アングルのヴァリアント
2263
2263 Jean Auguste Dominique Ingres 奴隷のいるオダリスク 1839-40年
President and Fellows of Harvard College(Harvard University Art
Museums)
Nineteenth Century British and French Art from the Winthrop
Collection of the Fogg Art Museum
2002・9・18入手 民族リュート(サーズ)
のカデンツ
↑ アングルの 『奴隷のいるオダリスク』
うんうん、この絵は知っている と お思いのあなた!
あなたの知っている 『奴隷のいるオダリスク』 は果たしてこの絵でしょうか?
一番のポイントは背景です。
↑フォッグ美術館のものは、室内ですが
↓ ボルチモア・ウォルターズ・アート・ギャラリーのものは、庭園になっています。
4689
4689 INGRES Jean
Auguste Dominique L'Odalisque a l'esclave Ne a Montauban,
1780 Moer Peia 1867
Baltimore, Walters Art Gallery Huile sur toile, 76
x 105 cm 1842
2007・11・28 入手 民族リュート(サーズ)
の調査メモによりますと
アングルはしばしば、部分的習作、あるいは大掛かりな習作を繰り返しながら
慎重に絵画の製作にとりかかった と伝えられています。
仏アカデミーを代表する指導者であったため、色彩よりデッサンを重視し
安定した画面構成をという新古典主義の様式を遵守していたから、だとか。
そうして完成させた作品を、さらにまた繰り返して描く場合もあり
それが忠実な写しであれば、レプリカ(模写)とよばれますが
構図や表現上の意図的改変があればヴァリアント(異作)と呼ばれるのだそうです。
↑のふたつは
サイズ(72x100、76x105cm)も、制作年(1840と1842) もほとんど同じで
背景の違いのほか、
横たわっている敷布の柄や色の違い 立っている奴隷の着ている布地の違いなど
少しずつ違う ヴァリアント(異作)になっています。
しかし本質的にはレプリカ(模写)とよんで差し支えない同質性がある、と
なにかの画集に書いてありました。(メモしか残っていなくて、すみません)
当時流行していたエキゾチックなオリエント趣味。
弾いているのはトルコのサーズというタール(ペルシャ語で弦)系楽器のようです。
のコレクションには、もう一枚 ↓ ルーヴル美術館蔵の素描画 も。
875
875 Jean Auguste Dominique Ingres (1780-1867)
L'Odalisque a l'esclave
Lavis gris,mine de Plomb,Rehauts de blanc sur papier creme 34.5x47.5cm
Photo RMN Paris 2000
Reunion des musees nationaux-ic 20 01 36 Louvre Departement des
Arts graphiques
2000.8.28入手 民族リュート(サーズ)
/ポストカード音楽会 /同じようで同じでない 楽器ジャンル 画家索引 参考文献一覧