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100.秋季リーグ・青学大戦

第2節は青山学院大学戦

第2節青山学院大学
10年間ともに野球をしてきた諸麦、PL時代に1、2番を打ってきた渡辺、1級下で強打者に成長した荒金(PL/ソフトバンク)などがいるチームだ。
キャプテンの四之宮(今治西/日産自動車)を中心に、今春の東都を制覇
中軸を打つ志田(仙台育英/ヤクルト)はしぶといバッティングが持ち味。台頭してきた石川雅規(秋田商/ヤクルト)はスクリューボールを自在に操り、2年生ながらMVPと最優秀投手を受賞するなど、安定感は抜群だ。
受けるキャッチャーは同じく2年生の小坂PLでは2つ後輩にあたる。
おもな出身のプロ野球選手は、小久保(星林/ダイエー→読売→ソフトバンク)、井口(国学院久我山/ダイエー→メジャー→千葉ロッテ)、奈良原(帝京/西武→日ハム→元中日)、川越(学法石川/オリックス)、清水将(東農第二/千葉ロッテ→中日)、澤崎(志学館/元広島)、倉野(宇治山田/元ソフトバンク)、高須(金沢/近鉄→楽天)、坪井(PL/東芝→阪神→日ハム)、小窪(PL/広島)などである。

1回戦は花田VS石川の投手戦

第1戦、石川との初対決は今でもはっきりと覚えている。
まずボールの出どころがわからない。そして高目のボール球と思いきや、ストンと沈んでど真ん中のストライク。
長く野球をやってきたが見たことのない軌道だった。石川のスクリューに驚愕した瞬間だった。
「なんや今の球は! こんなん打たれへんぞ」
オーソドックスなサウスポーならまだしも、かつて対戦したことがないタイプ。
きゃしゃな体からは想像もつかないような真っすぐのキレ。右バッターは膝元に、左バッターにはアウトコースいっぱいにと、クロスファイヤー気味にきっちりとコントロールしてくる。
真っすぐに的を絞ると、絶妙のタイミングでスクリューが来る。
中央打線はこの2年生バッテリーにきりきり舞いにされた。
しかし、花田も負けてはいない。強力青山打線を1点に抑える好投を見せ、味方の反撃を待つ。
まさかこの2人が同じヤクルトのユニホームを着るとは、このとき誰が予想しただろうか。
試合は石川が虎の子の1点を守り抜き、1対0のシャットアウト
またしても「1部で1勝」を逃した。

2回戦も古岡VS亀谷の投手戦

第2戦。
中央・古岡青山・亀谷(福井商/ヤマハ)による、まるで第1戦のVTRのような投手戦が展開される。
先に点を奪ったのは青山。
中央は勝負どころで得点が奪えず、2試合連続で先発投手を見殺しにしてしまった。
結果は2対0。1点が遠かった。

威圧感の差がでた青山学院大学戦

この2戦を総括すると、力の差はないように見えるが、僕らはそれ以上のものを感じた。
青山サイドはいつものことかもしれないが、攻撃のときはベンチに監督がいない。
監督の河原井さん(桐生/本田技研)はサードのコーチャーズボックスで、戦況を見ながらサインを送ったりする。これが結構嫌だった。
サードを守っていた僕の真横に敵将がいると、それだけでプレッシャーだ。声の圧力もかけてくるのでたまったものではない。
知っていればなんの問題もないのだが、なにぶん初めての経験にあたふたする場面もあった。
そして一番違いを感じたのはプライドである。
「中央、君たちはまだまだ早いよ」
そう言わんばかりに威圧感をあたえてくる
野球の技術だけをいえば紙一重だったかもしれないが、この差は大きかった。
「完敗や……」
こうして僕らは春の王者、青山学院の前に屈した。

101章につづく

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