直流/交流比較実験器 A(電流の向きの変化)
直流/交流比較実験器          
 直流と交流の特徴を比較する実験の中に、電流の流れる向きが、直流ではいつも同じ向きと、交流では交互に変わることを確かめる実験がある。直流と交流を比較する観点は、@電流の向き、A電圧の変化、B直流・交流と、他の電気部品との関連 などである。
1 電流の向きを確かめる実験の問題と工夫
@ 電流が流れる向きが違うことを調べる実験で、子供一番わかりやすいのは、モーターの回転の向きが変わることである。しかし、残念ながら、モーターの回転の向きが、交流の周波数についていけないので、この方法は、普通の電源ではできない。
A そこで、ほとんどの教科書では、LED2つを逆向きに並列につなぎ、電流を流している。
    直流では、並列の片方だけがつくが、交流では、両方つくことを見せる。そして、実は、交流の場合、交互にLEDが点滅していることを、実験器を左右に振ることで確かめている。
    この場合、LEDの性質(極性があること)を、子供は、よく理解していないとならない。
  B 市販されているAの実験器は、硬い棒か、板にLEDがついているので、振るのが大変で、きれいな点滅が見られない。そこで弾力のあるばね棒を使う。
   C 商用電源は、周波数が50か60ヘルツで、変化が速いので、任意に周波数が変えられる自転車用発電機を利用する。これを使うと@のモーターの実験も可能である。
 
2 直流/交流LED点滅実験器(ヤガミで市販されている)
  ◆材料  
 LED  3φ 赤1 緑1
 ステンレスばね棒 2.5φ 長さ30cm  1
 アクリル板(黒) 厚さ2mm、60×20mm
 プラスチックパイプ 20mmφ 長さ20cm
 押し切りスイッチ 赤1 緑1  
 定電流ダイオード
 抵抗(33Ω、50Ω) 各1
 導線、ゴム栓   
◆つくり方  
@ 黒のアクリル板に、LEDをつける穴を2つ(間隔40mm)をあける。
A 赤と緑のLEDをはめ込み、2つを極性を反対して並列に配置し、導線3本をスイッチまで配線できるようにする。
    途中に、LED保護として、定電流ダイオードと抵抗を入れる。
B ゴム栓に穴をあけ、ステンレス棒を差し込み、グリップのパイプにはめ込むみ。 
    ゴム栓には、3本の栓が通るように側面に溝を切っておく。 
C 赤のスイッチには、緑のLED、緑のスイッチには、赤のLEDをつなぎ、点灯状態になるように配線する。
グリップで、赤のボタンを押せば緑色のLED、緑のボタンを押せば赤色のLEDが消えるよう配線する。 
◆活用法(弾力があるので、振るに楽で、きれいな線が見える)
     
    直流/赤側が+ 直流/緑側が+  交流
     
3 直流/交流の比較のための電源装置
◆材料  
 自転車用発電機(交流)
 ゴムタイヤ  
 木板(台用)、10mmφボルトとナット、ねじ など  
 整流ブリッジ(200V2A) 導線、ターミナル   
  ◆つくり方
@ タイヤを回転させやすいように、ハンドルをつける。
A タイヤをまわす台をつくり、中心にボルトを通し、タイヤをはめ込む。
B 自転車用発電機を台に固定する。このとき、発電機の回転部がタイヤに当たってまわるようにする。
  C 交流は、そのまま出力し、ブリッジ整流した直流の端子もつくっておくと便利である。
◆活用法
  @ タイヤをまわして発電する。回転数で周波数が変化するので、便利である。
  A 羽根(3枚羽根がよい)をつけたモーターを回してみると羽根が往復する様子が見られる。(交流)
    直流にすると、一方向にいきおいよく回転する。  
   B 逆向きにし、並列につないだLEDは、ゆっくりな交流なので、交互に点滅するのがよくわかる。