各種記録


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☆『青森県史資料編近現代6』の刊行(2014.3.28)

  私も関わった『青森県史資料編近現代6』が3月に刊行された。同じシリーズの『青森県史資料編近現代5』が刊行されてから5年経過している。これは刊行に5年かかったということではなく、予定された刊行年次に出たということで、この間には、近現代編以外の資料編が刊行されていたということである。

 今回の資料編近現代6にはCD-ROMの『青森県史統計』が付いている。これらはそれぞれ独立したもので、統計は資料編近現代6の付録ではない。資料編近現代6の範囲は高度経済成長期なのであるが、統計は明治期から昭和戦前期までの近代統計が収録されている。但し、人口等、一部の統計は戦後までカバーしている。その理由は現代の統計は『青森県統計年鑑』として県の部局から刊行され続けており、容易に閲覧可能だからである。

 今回は実質的に2冊の書物を刊行したのと同じ労力を要し、大変苦労した。特に統計については、『青森県統計書』がベースになっているのであるが、編年統計に組み直している。この作業が大変で、数値の入力や校正に多くの労力を要した。私も自分の担当部分につき、一部入力し、また校正を行った。この作業は年末から年始にかけてであり、忙殺された。なお、校正作業については賃金を払ってゼミ生にも手伝ってもらった。

 こうした作業は私だけではなく、分担した担当者が各自職場や自宅等で行っていたことである。こうした苦労の結果、刊行にこぎ着けたのでほっとしている。私にとっては統計の作成は難事業であり、この5年間、頭から離れなかった。はじめは作業量の多さに辟易していたのだが、次第に編年統計に改めることの困難さに関心事が移っていった。

   『府県統計書』はかなりの部分が国会図書館のデジタル資料で閲覧することができ、また雄松堂からの出版物を購入することもできる。このため、今回の『青森県史統計』が労力を費やしただけの意義があるかどうか、不明であるが、利用者には、原データと対比の上で利用してもらいたいと思う。というのは作業をする中で、統計作成が不十分さを伴うものであることを痛感しており、そうした欠陥は原データにあたることでしか解決できないからである。もっとも原データにも誤りがあり、完璧な統計を作成することは不可能に近い。こうした欠陥を補正するのが統計理論の役割であろう。

 いずれにしても積年の課題が一つ克服され、一安心しているが、自分の研究の進展は課題として取り残されたままである。