本所七不思議は、本所に江戸時代頃から伝承される奇談・怪談です。古くから落語などのネタと
して庶民に親しまれてきました。本所とは、隅田川東岸側の両国方面を言います。現在も墨田区
に町名が残っていますが、江戸時代の本所は現在の本所よりも広い範囲を指していたようです。
この話の基本は、七不思議ですが伝承によって登場する物語が一部異なっていて、面白おかし
い話、怖い話など7種類以上のエピソードが存在しています。
=============================================
【本所七不思議】 第七話 燈無蕎麦(あかりなしそば)
この話は燈無蕎麦 又は 消えずの行灯とも言われます。
江戸時代の本所南割下水付近には夜になると二八蕎麦の屋台が出ましたが、そのうちの1
軒は何時行っても店の主人がおらず、夜明けまで待っても遂に現れないというもので、その間
誰も給油していないのに店先に出している行灯の看板の油が何時間経っても一向に尽きず、
いつまでも燃え続けていました。この灯をうかつに消したりするとたたられるそうです。
因みに、二八蕎麦は、江戸時代からうまい蕎麦として、将軍 徳川吉宗の頃から呼ばれ始め
ましたが、由来は諸説あり、かけ蕎麦1杯が16文だったことから《2×8=16》の語呂にちなん
での対価説や蕎麦粉とつなぎの小麦粉の割合(8対2)から言われる混合率説の2つの説があ
ります。
|