部で利用される事が多いです。耐水性という点で難点があるのと酸性雨に弱いという弱点があり管理、修理が大変です。

トタン屋根

屋根材として金属を用いたもので、鋼板の表面に亜鉛メッキが施されています。今は、鋼板の表面に55%のアルミニュームと亜鉛の合金をメッキし、さらに表面(裏表)に焼き付け塗装された「ガルバリウム鋼板」が主流です。耐久性・対候性が非常に良くメンテナンスの手間もかかりません。また、加工も容易で、複雑な屋根の形状にも対応できます。カラーバリエーションも豊富で、好みに合わせて選ぶことができます。

銅ぶき屋根

銅ぶき屋根の歴史も古く、天平時代(765年)に奈良の西大寺の屋根に銅の板が使用されたようです。軽量さが特徴で、加工性にも優れ様々な曲線や、繊細な造型が可能です。耐久性も抜群で、金属系の屋根材の中では最高級品といえます。時とともに緑青色を帯びてくる風合いには味わい深さがあります。

その他

珍しい屋根として浅草寺、宝蔵門の「チタン屋根」が挙げられます。耐震性の向上と参拝客に対する安全確保のため平成19年(2007年)に屋根改修工事を行い、軽量さと耐食性に優れたチタン成型瓦を全国ではじめて採用した。使用したチタンは表面にアルミナブラスト加工を施したものでそれらをランダムに配置することで土瓦特有の「まだら感」を再現し、瓦と変わらない外観となっている。また、主棟・隅棟・降棟・妻降棟すべての鬼飾もチタンで製作された。(ウィキペディアより引用)