● 実験テーマ69

「簡易自動周波数特性測定装置_V1の実験と製作」
(テーマ66:AD9834_DDS_AF_OSCに、周波数スイープ機能を追加し、これと今回作る計測部を組合わせ実験をしてみました。)

・以下が、この実験の顛末記です。
 大きく分けて、次の、3つのステップで作業を進めました。

 以前から、周波数特性取得・描画の自動化の実験をしてみたいと思っていたのですが、
 最初は、何とか今迄作ってきた機材を出来るだけそのまま活用して実験を進めようと
 考えました。

 Step1:そこで、まずは、周波数スイープとして、中華キットの、ファンクション・ジェネレータ
      「FG085」の、周波数スイープ機能を使うことにしました。
      FG085の出力を、自作AC電圧計の絶対値アンプに入力し、その出力を、自作オシロ
      初号機(PIC24H)の、AN0ピンへ入力し、周波数特性グラフを、モノクロ液晶表示器
      へ描画するソフトを作成し動作確認してみる。

 Step2:周波数帯ごとに、ステップ周波数を変えてスイープさせる機能を、以前作った、
      AD9834_DDS_AF_OSCに追加し、まずは、Step1と同じく縦軸を電圧表示にして
      動作確認してみる。

 Step3:ログアンプ(AD8307)を使い、縦軸を、dB表示にする。
      また、画面デザインをまとめ、ケーシングもして今回の、最終形(V1)にする。

■ 2015.8.23
  ・まずは、FG085のスイープ機能の動作を確認してみることにした。
   以前組立てた時にもやったことあるが、その時は、スイープと同期したパルスが、J6-3pin
       に出力されていることは知らずにやっていた。
   この信号を、スイープ開始のトリガ信号として計測部に入力して使う予定だ。

   FG085のスイープ機能の動作を確認した時のメモを、そのまま下にアップします。


■ 2015.8.25
  ・実際に、Step1の実験をやるためには、FG085の、スイープ設定を再考する必要がある。
   本来は、F帯域ごとに、Tstepを変えるべきだが、FG085は、それが出来ないので、
   低い周波数帯域に合わせ、5Hzのステップとした。
   その為もあって、横128dotのモノクロ液晶には、10Hz〜 505Hzの範囲しか表示できない。
   最初の、感触を得る実験なので良しとする。

   設定は以下の通りとした。
   Wave= SINE, Amp: 2.8Vp-p( 1.4V/√2= 1.0Vrms)
   Start: 10Hz, Stop: 505Hz
   Tstep: 1000mS
   Time: 99000mS(※ 実際のスイープ時間=Time + Tstep= 100秒)


■ 2015.8.28
  ・簡単なチェックソフトを作成した。
   最初は、数字は入れないで、目盛だけにした。
   以下にその結果を示した。
   カットオフ≒ 338Hzの、CRパッシブLPFの、F特を表示してみた。


■ 2015.8.31
  ・Step2へ進むことにした。
   自作の、AD9834_DDS_AF_OSCの、ソフトとハードを、ちょっと改造して、これを、
   スイープ・ジェネレータとして使えるようにする。
   これに関しては、実験テーマ66に、追記しましたので、そちらを参照してください。
   回路図も、ソースも更新し、アップしました。


■ 2015.9.4
  ・表示レイアウトを決めた。
   本来、周波数表示は、下にもってくるのが普通だと思うが、そうすると、より低い
   レベルの表示ができなくなるので、上にもってきた。
   まあ実験レベルなので、そんなに神経質になることはないと思うが・・・
   このレイアウトでソフトを作成して取ったサンプルの一例を、下に示します。


■ 2015.9.10
  ・Step3へ進むことにした。
   AC-DC変換を、絶対値アンプでやって、レベル軸を電圧表示にしていたのを、ログアンプ(AD8307)
   にし、dB表示にする実験を行う。

   AD8307を使った最初の実験回路と結果を以下に示した。
   入力周波数を低くすると、OUTピンに目立ったリプルが発生することが分かった。
   これはそのピンのコンデンサ容量を増やすことによってイージーに解決した。


■ 2015.9.18
  ・最初、上回路のように、OUTピンをダイレクトに、PICの、AN0ピンへ接続していたが
   Vref= 3.00Vで使った場合、AD8307の、dB当たりの傾きは、25mV/dBで、
   液晶の表示分解能は、縦64dotなので、表示分解能としては、3.00V/64= 0.047≒ 50mV/dot
    となり、1dot当たり、2dBの変化しか表示出来ないことになる。
   これではあまりに粗すぎるので、OUTピンに、2倍のGAINの、非反転アンプを追加することにした。
   そうすれば、単純にdB当たりの傾きは、50mV/dBになり、1dot当たり、1dBの変化を表示出来る
   はずである。
   ただそのまま2倍に増幅しただけでは、アンプ出力の上の方が飽和してしまうので、直線領域
   で使えるように、オフセット調整トリマをアンプ側に追加することにした。
   その代わり、AD8307の、INTピンによるトリマ調整は不要になる。

   それと、入力インピーダンスが低いと、CRパッシブフィルタ等を被測定回路として接続した場合
   正しいレベルで測定出来ないことが分かったので、入力を、200kΩ程度のインピーダンス
   で受けるようにした。
   ついでに、ここで、1/10 ATTとし、AD8307入力抵抗R1,2の、5.1kは削除した。
   また、ATTの後には、ボルテージバッファを挿入し、低インピーダンスにして、AD8307入力との
   整合を取った。

   さらに、計測結果の低域(10Hz近辺)のレベルが若干低下していたのが気になったので、
   入力カップリングコンデンサの、C1,2= 10uを、100uに変更した。

   以下に、その結果の写真をアップしました。


■ 2015.9.21
  ・STEP_3までの実験データを踏まえ、使える形(バージョン:V1とした)にまとめてみる。
   本番では、次の点に改良を加えた。
    @ 入力インピーダンスを、200kから、1MΩにアップ
    A 実験では、簡易なオフセット調整回路にしていたが、あまり好ましい回路とは言えない。
       フィードバックループに直結してポテンショを入れているため、オフセットを変えると
       ゲインにまで影響してしまうからである。
           これを避けるため、ポテンショのセンターピンと、入力抵抗(上回路のR1)の間に
       ボルテージ・バッファアンプを追加した。(実際には、10月3日に追加した)
    B 実験では、ゲインを、約2倍固定にしていたが、ログアンプの傾きのバラツキと、
       ADCの基準電圧(AVCC)のバラツキを吸収するため、1.5倍〜 2.5倍まで可変でき
       るように、GAINポテンショを追加した。(実際には、10月3日に追加した)

  ・本番の回路図を水魚堂で作成した。


 ■ 2015.9.25〜 2015.9.30
  ・本番の製作は、9月30日に完了
   以下に、実装完了時の写真をアップしました。
   尚この時点では、ボルテージ・バッファと、GAINポテンショの追加は行っていませんでした。

  ・電源チェック〜 HEX書込みまで行う。
   まず、HEX書込み前に、液晶以外、全てのICを実装して電源チェックを行う。
   → +5V: 5.20V
      VCC: 3.29V
      AVCC: 3.23V
           -AVCC: -3.29V
   この状態で、HEX書込み行うが、PICkit2が、デバイスを認識しない。
   これは誤配線が原因であった。
   PICの、20pin(Vcap/Vdd core)には、10u程度のコンデンサを繋ぐが、DGNDに接続
   されていた。また、19pin(Vss)が浮いていた。
   さらに、PICkit2コネクタの、1ピンが、RESETラインから浮いていた。
   これら修正し、HEX書込みOKとなる。

   ここで、液晶を実装し、再度電源電圧確認。
   → +5V: 5.18V
      VCC: 3.29V
      AVCC: 2.95V
           -AVCC: -3.29V


 ■ 2015.10.3
  ・動作確認を行うが、どうも、dB軸の確度が悪い。
   -10dB以下のレベルが、明らかに少な目に表示される。
   結局この原因は、実験時、オフセット調整ポテンショの値=10kΩで上手く行ってたのを
   本番の回路を作成した時に、けちって手持ちの50kΩでやろうという頭があったせいで、
   50kΩに変更。これがアダとなった。
   前にも述べたが、実験時のオフセット回路はあまり好ましい回路とは言えない。
   フィードバックループに直結してポテンショを入れているため、オフセットを変えると
   ゲインにまで影響してしまうからである。
   それでも、ポテンショの値=10kΩの時には、丁度良い具合に、オフセットとゲインが合う
   ポイントにセットできていた。
   本番の回路としては好ましくないので、ポテンショのセンターピンと、OPアンプの入力抵抗
   の間にボルテージ・バッファアンプを追加した。
   これなら、50kΩでも問題ない。
   この改造で、dB軸の確度は良くなったが、-20dB以降が、1dot(1dB)以内に収まらない。

   そこで前にも述べた、2つ目の改造を行うことにした。
   GAIN調整用ポテンショを追加して、1.5倍〜 2.5倍まで可変できるようにした。
   ログアンプの傾きのバラツキと、ADCの基準電圧(Vref=AVCC)のバラツキを吸収する
   ためである。
   これで、-40dBは、1dot(1dB)少な目になるが、それ以外はピッタリ合わせることができた。

   この時の、条件(コンディション)を実測してみた。(Vofs=オフセット電圧/以下測定には自作AC電圧計を使用)
    @ Vref(AVCC)= 2.93V
    A Vofs= 1.84V(この時に、0dB(1Vrms)入力時、0dBラインに表示が合うように、GAINポテンショで調整)
    B      0dB(1Vrms)入力時の、ログアンプ出力(4pin)= 2.03V : 後段アンプ出力(IC2A-1pin)= 2.24V
       -10dB(0.316Vrms)入力時の、ログアンプ出力(4pin)= 1.79V : 後段アンプ出力(IC2A-1pin)= 1.77V
       -20dB(0.100Vrms)入力時の、ログアンプ出力(4pin)= 1.55V : 後段アンプ出力(IC2A-1pin)= 1.30V
       -30dB(0.0316Vrms)入力時の、ログアンプ出力(4pin)=1.31V : 後段アンプ出力(IC2A-1pin)=  0.84V
       -40dB(0.010Vrms)入力時の、ログアンプ出力(4pin)= 1.08V : 後段アンプ出力(IC2A-1pin)= 0.41V


 ■ 2015.10.4
  ・今日は、いくつかの測定例のサンプル取りを行った。
   このページトップの写真を参照してください。

   これで最初のバージョンが何とか形になりました。
   簡易版なので、測定中の中断→ 再測定は、ハードRESET SWを押すことで対応してます。  


<最終回路図>
 ・こちらから、どうぞ→ 「簡易自動周波数特性測定装置_V1」

<最終ソース>
 ・こちらから、どうぞ→ 「easy_fra_test3.c」

  ※ 実験段階(Step_3)の時、作成したソースですが、本番(V1)でも、そのまま使えるように
     ハードを組みました。
     なので特に、ソース名(プロジェクト名)は変えていません。


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