● 実験テーマ49

「自作オシロ_V5の実験」
(64pinの、PIC24HJ64GP206と、背の高い軸付BCD SW(JA1WBYさんのHPで知りました)を使って、2現象オシロの実験を行いました)

■ 2014.3.21
  ・自作オシロネタも、これでV5まできました。
   2現象オシロとしては、2号機(JA1WBYさんの基板を使用したオシロは含まず)になります。
  ・今日は、これからの作業計画案を検討しようと思います。
   <作業案等>
    @ 以前作った、自作オシロ_V2(PIC24HJ64GP206使用)を、2現象にグレードアップ
       する形で進める。
    A 液晶に、測定条件(AC/DC・時間軸レンジ・電圧レンジ・トリガスロープ)を、2CH分
       表示させる。
    B トリガCHは、1CHオンリーとするが、立上り/立下りを選べるようにする。
    C 上記に伴い、AC/DC, TRIGスロープの、キャラクタを、font.hに追加する。
       これは、2現象表示した場合の視覚性を考慮し、測定条件表示を、最下位行へ
       集中させる考えなので、文字で表示すると、表示スペースの制限を受け全て表示
       不可能なための対策です。
    D シングルトリガとホールド機能も盛り込む。
    E トリガレベルを与える方式は、デジタル式でなくアナログのままにする。
    F AF帯(1Hz〜20kHz)が観測できれば良しとする。
    G 入力インピーダンスは、1MΩとする。
       入力の配線は極力最短になるように部品配置を考慮する。
    H アナログ回路は、自作オシロ_V4と同等にする。

  ・とりあえず、1STステップとして、キャラクタ等の液晶画面レイアウトを確認するために
  2現象オシロ_1号機のハードを使って、液晶表示のみのデモプログラムを作成することに
  しました。  


■ 2014.3.22
  ・まず、font.hの空エリアに、追加キャラクタのコードを追加します。
   追加に際しては、以前から使っている簡単にEXCELで作成したツールを使いました。
   以下に追加したキャラクタを示します。

  ・以下に最初の表示デモ結果を示します。


■ 2014.3.26
  ・水魚堂CADでの回路図作成終了
  ・ソフトで一番懸念している、DMAでの、2現象記述を検討する。
    <確認事項>
   @ 28pin PIC24FJ12GP202の時の、4CH同時サンプル設定と同じでよいか?
   → 同じでよさそう
   A 28pin PIC24Hでは、ADC1Interruptで記述していたが、64pin PIC24Hでは、DMAで
      記述することになる。
      記述そのものを変える必要がある。


■ 2014.3.29
  ・消費税が上がる前に、RSコンポーネント分の部品を先行手配した。
   BCD_SW:FR01-AR10PB-ST等

  ・DMAで2現象を実現するDMA割込みルーチンの記述が今一、マニュアルだけでは理解
   できない。
   自分なりの考えもあるので、現自作オシロ_V2のハードに、プログラムをロードして実際
   動かしながら、DMAバッファの内容を確認してみようと思う。
   現ハードは、AN1ピンはオープンにしてあるので、そこに何らかの方法で信号入力してやれば
   2現象の動作確認ができるはず。
  ・ソフトの大元は、「Scope_V2」を利用
   一応ソフト変更済、コンパイルもOK
      動かしてみたが、DMA割込みにジャンプしてこない?


■ 2014.3.30
  ・ADC及び、DMAの設定を、いろいろ変えてみたが、相変わらずDMA割込みにジャンプしてこない?


■ 2014.4.1
  ・どうしても、DMA割込みにジャンプしてこない?
   DMAによる4CH同時サンプルが上手く行かない。
   DMAを使わなくても、複数のADCBUFを備える、多ピンのPIC32MXに乗り換えようかなとかも
   思ったりした。
   ところが、PIC32MXでは、同時サンプル設定できないことが判明!!
   PIC32MXの、AD1CON1レジスタの、bit3(64pinPIC24Hでは、同時サンプル選択ビットであった)
   には機能付がなく同時サンプル設定には出来ないのである。
   しょうがないので、乗り換えは断念し、最初の64pinPIC24Hで進めることにした。


■ 2014.4.2
  ・いろいろ調べているのだが上手く行かない。
   そもそも、4CH同時サンプルで、DMA割込み関数を使っている例が、マニュアルにも、WEB上
   にも見当たらない。
   ちょっと行き詰まりぎみ。

  ※ まだ気になる点が無いわけではない。
     DMA記述は、PIC24Hのマニュアルのコード例を参考に記述したが、どういう訳か、
     マニュアルのそれは、DMAコントローラ・ブロックに用意されている7個のDMAチャンネル
     の内、DMA5を使っていて、私もそれに従って記述した。
     まあ、単チャンネルでのDMA割込みはそれでも動いていたのだが、同時サンプルでは
     上手くいかない。
     そこで、DMAチャンネルを、DMA5から、DMA0に変更したら何と動き出したではないか!!


■ 2014.4.3
  ・実験用のソフトが、基本動いたので、本番ハードの準備を始めることにした。
   まずは、パーツ手配から行うつもり。


■ 2014.4.4
  ・秋月・マルツ分のパーツ手配の前に、気になっていた画面レイアウトを、ちょっと
   変更することにした。
  <変更案>
   @ 全て、最下位行に測定条件の情報を表示する。
   A それに伴い、液晶への「HOLD」表示はやめ、HOLDは黄LEDに置換える。
      また、「TRIG」の最上位行の表示もやめ、追加したTRGキャラクタを
      最下位行に表示させることにする。

  ・秋月・マルツ分のパーツを手配した。


■ 2014.4.5
  ・マルツに、PIC24HJ64GP206を、ダイセン電子の変換基板:QFP64に実装する
   実装依頼を済ませる。

  ・本番ソフトの検討開始
  → たぶん、単CHの時(自作オシロ_V2)のソフト(Scope_V2_Soft_Ver1.02プロジェクト)
     基本そのままで、ポート設定等変えるだけで、2現象も動くはず。
  → とりあえず部品が揃うまでは、Scope_V2のハードで上記の確認をしてみる。
     プロジェクト名は、「Scope_V5_TEST2」とした。
  → ソースを見ると、Oscillo_single_trigger()
     のみ、1CH波形表示から、2CH波形表示に修正すればよさそう。

  ・実験用ソースをまとめ、コンパイル〜動作確認まで大方OKだった。


■ 2014.4.7
  ・本番ソフトは、ポート割付、内部プルアップ設定など変えなくてはいけないので
   今日はこの辺の作業を行った。
  ・今現在は、電圧レンジ切替用BCD_SWのリードと、それに連動する、ATT切替用の
   アナログSW_IC(4051)への、BCDコード出力は、Scope_V2の時と同じに、MPUの
   ポートで個別に行うことにしている。
   この考えでポート割付をしようとすると、MPUからのBCDコード出力の、出力ポートは
   O.D(オープン・ドレイン)設定(+5V出力にするため)にする必要がある。
   全ポートがO.D設定可能なわけではないので、その制限下でポート割付をしようと
   すると、なかなか上手いポート割付ができない。


.■ 2014.4.8
  ・よくよく考えてみれば、別にアナログSW_IC(4051)への、BCDコード出力を、
   MPUのポートでコントロールする必要はないと思われる。
   そもそもこれにしたのは、電圧レンジを、BCD SWでなく、UP, DOWN SWで行って
   いる例を見て、そのなごりでこうしているだけだ。
   (引いて言えば、ソフト上で入れ替えが出来る程度だが今回はその必要はない)
   例えば、MPUのデジタル専用ピンの、5Vトレラント仕様を利用すれば、
   電圧レンジ切替用、BCD SWのMPUへの取込みは、3本(BCD3bit)のみでよいこと
   になる。
   アナログSWへの、BCDコード出力は、MPUの出力ポートでなく、BCD SWダイレクト
   (プルダウンは必要だが)でよいのである。
   またこうすることによって、ソフト上での出力デコードのプログラムが不要になる。
   さらに、MPUのO.D設定も必要なくなる。
   この方法でやってみることにした。

   ここまでの回路図修正を済ませ、この日(140408)を、初期図面作成日とした。

  ・本番の画面キャラクタレイアウトは、最もキャラクタ数が多くなる測定条件の
   ケースを配慮し、以下の通りにした。

 


.■ 2014.4.9
  ・本番ソースまとまる。
  ・次に、ユニバーサル基板サイズと部品配置の検討を行った。


■ 2014.4.11〜 2014.4.19
  ・基板加工〜 配線まで済ませる。
   配線量が多いので、1Wほど掛ってしまいました。


■ 2014.4.20
  ・配線完了後(素子未実装状態)の、チェックを行った。
   @ ショート・チェック
     VCC-GND, AVCC-GND, -AVCC-GND, +5V-GND, -5V-GNDの各間、ショートしてないことを確認。
   A 無負荷時電源電圧チェック(LTC1144とGLCD実装してバックライトON、IC未実装)
     VCC=+3.28V, AVCC=+3.24V, -AVCC=-3.24V
     +5V=+5.02V, -5V=-5.21V
     (全ての、ICピン等、供給点で、電源電圧確認を行った。)

  ・ここで、PIC(QFP64)を、ピンコネクタにハンダ付した。
   その他のICも全て実装
   まずは、バックライトOFFにて各電源電圧をチェック
   VCC=+3.28V, AVCC=+3.17V, -AVCC=-2.99V
   +5V=+5.10V, -5V=-5.21V

   バックライトONでも確認→ バックライトは大飯くらい(約300mA流している)なので+5Vが結構低下している。
   VCC=+3.28V, AVCC=+3.17V, -AVCC=-2.99V
   +5V=+4.82V, -5V=-5.21V

   ちょっと、-AVCCが、-3Vギリギリなのが気になるが・・・・
   もちろんLTC1144出力を無負荷にした場合は、-3.28Vで安定している。
   また、1CHと2CHのバッファアンプのみ実装の場合は、-3.04Vで安定している。
   ファイナルOPアンプ(単電源:AVCCのみ供給)を実装すると、-2.99Vまで下がり暫くは安定しなく
   徐々に低下していくように見える。まあテスターでの話だが・・・

   まだ、PICにHEXを書込んでなく、ポート設定が不定なこともあるのかなと思い、ここでHEXを書込む
   ことにした。
   ところがPICkit2がチップを認識せず。
   これは配線ミスだった。
   RESET入りっぱなし。
   RESET SWの向きが違っていた。
   狭いピン間ピッチの方が、接点側なのに広い方にして置いてしまった。
   これを直して、HEX書込みOKとなった。

   これでも-AVCCが低めで不安定なのは同じだった。
   この問題を置いといても、動作がおかしい。
   AUTOモードであれば、P_ON後、最初の座標画面が表示され、測定条件が下段に表示
   されるはずが、AC/DCキャラクタ・時間軸レンジが表示されない。
   これは、内部プルアップ(CNPU1)の設定が、CN割込みを使用するSWのみのプルアップ
   設定になっていたためで、それ以外のレベルセンスSWのプルアップ設定も追加した。
   これで測定条件は正しく表示されるようになった。

   その他、入力ZEROにて、ZEROポテンショを回しても、輝線(アナログ的な言い回しだが・・)
   が動かない。

  ・ここで、-AVCCを、自作オシロ_V4で観測してみた。
   不安定なわけだ、約0.2Vp-pのリップルが発生している。


■ 2014.4.21
  ・昨日の件、いろいろ試行してみることにした。
   @ バッファアンプの負電源(-AVCC)を、-3.3Vから取るのをやめ、ツェナーの-5Vから取ってみる。
   → これはダメ。電圧が下がる。(-5Vが、-3V位まで低下)
   A -AVCC今のままの供給で、LTC1144の出力コンデンサを、10uから100uに交換してみる。
   → リップルは低下するが、電圧が、-2.8Vまで落ちるので却下。
  

  ・上記の通りダメなので、バッファアンプの負電源(-AVCC)は、-3.3Vでなく-5Vから取る修正
   が必要になる。
   (リップル除去しきれない場合でも、3V領域まで、2Vのマージンがあるので有利)
   ただ、正電源は、AVCC(+3.3V)のままでも問題ない。
   (レギュレーションされている電源なので下がらない。)

  ・-5Vから取る修正を行う。
   この時点では、ツェナーによる-5V電源はやめて、LTC1144の入力を、+3.3Vから+5Vに変更
   し、その出力の-5Vを、2つのバッファアンプ+アナログSW_IC(4051)の負電源に供給する
   ように改造を進めた。


■ 2014.4.22
  ・昨日の結果、-5Vは、-4.56Vまで低下し、リプルは約30mVp-p
   負電圧発生ICの、LTC1144は、スイッチド・キャパシタ方式の電源なので、そもそも
   数10mA程度の小容量負荷にしか使えない。
   ちょっとLTC1144に対して負荷が重いようである。
   まあ、今回2CHあるアナログアンプのブロックを、出来るだけ干渉なしに、素直な流れの
   配線にしようという考えで進めてきたせいで、バッファアンプで使っているOPアンプ:LMC6482の、
       1パッケージ2個入りのアンプの内、1個のアンプはスペア(未使用)とした。
   LMC6482 1個使いでも2CH分のバッファアンプとすることは出来るのだが、
   それを承知で、1個はスペアとしたため、負荷が1個増えていることも要因の一つかもしれないが
   今回は、最初からの考えは変えないでこのまま行くことにした。

   LTC1144の負荷として重そうなので、この供給法は却下し、
   せっかく、GLCDのコントラスト電源:-6Vを利用してツェナーで作っている-5Vもあるので、
   この電源をアナログSW_IC(4051)の負電源として使い、バッファアンプの負電源のみ
   LTC1144出力から取ることにし改造を行うことにした。
   つまり、-5V負荷の分散をさせたわけだ。(-5V-1, -5V-2)

   一方、アナログ・アンプの動きもおかしい(ZEROポテンショが効かない・アナログSWの動きがあやしい等)
   ので、誤配線の可能性もある。
   正しくアナログ・アンプの動作が確認できてから、負電源改造を行い、評価をしてみたいと考えた。
   今回は、アナログアンプ単体のチェックを省いてしまったのが、アダとなっている感がある。

   まず、4051の動きがあやしいので、
   4051入力ピン間のATT抵抗値をテスターのΩレンジで確認してみた。
   → この静的チェック(ATT部分の抵抗の配線)は問題なかった。

   ここで、ちょっとはやいが、予定していた負電源の負荷分担の改造を行った。
   改造後、負電圧は上がったが、まだ動作がおかしい。
   バッファアンプを抜くと、50mV/Dレンジでは、4051出力にスルーレベルが出るようになった。
   バッファアンプを実装すると出なくなる。
   もう配線しかないと思い、4051出力3pin→バッファアンプ入力3pin付近の配線を確認したところ
   配線ミス発見!!(おばかさん・・・)

   ミスの内容は、次の通り
    @ 4051出力3pinが、バッファアンプ出力1pin(と−入力の2pin)につながっていた。
    A そして、つながるべきバッファアンプの+入力3pinはオープンになっていた。

   このミス配線を直したら、波形を表示できるようになったが、まだおかしい。
   波形に細かいノイズが重畳しているし、ZEROポテンショがクリチカル過ぎる。

   <調査>
    @ 電源電圧とリップル確認
      4051-VDD:5.03V
      4051-VEE:-5.12V(リップル:5mVp-p以下)
      バッファアンプ+AVCC:3.02V
      バッファアンプーAVCC:4.79V(リップル:20mVp-p)

      ここまでの結果を写真にまとめました。

   A ZEROポテンショがクリチカルすぎるのは、後段アンプのゲインが配線ミス等によって異常に
      高くなっていることも考えられるので、アンプ部各ステージのレベルを確認してみた。

     オシロ入力に、3Vp-pサイン波を入力し、2.5V/D, ACモードにセット
     まず、初段のバッファ出力は、0.06Vp-pでOK(ATT比:x0.02)
     2ndアンプ出力は、1.5Vのオフセットを中心に、0.06Vp-pのサイン波が出力されているので
     この段もOK
     ところが、終段アンプ出力は、オフセットの1.5Vは出力されているが、波形が、3Vp-pにならず
     飽和している。(但し、2CHアナログ部はOKだった。1CHのみNG)

     ※ ここで配線をチェックした。
        やはり誤配線が原因だった。(今回、2個目の誤配線発見)
        2ndアンプの出力:1pinと、終段反転アンプの入力:6pinを、テスターで確認すると、
                 1kΩのはずが、0Ωになっていた。
        これでは、ゲインが∞になり、飽和するのも当然である。
        これは抵抗不良でなく配線ミスによるものである。
        入力抵抗:1kΩは、アンプの−ピン(6pin)につながるべきが、フィードバック抵抗に
        つながっていた。(2ndアンプ出力:1pinと終段アンプ入力:6pinが直接つながっていた。)
        配線ミスを詳細に説明するのは気が引けるが、そこは「顛末記」、ありのままを書いてみた。

     これを直し、やっと基本動作はOKになる。
     ところが、ノイズ多し。気になるレベルである。

     今一度、電源コンディションを確認した。
     +5V: 5.04V
     -5V-1(バッファアンプ用): -4.81V(リップル:20mVp-p)
     -5V-2(4051用): -5.21V(リップル:5mVp-p以下)
     AVCC: 3.01V
     VCC: 3.28V

     リップルノイズの表示への影響は殆どなくなった。
     バックライトノイズ(まあ陰極管でなくLEDなのでインバータノイズの影響はないのだが?・・)
     なのか、バックライトをOFFにするとノイズは極めて少なくなる。
     また、ACアダプタの、5V出力に余裕のあるものを使うと、バックライトONでも、ノイズは極めて
     少なくなる。


■ 2014.4.23
  ・昨日の結果を写真で、まとめてみました。
   (ACアダプタの違いによる、+5Vラインのノイズも確認してみました。)

   参考までに、使用しているACアダプタの仕様は次の通りです。
    @ 容量の大きい方
      Linkman: 「STD-05040U」
      スペック: DC5V 4A出力
             リップル:100mVp-p(max)
      その他; 秋月のHPには、安定化出力のスイッチングACアダプタと書いてありました。
    A 容量の小さい方
      Go Forward Enterprise Corp.: 「NP12-1S0523」
      スペック: DC5V 2.3A出力
             リップル:150mVp-p(max)
      その他; 秋月のHPには、スイッチングACアダプタと書いてありました。

  ・ACアダプタの違いによる、+5Vラインのノイズレベルの差は顕著ではないが、
   容量の少ないACアダプタの方が、若干ではあるが、ノイズレベルは高い。
   またノイズの周波数も高く見える。
   この辺の差と、AD入力に乗ってくる輻射ノイズ又は、電源グランドノイズの影響が表示に現れるものと思われる。

   通常は容量の大きいACアダプタ(5V4A)を使用し、容量の小さいACアダプタ(5V2.3A)
   で使う時は、バックライトOFFにして使うことにした。
   (この時点ではこのように考えたが、
        先々気になり後日:140503、5V入力に、π型LCフィルタを追加する実験を行いました。)


   容量の大きいACアダプタ(5V4A)を使用した場合の
   電源コンディション(バックライトON時)を確認した。
   
+5V: 5.18V(リップル:5mVp-p以下)
   -5V-1(バッファアンプ用): -4.95V(リップル:20mVp-p)
   -5V-2(4051用): -5.21V(リップル:5mVp-p以下)
   AVCC: 3.01V
   VCC:  3.28V

   これで、大方OKなので残る、GAINトリマの正式アジャスト(いつもの電池式DC電圧源治具にて2.5Vを
   入力してアジャスト)と、SINGLE MODEチェック(波形取り)を行った。
   SINGLE MODEの波形取りサンプルとしては、自作オシロ_V2の、LTC1144の入出力特性を
   測定した。
   見出しの写真(140428付)を参照してください。


■ 2014.4.24〜 2014.4.25
  ・2tのアクリル板を使い、前後パネルの加工を行った。
   今回も、後パネルには、タカチの、T型チルトスタンド「TI-70S」を取付けました。

   部品の高さの都合で、液晶の出っ張り部は、前アクリル板に開口部を設けて
   外へ露出する形を取りました。


■ 2014.4.26〜 2014.4.28
  ・前後アクリル板の加工が済み、基板を前後パネルでスタッド越しにサンドイッチしてケーシングも無事完了。

   前回のHP更新から、1ヶ月以上経ってしまったのでとりあえず、今回のテーマの、
   見出し部用の、外観写真と、サンプル波形をアップすることにした。

   まだやるべきことは残っている。
   今までのドキュメント整理もそうだが、やはり、ACアダプターによってノイズの受け方が異なることが
   気になってしょうがない。


■ 2014.5.3
  ・HP更新に向けて、記事を編集中だが、やはりノイズ対策をもう少しやってみたい気があり。

   5Vラインのノイズ(ACアダプタの、スイッチング・ノイズと思われる)を、π型LCフィルタで減衰させる
   ことが出来るのか?

   まあ、手持ちの部品で、その辺の実験を行おうと思っているので、部品定数は限られてしまうが・・・
   インダクタは、47uHで容量は不明(大きさから想像するとたぶん、1A以上)なのが手持ちにあるので
   これを使ってみることにした。

   より減衰させるには、1段より2段の方がよいに決まっているが、実際基板に実装する場合、P_ON SW
          付近にスペースが殆ど無いため、1段のπ型フィルタとした。
   定数は、1次側:100u+0.1u/ L=47u/ 2次側:33u+0.1uとした。

   実験は、基板の外で測定できるように、まずは、チューブラ配線のバラックにて行った。

   以下に実験の様子と結果を示した。

  ・結果的には、π型LCフィルタを挿入することにより、2.3Aアダプタでも、ZERO入力時の、ZERO輝線表示
   は、OKになった。(表示上、時々1dot変化するのは良しとした。)
   やはり、この改造前の実験でも確認した通り、ノイズ周波数が低い方が、ノイズの表示への影響が
   少なくなるようである。
   今回のLCフィルタ追加実験でも、それが明らかになった。
   2.3Aアダプタは、4Aアダプタと比較すると、その出力ノイズの周波数が高いのである。
   それを、LCフィルタに通すと、レベルは殆ど同じだが、ノイズ周波数は低くなる。

   その辺のところを、もうちょっと理論的に考察してみた。

   表示上の電圧分解能を計算してみた。(あくまでも自分の考えです)
   64dotある液晶画面の電圧軸の分解能からしても、表示上は、1目盛:3V/4= 0.75V と考えられるので、
   ノイズで表示上、1dot動いた場合、電圧変化では、0.75V/(64/4)= 0.047Vに相当することになる。
   つまり、47mV変化しないと、表示上、1dot動かない計算になる。

   問題になっている、5V2.3Aアダプタでも、帯域不足で自作及び中華オシロでも見えないスパイクノイズの
   レベルを除いた、リップル・ノイズレベル自体は、10mVp-p以下なので、表示上、1dot動く電圧変化と
       比べて十分小さい。

       ならば、何故動くのか?
       高速オシロを持合せてないので、確認できなかったが、たぶんスイッチング・ACアダプタ特有の
       スイッチング・ノイズ(リップルノイズに重畳するスパイクノイズ(いわゆる髭ノイズ))
       のピーク・レベルが、47mVを超え、それをたまたまADCがサンプリングした時、1dot動いてしまうのではと考える。

       先ほども述べたが、リップルノイズレベルは十分小さいのだが、その周波数が問題になっているように見える。
       LCフィルタを追加する前でも、ZERO入力時の輝線が1dot以上変動する、2.3Aアダプタ使用時と変動しない、
       4Aアダプタ使用時を比較すると、変動しないアダプタのリップルノイズ周波数の方が低く、
       他方のアダプタ(2.3A)の方は高い。

       たぶん、周波数が高い方が、ノイズがサンプルされる確率が高いからだと思われる。
       ACアダプタ入力に、LCフィルタを追加すると、そのローパス(ハイカット)効果から、高い周波数成分(スパイクノイズ)
       はある程度除去され、通過域の低い周波数のみ通過されるので、たとえスパイクノイズが乗っていたとしても、
       そのレベルは小さくなっていてさらに、アダプターに関係なく、LCフィルタ通過後の、リップル周波数は下がるので
       ノイズがサンプルされる確率が下がると考えられる。
       現に、取得した波形でLCフィルタ通過後、リップル周波数が下がることは確認済である。

  ・実験が上手く行ったので、この部品のまま、ユニバーサル基板上に追加実装することにした。
   P_ON SW周辺に、殆どスペースが無かったので、改造は大変だった。
   以下に、改造の様子と、改造後の電源コンディションの再測定・波形表示・ノイズ波形等
   示します。

  ・これでなんとか、ノイズ対策をFIXすることが出来たので、最後に回路図を整備してアップ
   しようと思う。


<最終回路図>
 ・こちらから、どうぞ→ 「自作オシロ_V5(1/2)」 (デジタル部)
                    
「自作オシロ_V5(2/2)」 (アナログ部)

<最終ソース及び、ヘッダファイル>
 ・こちらから、どうぞ→ Scope_V5.c
                 glcd_lib1_pic24hj64.c
                 glcd_lib_pic24hj64.h
                 font.h


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