各種記録


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☆台風下の台湾調査(2012.9.1)

  台湾近辺に台風14号が来襲しそうな気配であった8月23日から、後から発生した台風15号と並んで台風14号が迷走していた8月28日まで、台湾で資料調査をしてきた。手配した航空機のチケットが日程の変更が不可能なものだったので、行くか、キャンセルするかの選択しかなかった。そこで傘のほか、ビニール製雨具まで準備して出発した。台風14号(天秤と呼ばれた)の影響があったにも関わらず飛行機は出発し、無事台北に着いた。また帰国の日も天秤台風が台湾に上陸しそうであったのだが、飛行機は飛び立ち、日程通りの調査が出来た。台北に関しては多少雨が降った程度で、台風の影響による被害は全くなかった。但し、テレビのニュースによれば、台湾南部は、建物の損壊など、かなりの被害が出ていた。一口に台湾とはいっても、中心部に急峻な山岳地帯があり、台風とはいえども台湾全土を横断することはないようで、相当の地域差がある。個人的には旅先の台北が台風の被害が殆どなく、飛行機の運航も通常通りであったことは幸運というほかない。但し、一度水溜まりで転んだが、石畳の上で泥水ではなかったので、怪我もせず、被害は軽微であった。

 今回は行楽地を回ることはせず、ひたすらホテルと図書館を往復するだけで、機械的に日程をこなすといった旅行であった。感心したのは国立台湾大学の図書館で、臨時の閲覧者に対しても、持ち込んだパソコンにより無線LANを介して電子資料が利用できるよう、1日限りのIDとパスワードを発行してくれることである。このようなサービスをしてくれる図書館は日本国内にはないのではないかと思う。

 到着当初の新聞でもテレビでもトップニュースとして報道していたのは、ある青年男性が女性タレントたちを誘惑したというもので、連日のように大きなスペースを割いて報じられていた。漢字の新聞を見ても今ひとつ内容が分からず、何故このようなニュースがトップなのだろうと不思議だったのだが、よく調べてみると、その青年は、台湾の有力な富豪の子弟であり、スキャンダルも大がかりなものだということであった。これと並んで報道されていたのが台風の影響であった。尖閣列島問題もいくらかは報道されていたが、北京発のニュースが主であり、台湾自体のニュースとはいえないようなものであった。もっともこれは私の個人的な印象であり、意図的に調べたわけではない。

 台北市内は地下鉄が発達しており、漢字が読めれば乗り換えも簡単で、殆ど迷うことはない。乗客は日本と同じで、スマートフォンを見ている人が多い。台風の影響か、気温もそれほど高いとは思われず、過ごしやすい雰囲気であった。但し、町中で地下鉄の出口を出ると、どこを見ても同じようで、右か左かどちらへ行けばいいのか分からなくなることが数回あった。