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アンドロメダを救え

 

 3775

3775 Firenze Uffizi  Piero di Cosimo (Piero dei Lorenzo detto) Firenze 1461-1522  Liberation of Andromeda
1510 o 1513 olio su tavola, cm 70 x 123  2005・9・・30入手      
弦鳴楽器  

 

 

のカデンツ

 

みなさまなら きっと 

中央の怪獣の尻尾に目を奪われることでしょう。

 は、ここに描かれている二つの楽器が 

あんまりインパクトありすぎなので びっくりしました。

フィレンツェのウフィツィ美術館で この絵と対面したときのことです。

この絵は カードにもなってくれていたので、大喜び!!

コレクションのなかでも とても貴重な楽器になりました。

あの怪獣をお慰めするために、奏でられた楽器なのでしょうか?

怪獣好みの音色って どんなでしょう。

あ、この アンドロメダを救え っていうのは、ギリシャ神話です。 

本当は アンドロメダの解放。

メドゥサをやっつけたペルセウスが 帰りの旅の途中

海岸の岩に美しい娘がつながれているのを発見。

それは海の怪物のいけにえになっていたアンドロメダでした。

 ペルセウスはさっそく怪物をやっつけ 

その美しい娘アンドロメダを救う という場面です。

この楽器ですが 

 

 

とくに注目していただきたいのは後方の楽器

よく見ると口にくわえているのは

バグパイプのような構造の菅につながっているようです。

そしてあと半分には 弦が張られ 手でつまびいているようです。

二つの楽器が 一体化している こんな楽器 見たことないですよね。

ただ、二つの楽器を同時に演奏するスタイルなら

じつは他にも コレクションカードに あります。

↓こちら です。

 

 2177

2177 Basilica di S. Maria Sopra Minerva-Roma Carafa's Chapel or St.Thomas d'Aquinas'
Frescoes made by Filippino Lippi XV Century-detail
    
Ediz.PP.Domenicani Prop.risevata  2002・8.10入手  楽器一人二役 

  

 

↑ これは一瞬 弓で弦楽器を奏でている と錯覚したですが

よーくみるとこの天使、二つの楽器をこなしているのです。

左手で細長い菅をもって吹き、その同じ左手に弦楽器のようなものも抱えこんでいます。

右手に持っている短い棒は、ばちで、弦を鳴らしているようです。

 メアリ・レムナント著 『楽器のおいたち』 日貿出版社 という本の中で

この天使と同じ演奏スタイルの天使の絵 

(ミラノのスフォルツァ家のために作られた聖務日課の祈祷書)

 が紹介されていて、その解説を読んで、これこれ!と思わず 声をあげました。

弦楽器とばかり思い込んでいましたが、これは打楽器だそうです。

以下抜粋引用します。

 

ばちでうつもので、もっとも単純なストリングドラムは

ヨーロッパ大陸の美術では14世紀以降に見られる。

コルスとされているこの楽器はモノコードが基になっていて

2本またはそれ以上の弦が主音と属音に調律され、

弦は木のばちでうたれ 他の楽器のリズムを終始支える役目をはたす。

指孔が三つある笛といっしょに最も多く奏され、この組み合わせは現在でも

南仏ではタンブラン・バスクといわれて残っている。

同じような民族的楽器はハンガリーのガルドンで、これはチェロの形をしている。

 


 

この 笛と太鼓を同時に 演奏するスタイルは とてもポピュラーだったんですね。

コレクションカードにも いろいろ集まってきましたので 別室て展示しています。

こちら→ 一人二役

 


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