各種記録


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☆日韓(韓日)水産研究交流セミナーに参加(2011.10.3)

  9月15日から19日まで韓国に出かけ、セミナーに参加した。このセミナーは日本の地域漁業学会と韓国の水産経営学会が共同で開催したものであり、前回の対馬での開催以来、7年ぶりの開催であったという。セミナーの内容については、地域漁業学会のホームページに掲載されているのだが、日本側の参加者は日本語で報告し、韓国側の報告者は韓国語で報告した。これを釜慶大学の金炳浩教授と同氏令嬢が交代で通訳をした。報告は200海里体制の実施と日韓ほかの漁業協定施行後の東アジアの漁業展開の現状に関するものが大部分であったが、種々の問題点が明らかになり、有益であった。

 今回のシンポジウムは懇親を深めるという意味もあるということで、白熱した議論を行うというよりは問題意識を提起して交流するという意味合いが強かった。旧知の研究者もいてどのような問題が東アジアの漁業におこっているのかがよくわかった。なお、報告者とタイトルは下記の通りであった。

片岡千賀之氏(長崎大学名誉教授):東シナ海の新漁業秩序
金大永氏(韓国海洋水産開発院):東北亜の新漁業秩序と漁業協力方向
姜宗鎬氏(韓国海洋水産開発院):水産物流通の変化と政策方向
山下東子氏(明海大学経済学部 教授):韓国と日本のマグロ関連産業・缶詰市場と刺身市場の比較

 シンポジウムの会場は統営にある慶尚大学海洋科学大学海洋生物研究センターであり、宿泊も同大学キャンパス内のゲストハウスが使用された。この施設は一部屋に4人宿泊できる構造で、部屋の中が2Kのマンション風の作りであった。参加者はみな大部屋に分宿した。施設自体は新しく冷蔵庫やテレビが備え付けてあり、快適だったのだが、同宿者のいびきやエアコンのモーター音など、安眠を妨げる要素も多く、いささか寝不足となった。もっとも、1泊の利用料も安価なので、不満はいえない。

 統営は近代以後、日本人漁業者も多く定着し、権現網によるイワシ漁業が盛んであり、またイリコの生産も盛んであった。今でもそれらの漁業は盛んであり、今回はその見学がエクスカーションとして組まれているということで、期待していた。権現網についてはバスからはその姿が確認できたのだが、イリコ生産を行う水産会社に行ったところ、出漁中ということで、間近で見ることができなかったのは残念であった。イリコの生産設備等の工場の施設は見せてもらうことができた。

 統営では水産物の市場の見学も行った。そこではイリコ、ノリや種々の水産物が販売されており、活魚も扱われていた。水産物はみな新鮮で、市場も活気があり、回っていても飽きない。観光客も多いようで、英語が通じる店もある。

  統営は島であるのだが、釜山―統営間は往復ともバスを利用した。途中の海には橋やトンネルが整備され、車での移動ができるようになっていた。なお、帰りには大回りをし、海印寺に寄った。韓国側の配慮であったのだが、ちょっとした山登りであった。