ごあいさつ最新情報!練習のご案内お問い合わせ TOPにもどる 

南部神楽愛好団体 
神楽乃朋友
 
 神楽乃朋友が取り組んでいる演目をご紹介いたします。
一年間に一つの演目を仕上げるペースで、じっくり丁寧に習得しています。
もくじ(習得順)
岩戸入(いわといり)
五條の橋(ごじょうのはし)
くずし舞(くずしまい)
三番叟(さんばそう)
羽衣(はごろも)
田村三代(たむらさんだい)
宝剣納(ほうけんおさめ)
岩戸入(いわといり)
 日本神話の一場面を表す演目です。
 高天原での素戔嗚尊による悪行に耐え兼ねた天照大神は、天岩戸に隠れることとし、猿田彦命の案内で、月読尊たちと向かう場面を描いています。
 神楽乃朋友で初めて取り組んだ大室南部神楽の演目です。この演目には基本的な所作が一通り含まれており、現地では子供たちが最初に習得しています。私たちも、基本をしっかり学ぶためために、この演目から始めました。
五條の橋(ごじょうのはし)
 日本史における伝説を題材にした演目のひとつで、とても人気があるものです。
 京都の五條の橋で、牛若丸と弁慶が出会うきっかけとなった有名な伝説です。五條の橋を渡ることを断られ、互いに力比べをすることになり、激しい戦いとなります。
 神楽でも実際に戦いの場面があるほか、牛若丸が橋に到着し笛を吹き楽しむ場面、弁慶を従え共に都に向かう場面と、次々に展開する場面を楽しむことができます。
 特に戦いの場面は最大の見どころとなります。
 弁慶の振り下ろす薙刀を軽々とかわす牛若丸、悔しがる弁慶・・手に汗握る展開が続きます。
 神楽乃朋友では、「岩戸入」に続きこの演目に取り組みました。決して簡単な演目ではありませんが、私たちがこの神楽に取り組むきっかけがこの演目に魅了されたことにあることから、大きな目標としていました。2018年11月、高麗神社で初披露いたしました。
くずし舞
 劇神楽の後に面を外して舞うものです。面をつけているときは役柄を演じますが、外したあとは一人の人間に戻って舞うことになります。基本の舞とされています。劇神楽とは別に、この舞だけで披露されることもあります。
 テンポが非常に速く、踏み、跳ね、旋回を繰り返す激しい舞です。
 基本の所作が多く含まれているとされています。
 神楽乃朋友では2019年(令和元年)に初めて披露しました。初披露は宮城県利府町の民家での奉納神楽でした。
三番叟(さんばそう)
 天下泰平を祈る翁舞に対し、こちらは五穀豊穣や日常生活の平穏を願う舞です。
 黒い翁面を着けるため「黒翁舞」とも呼ばれます。台詞の随所に、日常生活におけるめでたい出来事がみられることが特徴にひとつです。
 飛んだり跳ねたりの独特の舞の所作は、他には見られないものがあります。
 能や歌舞伎でも。同様の演目があります。
羽衣(はごろも)
 静岡県静岡市清水区の三保の松原に伝わる、羽衣伝説を表したものです。
 春の盛りのある日、三保の松原を訪れた男性は、松の木に美しい羽衣がかかっているのを見つけ、持ち帰ろうとします。
 しかし、「これは私の物なので返してほしい」と訴える女性が現れます。男性は、家の宝にしたいと返すことを拒みますが、女性から、自分は天人であり羽衣が無いと天に帰れないことを聞かされ、天人舞を見せてくれれば返すと約束します。
 天人は約束通り、天人舞を披露し、天に帰っていきます。
 天人が舞う舞は、「山の端(山の葉)」という南部神楽独特の舞を含めた女舞です。
 女舞とともに、胴取の山の端の唄もみどころです。
 ※「山の端」「女舞」は、羽衣のほか、他の演目でも同様のものを舞います。同じ舞ながらも、役柄に応じた所作を入れて違いを出しています。
田村三代(たむらさんだい)
 坂上田村麻呂とその兄弟の武勇伝といわれます。奥浄瑠璃で上演されていたものを神楽で演じるようになったようで、創作の物語であるためか、内容は各地によって細部が異なります。
 田村利仁は、大嶽丸という魔物が人民を困らせているので退治に加勢してほしいと頼まれます。やがて幾重にも連なる雲の隙間から大嶽丸が姿を現し
「汝を出世させるため人民を困らせているので、自らを退治せよ」
と、意味深な言葉を発し、再び雲に隠れます。
 村人が立ち向かうも歯が立たず、最後に利仁が神通の鏑矢で退治します。
 大嶽丸の言う「汝を出世させるため・・・自らを退治せよ」とは何を意味するのか。
 神楽では描かれていませんが、大嶽丸は利仁の母であり、自らを討ち取らせることで名をあげ、立派に成長してほしいという思いから悪事を働いたのです。親心であったという実に切ない物語です。
※この演目では、神楽幕を効果的に使い、雲を演出しています。幕を簡単に上げ下ろしできるように吊るし、裏方が操作します。
宝剣納(ほうけんおさめ)
 出雲の国にて八岐大蛇を退治した素戔嗚尊は、大蛇の尻尾より得た天の叢雲の宝剣を熱田神宮に納めます。
 所持するだけでも国を揺るがすほどの力を持つであろう宝剣を、実に慎重に扱いながら、神前に納めます。
 素戔嗚尊の舞は一見激しく思えますが、重厚で落ち着きのある舞が求められ、所作そのものは単純であるものの、表現力が問われる難しものです。