● 実験テーマ34
「PIC32MX_自作オシロ_V3:第1章」
※ 131125
一部修正更新
■ 2013.6.18
・去年初頭に実験していた、PIC24Hによる自作オシロ_V2(実験テーマ13〜15を参照のこと)
を、PIC32MX+QVGA+タッチパネルによる、自作オシロ_V3として、グレードアップして
みようと思う。
・EAGLEによる基板化も考えたいのだが、フリーで出来る基板サイズを超えてしまうので
今回は断念し、ユニバーサル基板にて製作することにした。
・前の、オシロ_V2は、全て、ハードSWで構成している関係で、縦方向の長さが、かなり
長くなってしまって、やや使いにくかったが、今回それらをタッチ化することによって
3cmほど短くてすみそうである。
・まずは、水魚堂で回路図作成から入る。
アナログ部のハードは、以前のバージョンのまま使用するつもり。
今回は、初めて、アナログ部とデジタル部の、2枚構成で書いてみる。
■ 2013.6.26
・今日は、「自作オシロ_V3」の、仕様案を、簡単ですが、PDFにまとめてみました。
基本的に、V2の仕様に準拠しました。
この時点では、SINGLEトリガ機能も考えていましたが、とりあえず、この機能のソフトは
次の章でバージョン・アップという形にしました。(V2の時と同じ)
なので、以下には、「自作オシロ_V3 仕様案 130628」と、
「自作オシロ_V3 仕様 130714」(こちらが、最終仕様となります。)
の、PDFリンクを貼っておきました。
※ 自作オシロ_V3の、仕様案と、仕様はこちらからどうぞ。
→ 「自作オシロ_V3
仕様案 130628」
「自作オシロ_V3
仕様 130714」
■ 2013.6.27
・ほぼ仕様が出来たので、最初にハードを作り上げようと思う。
物が無いと、何も先に進めないので・・・
・ユニバーサル基板への部品配置案検討
今回、液晶の下に、PIC32MXを置いてみようと思う。
これで、さらに小型化できる。
但し、ソケット実装にすると、高さ制限ギリギリなので、直付にする。
幸い、液晶のコネクタが、横端に実装されているので、配線の流れはスムースになる。
■ 2013.6.28
・部品リストを作成し、部品を手配した。
・今回も、64pinQFP(0.5mmピッチ)の実装は、マルツに依頼した。
・回路図で、ダメなところに気が付く。
モノクロ液晶の時は、モノクロ液晶から出力されている、輝度調整の元になる電圧:VOUT=-6Vを
利用して、ツェナーダイオードで、アナログSWの-5V電源を作っていたが、今回のQVGA液晶には
この負電圧が無い!!
回路を変更しないといけない。
+5V入力→ -5V出力の、DC/DCコンバータがあればよいのだが・・・
現状、+3.3V→ -3.3V変換で使用している、リニア・テクノロジー社の、LTC1144CN8が、+5V入力
でも使えることが判ったので、これで-5Vを得ることにした。
ちなみに、LTC1144CN8は、+15V→ -15Vまで使える。(入力の規格は、2〜18V)
■ 2013.7.1
・パーツが届くまで、ソフトの方を進めることにした。
大きな変更は、電圧レンジ切替追加だが、これは、前回の、オシロ_V2と同じ仕様にするので
そのまま、PIC32MXに移植するだけである。
・ポート割付の変更など検討し、第1段のソースを、とりあえず書き終えた。
■ 2013.7.2
・コンパイルまで、OKとなる。
・ここで、パーツが届いたので、基板製作を開始した。
■ 2013.7.8〜 2013.7.12
・アナログ部の部品点数が多く、部品配置を考えながらの実装となったので、ユニバーサル基板
製作完了まで、5日ほどかかってしまった。
・ユニバーサル基板製作完了後のチェックを行う。
@ ショート・チェック
+3.3V-GND, AVCC-GND, -AVCC-GND, +5V-GND, -5V-GNDの各間、ショートしてないことを確認。
A 無負荷時電源電圧チェック(QVGA未実装、IC未実装)
+3.3V=+3.32V, AVCC=+3.22V, -AVCC=-3.21V
+5V=+5.10V, -5V=-5.09V
(全ての、ICピン等、供給点で、電源電圧確認を行った。)
■ 2013.7.13
・アナログアンプ系のチェックを行った。(未だ、PICは実装しない。)
アンプ部のICを実装して、アナログアンプ系の単体動作チェックを行う。
※ PIC未実装の状態では、全てのアナログSWの制御ピン(A, B)が共に、"Hi"になっているので、アナログ・コンディションは
ACモード/ATT=1/100/2ndアンプGAIN=10倍(トータルGAIN=100倍)
→ 入力3Vp-pで、3rdアンプ出力(AN0入力)が、3Vp-pになるはずである。
・まず、アナログ部のIC(アナログSW+OPアンプ)のみ実装して、電源電圧を確認
IC1: AVCC=3.06V, -AVCC=-3.17V
IC2: AVCC=3.06V
アナログSW: +5V=+5.10V, -5V=-5.09V
デジタル系: +3.3V= +3.31V
・自作FGから、3Vp-pのサイン波を入力しオシロ入力 対 IC1-7pin(AN0入力)を観測してみた。
出力に、3Vp-pのサイン波が出力されているのを確認した。また、OFFSETポテンショも効いている。
・アナログ系の正常動作を確認したので、ここでPICをハンダ実装した。
念のため、実装後の電源電圧を確認
+3.3V=+3.30V, AVCC=+3.05V, -AVCC=-3.17V
+5V=+5.10V, -5V=-5.09V
・いよいよ、本チャンのHEXを焼く!!→ HEX書込みは問題なくOK
・お膳立ては出来たので、QVGA液晶を実装し、動作確認に入った。
→ まずダメ??
50mS毎の、タイマー割込みは、入っている。(デバッグLEDにて確認)
ただ、液晶表示が、真っ白(バックライトが点灯しているだけのよう・・・)
<調査>
@ まず配線を疑う。表示バス・制御線は、OK確認
A QVGA_TESTだけのプログラムでやっても同症状
B まさかと思うが、MPUの上に、液晶ユニットがあると影響するのかと思い、既に動いているトレーニング
基板で、同じような位置関係にしてやってみたがOKであった。
※ やはり、配線があやしい。
一対一の導通は確認したが、ピン間のショートは確認してないので、表示データバスの各ビット間の
ショートチェックを、テスターで行ってみたところ、PIC-63pin(DB11)と、PIC-64pin(DB12)間が
ショートしていることが判明!!
→ どこでショートしているか追及したところ、PICのQFP64パッケージから出ている、63pinと、64pinの
足の先の間に、極細のワイヤゴミが、いつのまにか乗ってたようで、それを吹き飛ばしたら、ショート
が無くなり、表示するようになった。
やれやれ・・・
■ 2013.7.14
・昨日のチェックで、以下は大方OKを確認
@ QVGA液晶表示OK(座標、波形等)
A タッチボタン検知も大方OK
B ACモードで、電圧軸レンジ切替も大方うまく行っている。
波形レベルも、レンジ切替に伴い変化している。
C AC/DC切替の読取もうまく行っている。
・今日は、DCモードでの動作確認をやってみる。
その前に、波形測定中の電源コンディション(電源電圧)を確認した。
+3.3V=+3.29V, AVCC=+2.96V, -AVCC=-3.15V
+5V=+5.07V, -5V=-5.06V
・前回やった、オシロ_V2(PIC24H版)の時のDCモードでの調整手順メモを参照して、オフセット調整
を行った。簡単にまとめると、以下の通りです。
<DCモードの調整手順>
@ 1ST_OPアンプ(IC2)のオフセット調ポテンショ:VR3を回し、オフセット電圧を、0.17Vにセット。
A ここで、ZEROポテンショ(2ND_OPアンプ:IC1のオフセット用)を回し、波形を中央に移動する。
この時、2ND_OPアンプのオフセット電圧は、0.386V位になる。
(入力をショートして、0V入力とし、ZEROポテンショで0点を、下から一目盛目に合わせると
この電圧配分になる。)
→ この調整で、DCモードも、うまく行く。
あと細かい電圧レンジ毎の、レベル合わせ(GAINポテンショの調整)が残っているが、とりあえず
ここでは、前作の、オシロ_V2のポテンショ位置に合わせるだけの租調状態にしました。
ただ、先ほども言ったように、波形レベルが、レンジ切替に伴い変化しているので大方OKとした。
※ 以下に、AC/DC各モードでの波形サンプルを示します。
<最終回路図>
・こちらから、どうぞ→ 「Scope_V3回路図 1/2(デジタル部)」
「Scope_V3回路図 2/2(アナログ部)」
・131125
修正更新→ 「Scope_V3回路図 2/2(アナログ部)」の一部を修正し、置換えました。
その背景・理由については、実験テーマ36の、冒頭(2013.7.30)の朱書きコメント
を、参照してください。
<最終ソース>
・こちらから、どうぞ→ Scope_V3.c
※ 尚、この他に、QVGAグラフィックライブラリ(colorlcd_libdsPICVH.c,
colorlcd_libdsPICVH.h, ASCII12dot.h)
と、タッチパネルライブラリ(Touch_XT2046_Lib.c,
Touch_XT2046_Lib.h)が必要ですが、
それらは、実験テーマ31、33に公開済なので、そちらを参照してください。
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