もっと楽しく写真講座(2003)
Back
2002年に続いて行った、写真講座の講義録です。基本点は変わっていませんが、デジタルカメラの本格的登場という環境で、新しい内容が加わりました。

ミニミニ写真講座(1)

写真表現上達のワンボイント

写真講座が開講して三ヶ月目にです。今回は、主に初級クラスの講義内容を整理してみます。中級の方も、復習の意味で読んでください。

写真とは何かを考える
英語では、Photo Graph といいます。Photoは光、Graphは描くこと。つまり、「光で描くこと」あるいは「光で描いたもの(絵)」を意味します。写真誕生の歴史を振り返っても、写真にはそれ以上の意味はありません。やや詳しく言うと、人間が見ている三次元の世界を二次元の平面に「絵」として表現する芸術です。

日本語の「真理」や「事実」とは何の関係もありません。したがって写真は、本質的に絵画と同じジャンルに分類できるものです。いたずらに絵画との違いを強調するのは、写真の創造性を高めるためにも好ましいことではありません。

写真の特徴
写真と似た表現の絵画と比較すると、写真独自の特徴が理解できます。

(1)絵を描く手段は、カメラとレンズと一般的にフィルムです。近代科学の発展があって初めて実現できたもので、写真の感光剤(フィルム)が発明される約160年前までは、夢の表現手段だったのです。カメラは、もっと前からありましたが。

(2)瞬間的(非常に短い時間)に、空間と時間を絵として固定できます。
(3)絵画よりも精密・正確な表現ができます。記録性が優秀です。
(4)表現手段に「レンズのボケ」という新しい要素が誕生しました。絵画には、「ボケ」という技術はないと思われます。滲みやぼかしはありますが。

(5)絵に仕上げる素材-絵画でいう油、鉛筆、筆、炭、墨、クレヨン、紙、キャンパスなど-の種類が少ないのが欠点。色表現は、長くフィルムと印画紙という素材に限られてきました。近年デジタル技術の進歩で、フィルムと印画紙だけが素材ではなくなりました。パソコンとプリンターのお陰で、紙にも写真を描けるようになりました。

絵画表現と比べると圧倒的に有利な点と、逆に欠点となるものもあります。同じ絵を描く表現として、絵画に無い点を生かしながら、絵画からも学ぶ必要があります。

カメラの構造と写真が写るまで
ここでは、35mm判一眼レフカメラに限った話しをします。何故なら、カメラの中では最も進歩した構造であり、カメラと言えば事実上「35mm一眼レフ」を意味するからです。

(1)一眼レフ(Reflex Camera)は、その名の通り一つの目(レンズ)です。Reflexは、反射させること。レンズ(目)から入った光を、カメラボディー内のレンズ後方に置かれた鏡で反射させ、レンズが作る像をファィンダーまで導きます。

(2)その結果、レンズが作る画像を、肉眼で直接正像として見る(モニターする)ことができます。他のタイプのカメラでは不可能なことです。

(3)レンズ像を見ながら、フレーミング(構図)を決め、ピントを合わせ、ボケの確認、被写体の動き、光の強弱、露出などの操作と確認が出来ます。

(4)カメラには、シャッターがあります。シャッターは、レンズの後方の鏡のさらに後方にあります。あるいは、レンズ・ミラー(鏡)とフィルムの間にある、とも言えます。

(5)カメラのシャッターは、ガレージのシャッターをきわめて小さくしたものによく似ています。カメラ上部にあるシャッターボタンを押すと、シャッターは開閉します。

(6)写真が写る手順は、次のようになります。まず、ファインダーで、レンズの像(光)を見て、構図、露出、ピント、ボケなどの決定と確認。シャッターボタンを押します。すると、普段は斜めになっている(レンズの光を遮っている)ミラーが、カメラ上部に向かって跳ね上がります。その動きの後を追うようにシャッターが開きます。光は、障害物がなくなり、フィルムに到達します。フィルムが、光に感光します。画像が形成されます。

(7)このように撮影を終えたフィルムを現像(化学薬品にて処理)すると、安定した画像が形成され、肉眼で見ることが出来るようになります。フィルムは銀化合物が塗布されており、光に反応して「潜像」が形成されます。この画像は非常に不安定なので、現像するまでは、絶対に光に当ててはいけません。

(8)シャッターは、開閉の速度を調整することができます。すなわち、フィルムに光が当たっている時間をコントロールできます。もちろん、開閉の速度が速いほど、光がフィルム面に当たる時間は少なく、逆の場合は長い時間光がフィルム面に当たっています。これは、「露出」(後で説明)をコントロールすることに役立ちます。

(9)シャッタースピードは、1秒、1/2秒、1/4秒、1/8秒、1/15秒、1/30秒、1/60秒、1/125秒、1/250秒、1/500秒、1/1000秒、1/2000秒、このように倍々の値で変化するのが一般的です。が、最近の自動露出機構のものでは、この中間値でも変化します。

レンズについて
極論すれば、「写真は、レンズである」とも言えます。精密な描写力やボケという独特の表現力はレンズなくしては考えられません。カメラボデーは、相対的に脇役です。レンズの基本的な役割は、フィルムのある位置に、画像を正しく作ることです。

(1)レンズには、焦点距離があります。レンズの位置から像が焦点を結ぶまでの距離、すなわちレンズからフィルム面までの距離です。この焦点距離の基準をf=50mmと決めています。この焦点距離50mmのレンズを「標準レンズ」と呼んでいます。

(2)f=50mmよりも焦点距離が短いもの、35mm・28mm・20mm・17mmなどを「広角レンズ」といいます。逆に長いもの、85mm・100mm・200mm・300mm・500mmなどを「望遠レンズ」と呼んでいます。300mmを超えるものは、超望遠レンズなどと分類されます。

(3)標準レンズは、人間の肉眼の感覚に非常に近い写り方をします。広角レンズは、写る角度が大きく(広い空間)、同時にピントの合う範囲が非常に広いのが特徴です。ある一点にピントを合わせても、画面全体がくっきり写っているように見えます。さらに被写体全体が、肉眼よりも小さく感じます。

(4)望遠レンズは、写る角度が小さく(狭い空間)、ピントの合う範囲がとても狭いのです。ピントを合わせた場所以外は、ボケて見えます。広角レンズとは逆で、被写体が肉眼よりも大きく見えます。遠くのものを見るのに望遠鏡を使うのは、そういう理由です。

(5)レンズには、「絞り」が内蔵されています。絞りは、人間の目の「瞳孔」に相当します。第一の役割は、レンズに入る光の量をコントロールすることです。開けば、沢山の光をフィルムに送ります。絞る(孔を小さくする)と、光の量は減少します。これは、露出を調整する働きをします。カメラの(8)と(9)を参照のこと。

(6)絞りの値は、F=1.0、2.0、2.8、4、5.6、8、11、16と表示されます。絞り値は、レンズに入る光の量を数字で表したものです。「f=50mm、F=2.0」と表示されているレンズは、焦点距離が50mmで最大の明るさ(レンズを通過する光の量)が2.0である、ということを示しています。

(7)最大の明るさがF=2.0であっても、絞ればF=4や8となり、レンズを通過する光は少なくなります。絞り値Fが大きくなるほど、レンズを通る光は少なく(暗く)なります。このように絞りを「開けたり閉めたり」することで、光の量を調整し、シャッタースピードと一体になって、露出をコントロールできる仕組みになっています。

(8)絞りの働きは、もう一つあります。それは、ボケをコントロールすることです。絞り値を変えると、ボケが大きくなったり小さくなったりします。すなわち、写真表現に大きくかかわる働きをします。とても、重要!!

(9)絞りを開ける(F値を小さく)と、ボケの量は大きくなります。逆に絞ると(F値を大きく)、ボケは少なくなります。ボケとそれによる表現方法については、別項で詳しく解説します。

露出について
露出とは、「フィルムに光を当てて、フィルムに画像の元(潜像)を作ること」です。一般的には、「適性露出」を得ることが、写真の基礎を覚える上で大切です。適性露出とは、被写体を肉眼で見た明るさ(イメージ)に、画像を作り出すことです。

適性露出を与えるには、光の量を測定する「露出計」(カメラに内蔵されています)、レンズに内蔵されている「絞り」、カメラの「シャッター」、この三つが必要です。

露出計は、被写体から反射してレンズに入って来る光の量を測定します。レンズの絞りは、レンズを通過する光の量をコントロールします。シャッターは、レンズを通った光をフィルムにさらす時間の長短を調整します。

以下、露出を決めるために、カメラの自動露出機能を使い、絞り優先オート(AVモード)で撮影する方法を記します。手持ちのカメラには、露出補正ダイヤルが付いています。説明書を読むなどして、使い方を確認してください。

(1)露出計は、最初にレンズを通過する光の量を計り、それに基づき適切と思われる絞り値とシャッタースピード値を算出してくれます。人間の肉眼が出来ないことを、非常に素早く正確にやっくれます。露出計なしで写真を撮るのは、事実上困難です。

(2)露出計の特徴は、「被写体の色が、中間調のグレーである」という前提で光を計ることです。カメラのファィンダー内に表示される露出値(絞りとシャッタースピードの値)は、そのような前提のもとに決められています。

(3)実際の被写体の色が「中間調のグレー」でない場合、露出計が示す通りに写しても、イメージ通りの色や明るさで写真を撮ることはできません。そこで、「露出補正」という作業を人間がやらなければなりません。

(4)幸いなことに、日本人の肌は「中間調のグレー」に近い色です。これを露出補正の基準にしましょう。肌より黒に近い色の被写体なら、露出補正を<−>側に。より白に近い場合は、<+>側に調整します。

(5)具体的な例です。夏の緑の場合、肌より黒に近いと判断。マイナス補正です。量は、マイナス1.0前後です。シラカバの樹肌は、より白に近いと判断。プラス補正です。量は、プラス1.0前後でしょう。判断を迷ったら、少しずつ露出補正値を変化させて撮っておきます。

★七月の撮影会で、光や露出について勉強します。楽しみにしていますので、多くの方の参加をお願いいたします。次回は、「ボケ」についての講義です


ミニミニ写真講座(2)

新緑のブナ林の中での撮影会を経て、初級のみなさんはカメラの操作にもだいぶ慣れてきたようです。今回は、表現力を付けるための講義です。

写真の表現テクニック
(1)画面に立体感と奥行きを
写真は、三次元の立体空間を二次元の平面の世界に表現するものです。しかしながら、ただ漫然とフレーミングしてシャッターを押しただけでは、のっぺりした捕らえどころのない、迫力にかける絵になってしまいます。

立体感のある絵を描くコツ。それは、画面の中に必ず主役と脇役を配置することです。その配置の方法は、画面の手前から奥に、あるいは下から上へ、人間の目線が自然に導かれていくような位置を選ぶことです。

例えば、画面中央あたりに主役となる被写体を置いたなら、その脇役は画面の左や右下に配置される必要があります。この場合、脇役は画面の手前にあり、主役はより奥に存在することで、遠近感と立体感を作りだしてくれます。(2002年の講義も参考に)

とくに広角レンズを使うときは、画面手前に大きく被写体(主役か脇役かにかかわらず)を写し込むことがコツです。これは写真表現で、頻繁に使われるテクニックです。

(2)レンズの個性・ボケを生かそう
絵画には無い、レンズ特有の個性。それは「ボケ」です。写真を習い始めると、「ピントを合わせましょう」と教えられます。逆転させて考えると、ピントを合わせた場所以外に「ボケ」を作りましょう、と言っているのです。

絵画なら、はっきり描きたいものだけを描けばよい。描きたくないものは、最初から排除してもかまいません。写真は、そうはいきません。相手は実際に存在するものですから、撮り手の勝手な意図で消えてくれることはありえません。また、実在しないものは、フィルムに納めることは不可能です。

写真誕生以来、無意識のうちに利用されてきたのがレンズのボケです。写したくないものは、画面に入れない、さらにピントを合わせず「ボカす」ことで、表現したい主要な被写体を強調して表現するのです。これは大変重要なことです。このボケが無かったなら、写真は美を創る有効な手段にはなり得なかったに違いありません。

ボケを効果的に作りだすには、レンズの焦点距離(f)と絞り(F)を使うことです。大きなボケを作るには、長い焦点距離(100,200,300mmなど)で絞りを開ける(F値を小さく)。逆に、画面の中にあまりボケを作りたくなければ、短焦点距離レンズ(35,28,20mmなど)で絞りを絞り(F値を大きく)ます。(昨年講義録も参考に)

(3)露出は控えめに
標準的な露出値を得る方法については、前回もお話ししました。しかし、どちらかというと、標準よりも「露出は控えめに」をおすすめします。ポジフィルムで見たときに「少し暗いかな」と感じる程度が良いと思います。適当と判断したものよりも、マイナス0.3からマイナス0.5段くらい露出を控えめにしておいてください。

理由は、従来のように「フィルムからダイレクトで印画紙にプリント」という方法よりも、フィルムスキャナーからデジタルデーターにしてパソコンで画像処理という行程が有効になってきたからです。この場合、画像のコントロール域が非常に広いので、フィルムの上には白から黒まで豊富な情報量があった方が有利なのです。

とくに、白側の情報を少しでも多く残すために、露出オーバーは禁物です。さらに、フィルムだけでなく、デジタルカメラ(CCDやCMOSと呼ばれる受光素子)から直接画像を得ることが普通になってきました。この点も考慮に入れています。

デジタルカメラとは何か
デジタルカメラを買いたい、あるいは新たにカメラを入手したいという受講生がいらっしゃいます。また、昨年後半から今年にかけて主要なカメラメーカーから新機種がぞくぞくと発表、発売になりました。それらは、以前のものとは違い、画質に問題があるものは一つもありません。フィルムよりも解像力の高いものが大半です。

したがって、デジタルカメラは「業務用」「実用的な記録手段」という枠を越えて、写真を創造する有効な手段として積極的に選択できるようになりました。これから、分かり易くデジタルカメラを選ぶポイントをお話しします。

デジタルカメラは、カメラです。フィルムカメラと違うのは、光を受け止めるものが、受光素子と呼ばれるある種の半導体です。もっとも使われているのは、CCD(Charge Coupled Device)です。最近キャノンが導入しているのは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)です。どちらも、光の強弱情報から電気信号を生成する働きをしています。

受光素子(CCDやCMOS)は、非常に小さな四角形です。それが一枚の板にびっしりと並べられています。一枚の板に500万個のCCDがあれば、「500万画素のカメラ」と呼ばれます。「600万画素のCCD」というのは、一枚の板に600万個のCCDが並んでいることを意味します。

フィルムの場合は、銀化合物の粒子の数や密度が高いほど、すなわち粒状性が良ければ、それに比例して画像の解像度も色再現も階調再現も良くなります。しかし、CCDは、それほど単純ではありません。CCD一個の面積が、性能に大きく影響します。

結論を言えば、CCDはその面積が小さくなれば、解像力と階調再現の能力が低下してきます。光の持っている豊かな情報を受け止めるには、大きな面積で受光効率の良いCCDが必要なのです。

ならば、CCD一個の面積を大きくして、それを大量に(2000万画素とか)並べれば素晴らしい性能になります。しかし、CCDが並べられている「板」には、その物理的大きさに制約があります。フィルム(24×36mm)よりも大きくするのは、非常識というものです。そんなことをすれば、とてつもなく大きなカメラになってしまいます。

という訳で、現実のCCDは、CCDの並ぶ板の大きさと画素数のバランスをとりながら作られているのです。受光素子全体(板)の最大は「36×24mm」(35mm判フルサイズ)、次に「24.5×15.7mm」(APS-Cサイズ、35mmフィルムの半分弱の面積)、「17.3×13.0mm」(35mm判の約1/4の面積)の三つのパターンが見られます。最も多いのは、APS-Cサイズです。これが、今後の主流になると思われます。

コンパクト・デジカメに使われているのは、35mm判の1/16以下の面積。非常に小さなCCDの集合体です。画素数で500万のものがあり、すごいじゃないか!! と思われるかも知れません。しかし、一眼レフタイプに比べると、その再現能力には圧倒的な差があります。

今現在のカメラでは、画素数が600万以上でAPSフィルムとほぼ同じ大きさのCCDを搭載したものが安定した素晴らしい描写力をもっています。キャノンのEOS10D、ニコンのD100、ペンタックスの*istDがその代表的なものです。(2003年9月現在)

デジタルカメラの特徴
プリントして見たときの印象は、絵としての違和感や美しさを損なうような要素はありません。しかし、フィルムとは幾分違う感覚を覚えます。それは、絵を描く素材が違うのですから、比較すること自体、あまり意味のあることではありません。

(1)フィルムに比べると、中間域の階調再現が非常に滑らかに感じられます。その反面、とくに白側が飛びやすいので、露出の設定には慣れが必要です。フィルムの方が、全体にハイコントラストに感じます。メリハリの良さがあります。

(2)撮影と同時にデジタルデーターが得られるので、プリントにいたる過程が短く、作品作りの作業が合理的です。しかし、デジカメでの撮影は、パソコンを使うこととイコールなので、ここを絶対にクリアーしなければなりません。

(3)フィルムを持つ必要がありません。撮影データーは、40×35mmのコンパクトフラッシュ(CF)という板状のものに記録されます。最近は、一枚の容量が1GBというものがあり、最良のデーター形式(RAW)でも、約70枚の撮影が可能です。かなり撮る人でも、この小さな板(CF)を二枚も持っていれば十分ではないでしょうか。

(4)一度システムを揃えると、フィルム代がかからないので、以後の撮影費用はグンと安くなります。写真にかかるコストを大幅に下げることができます。(撮影からプリントまで、すべて自分で行うと仮定して)

(5)電源は、フィルムカメラよりもかなり消耗します。メーカーにより、何を使うか決まっていません。キャノン、ニコンは、専用の充電池が必要です。ペンタックスは、市販のリチウム電池を使うことができます。撮影の時は、必ず交換電源を持っていきましょう。

(6)原則として、従来のフィルムカメラのレンズをそのまま使用できます。ただし、CCDの面積がフィルムよりも小さい場合(APSタイプ)、同じ焦点距離でも写る範囲が狭くなるので、結果的に望遠レンズの側に近寄ります。例えば、28mmが35mm判の42mm相当に、50mmが75mmの中望遠レンズに、100mmが150mmに、200mmが300mmに。

おおむね、表示焦点距離を1.5倍したものになります。望遠レンズを使う人にとっては、有利です。広角レンズを主に使う人にとっては、厳しいです。それでも、14mm、15mm、17mmという超広角レンズが供給されていますので、それを使うのが良いでしょう。シグマから15mm-30mmというズームが出ています。デジタルカメラでは、23-46mm(35mm判相当)のものとして使うことになります。これなら、不満はありません。

これからは、デジタル専用のレンズがどんどん供給され、高性能で小型化するでしょう。あまりレンズについて心配することはありません。フィルムカメラとレンズの互換性があるのは、便利なことです。フィルムカメラと、撮影画角が違うのを理解しておきましょう。

●フィルムとデジタル(CCD)が、写真の創作素材として相並ぶ時代になりました。どちらを使うかは、一人一人の感性とこだわりによって決まります。できれば、両方の表現を体験して、その特徴を理解し、自分に合ったものを選択するのが理想でしょう。デジタルカメラには、フィルムに無い独自の操作・扱い方があります。それを今後の講義でお話しします。
(講師 村岡 ひろし)