江戸千代紙 いせ辰
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江戸千代紙 版権所有 いせ辰 2001.3.21入手 宴祭り踊り
のカデンツ
いせ辰のカード
和紙の質感も上等で、風合いもよく、日本の伝統文化技術を自慢したくなるカードです。
いせ辰は、江戸末期から明治、大正、昭和、平成と続いている
江戸千代紙、おもちゃ絵の版元。
数枚コレクションしていますが、どれも華やかな美しい色あいです。
直接 上野谷中・さんさき坂にある お店を 覗いてみたくなり 地図を片手に訪ねたこともあります。
この中の楽器は お琴を練習しているおかめさんや、そのよこのお囃子の笛太鼓のおかめさん
右端中央辺りには三味線のお多福さんなどがいます。
江戸の人のユーモア感覚って天下一品ですよね。
ん? おかめさんとお多福さんの違いはあるんでしたっけ。
これ 100人以上の福笑いの顔がならんでいて、文句なくお気に入りの一枚です。
↓ こちらは 猫の姿をかりて 江戸ッ子の楽しみを。
猫の芸づくし 猫の踊りづくし
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1160 新版 猫の芸づくし 三十六(上)板 いせ辰 2001・3・21入手 宴祭り踊り
1161 新版 猫の踊づくし (上)板 いせ辰 2001.3.21入手 宴祭り踊り
1969
1969 いせ辰 猫の大よせ 2002・5・21入手 三味線
↓ こちらは 江戸時代の 縁日のおもちゃ屋 さん
今ならフリーマーケット感覚ですね。
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2735 江戸千代紙 版権所有 (上)いせ辰 伊勢辰板 菊丸画 江戸時代縁日おもちゃ屋
2003・8・6入手 楽器
↓ こちらも 江戸のおもちゃ屋さん のあれこれ
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1968 新版おもちゃ屋 ??画 2002・5・21入手 でんでん太鼓
ひな祭り ピンクで可愛らしいカード
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3097 江戸千代紙 版権所有 いせ辰 2004・3・5入手 楽器
↓ このカードは ちんわん とあります。
さて ちんわん って何? と思いましたが
どうやら 江戸時代の 遊び歌のようです。
この舌もじりの面白さ が人気だったとか。
4281 いせ辰 新ばん手摺 ちんわん 祥湖画 2007・2・13入手 楽器
楽器は ↓こちら。 ひゅ〜〜どんとは 笛に太鼓
どんちゃん騒ぎ って ここからなのかな?
向学心に燃え ちんわん を ネット検索してみたところ
大阪教育大学リポジトリ 小野恭靖著 2000 ちんわん歌謡続考 がヒットしました!
このカードの 詳しい説明もありましたので 引用させていただきます。
いせ辰 四代目の広瀬辰五郎 著 『おもちゃ絵』 昭和49年 徳間書店 には
祥湖なる画家の筆による原画の写真が 掲載されている。
横五コマを 縦に六段組とした 三十コマの絵から 構成され、格段の右から左へ 横に読むように置かれている。
歌詞 翻刻
ちん、 わん、 猫にゃん、 ちう、 金魚に、 放しかめ、 牛もうもう、 こま狗に、 鈴からりん
蛙が三つでみひよこひよこ、 鳩ぽっぽに、 立石、 石燈篭、 小僧がこけてゐる、 かいつくかいつく
布袋の土佛に、つんぼ戎(えびす)、 がんが三羽で、 鳥居に、 おかめに、般若に、ひゅどん、ちゃん
天神、 西行、 子守に、 角力とりどっこい、 わいわい天王、五重塔、お馬が三ヒキひんひんひん
注目すべきは
十二コマに相当する 立石 の道標に 『右 伊せ辰』 の文字がある。
すなわち いせ辰の さりげない宣伝に。
ほんとだ! 面白い!
↓ こちらの宝船のカードは 初夢カードだなんて 初耳!!
江戸にならって 正月二日に も 宝船のカードを枕の下に入れてみましょうか。
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6379 初夢宝船 2010・10・7入手 琵琶
(カードに添えられた文)
長き夜の 遠の眠りの 皆 目覚め 波乗り船の 音の良きかな
宝船は新春のめでたい縁起物です。
江戸の正月二日は 宝舩の絵を 枕の下に敷いて 吉夢を見るという風習がありました。
当時は元旦に 「おたから〜 おたから〜」 と言って売り歩く
お宝売りの姿がよく見られたということです。
初期のものは米俵や宝尽くしだけでしたが その後 江戸庶民に信仰の高い七福神が
船に乗った図柄ものが 多くなりました。
現代ではなくなってしまった習慣の一つですが
江戸の良き時代に思いを馳せ あわせて皆様も 今日に用いられ
吉夢を見られますれば 幸甚と存じます。
菊寿堂 いせ辰
宝尽くし船? なんだか おめでたいものが 沢山乗っています。
宝船なら琵琶を持つ弁財天なのですが こちらは男性?
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3078 江戸千代紙 版権所有 いせ辰 2004・2・4入手 琵琶
↓ これは 縁起物 アラカルトカード?
おたふくさんのついた熊手には 東京酉の市 の文字が。
左は 東京宮詣 大張り子。 上に楽器があります!
左下方 千歳あめに重なって 京都宮詣 末廣扇。
右下には 奈良豆鹿 奈良一刀彫の鹿 奈良竹馬 奈良張り子鹿 宮島土鹿 奈良鹿猿などなど・・・
お土産品かな?
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8111 いせ辰 2015・5・2入手 楽器
ひとつ気になったのが 右側の このデコレーションケーキ状のもの・・・
品川千躰 荒神 住吉踊 の文字があります。
これも 検索してみたところ こんなサイトの記事に遭遇しました。
これのことですよね?
(このデコレーションケーキのところのみ 抜粋引用させていただきます)
監督 川島雄三傳 『幕末太陽傳』 ロケ地探訪 2から
http://www.sadanari.com/k-sakuhin/baku-loca-2.html
さて、ひとつ気になることがある。
貸本屋金造との「品川心中」騒ぎで風邪をひき寝込んでいるおそめに、
遣り手婆ァのおくま(菅井きん)が買って帰った
「これはわたしのお見舞い」 だ。
笹の先に紙の飾りが付いており、荒神様帰りの人は皆 提灯の様に手にしている。
今でもお土産として売っているのかと思ったが 残念ながら見つけられず。
その「正体」もわからないので
休憩所にいた法被(はっぴ)を来たご老人たちにプリント・アウトを見せて尋ねてみた。
するとその中のひとりが 「あぁ、これは 『やぁとこせぇ』 だ」 と教えてくれた。
単なるおもちゃで意味は判らないとのこと。
今は売っても、作ってもいないそうだが、昔のものが寺務所にあるかもしれない。
「ちょいと来なよ」とすぐ案内してくれる。バカにハナシが早ェえのがさすが、江戸っ子(笑)。
「なんだなんだ?」と周囲の人達数名も付いて来る。ちょっとした騒ぎになってしまった。
「やぁとこせぇ」 は残念ながらなかった。
なくなってしまったわけではなく、寄り合い部屋に飾ってあったのだが、
なにしろ古いものなので仕舞い込んだらしい。
現物は見られなかったが、その「正体」が判り まず満足。
でも映画同様、片手に握って家まで帰る事が出来たら、もう、最高だったのだが...。
さてこの「やぁとこせぇ」、ここでは意味不明だったが後日、
書籍『品川の民俗と文化』(昭和45年・品川区刊)により詳細判明。
となり町、大森の郷土玩具で、「住吉踊り」 と呼ばれることもあるようだ。
笹竹の先に大きな輪が下がり、その輪にさらに数体の小さな人形が下がっている。
これを手に持って揺らすと、その動きが伝承舞踊の「住吉踊り」に見えるようになっているのだ。
材料は麦藁で、一種の藁細工である。
なんとも楽しい玩具だが、見られなくなってしまった理由は「大森で藁が採れなくなってしまったから」だった。
残念ながら東京都大田区に麦畑はもうない。