各種記録


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☆未だに信じられない訃報(2012.11.28)

  日本経済史の研究者に関して、未だに信じられない訃報が続いて伝えられてきた。何かの間違いではないかと思うことが多い。

 一つは、ノースアジア大学(旧、秋田経済法科大学)で日本経済史を講じていた鈴木達郎氏の訃報である。鈴木氏とは秋田近代史研究会でともに調査をし、また青森県史の近現代部会で共著の本を何冊か執筆した関係である。私自身はここのところ、秋田調査の頻度は減ってしまったが、秋田県立公文書館にある旧秋田県庁所蔵資料や、平鹿町立図書館所蔵の旧醍醐村役場資料などを、鈴木氏や秋田近代史研究会のメンバーと一緒に調査した日々を思い出す。鈴木氏については、体調が悪いという話を聞いたこともなく、どうしたのだろうと思う。ときどき誤報だったのかもしれないなどと考える。鈴木氏は名古屋大学大学院のご出身であったのだが、名古屋時代の知人たちも心配しているのではないかと思う。

 次に、最近、西田美昭氏の訃報に接した。西田氏は東京大学社会科学研究所の教授として活躍し、その後金沢大学等に赴任されて、近現代の日本農民史や地主制の歴史を解明されていた先学である。私は大学院に在籍中、大石嘉一郎先生が中心となっていた東松山市史編纂の下働きをしたときに、近代編作成の中心メンバーとして市史の作成にあたっておられた西田氏を知った。私たちは東上線の電車で通っていたのだが、西田氏は自家用車を運転してこられ、随分モダンな人だと感心していた。東松山市史の調査は、専攻する時代を問わず、大勢が参加する形式で行われることが多かったが、近世の小野正雄氏や現代の平田哲夫氏らとともに史料を点検していた様子が目に浮かんでくる。特に大石先生はこの調査事業が楽しかったようで、よく声を出して笑っておられた。

 こうした訃報に接するということは、自分に残された時間が短くなっているということでもある。