【D51型蒸気機関車について】
24期 賀来
「D51型蒸気機関車は、国鉄の前身である鉄道省が設計したテンダー式蒸気機関車である。
主に貨物輸送のために用いられ、戦時中に大量生産されたこともあってその生産量数は
1,115両に達しており、ディーゼル機関車や電気機関車などを含めた日本の機関車1形式
の両数では最大を記録した。デゴイチの愛称は有名で、蒸気機関車の代名詞にもなった。」
(フリー百科事典 Wikipedia)
1.D51型の「D」は動輪軸数を表し4軸、「51」の「5」はテンダー式機関車(炭水車を牽いてい
る機関車)を表します。「D51」が設計された時、すでに鉄道省では「D50」型があり、この改良
機として設計されたものです。
2.D51には形態別に3種類に大別されます。
(1)初期のナメクジ型…煙突から給水温め機・蒸気溜・砂箱までを流線型のドームで覆った
もの。
(2)標準型…上記ナメクジ型を改良し、給水温め機を煙突前に乗せたもの。普通D51という
とこのタイプを指します。D51254もこの標準型です。
(3)戦時型…戦時中貨物輸送急増に対応するため作られたものですが、資材不足のため
いろいろ簡略な形態で登場しました。工作精度も不良のため故障が多発。戦後に改め
られました。
また、蒸気機関車は長い間に様々な改造を受けています。
例えば、集煙装置(トンネル区間で煙が運転室に入らないようする装置)や重油併焼装置(重
油タンクを積み、それを適宜石炭と併焼することで機関助手の労力を削減した)の取り付け
などです。
この結果、形態は様々なものがあります。
3.写真のD51 254号機は、昭和14年12月16日鉄道省鷹取工場(兵庫県)製造。新製後近
畿地方に配置。昭和16年に亀山機関区(三重県)にて関西本線加太越えの急坂に挑みまし
た。その後、吹田機関区(大阪府)にて東海道・山陽本線の貨物列車を索引。
戦後は山陰本線の鳥取(鳥取県)・豊岡(兵庫県)・福知山(京都府)にて同線の貨物・旅客輸
送に従事しました。その後、奈良機関区(奈良県)にて再度関西本線加太越えの急坂に挑ん
でいます。関西本線の無煙化後、長門機関区(山口県)に転属、再度山陰本線にて本州最後
のSLとして活躍しました。廃車は昭和49年10月21日です。
4.現在、杉並区児童交通公園に保存されている同機は、現役時代に付けられていた「集煙装置」
と「重油併焼装置」が外されています。(そのため、煙突が通常のD51より短い)外観は美しく
整備されています。
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