<渋谷オーガニック Vol.7 at emma LOUNGE>


GYPSY VAGABONZ、高橋一平、火凛 "colyn"、kai petite

kai petite
KAI(G, Vo)、くまちゃん(Perc)、倉井夏樹(Harp)

火凛 "colyn"
火凛 "colyn"(Vo)、中田征毅(P)、武井達郎(Cajon)
高橋一平
(左から)高橋一平[IPPEI](Vo, G)、HARRY(G)、
GARY SCOTT(Perc, Sax, Cho)、
MOTO(Human Beat Box)
GYPSY VAGABONZ
(左から)Hideko(Vo, Flute)、林さやか[サーヤ](B)

浜脇こうへい(G)
大西孝旺(G)

2008.5.11.(日) 渋谷オーガニック Vol.7 at 渋谷 emma LOUNGE
GYPSY VAGABONZ、高橋一平、火凛 "colyn"、kai petite

前回までのGYPSY VAGABONZの演奏はワンマンライブを観てきたので、「そろそろ対バン形式のライブが観てみたい」と思い、行って来ました。
場所は渋谷emma LOUNGE。
私としてはお初の場所でしたので、地図を持ちながら歩いていくと、LA MAMAの向かいにありました。
会場入りすると、「LOUNGE」と銘打つだけあって、ソファがぎっしり。
気軽に話したり、食事をする空間にライブステージを作ってます。
食事も済ませてライブが始まるのを待っていると、ハープの倉井夏樹さんが声をかけてきた。
対バンの「Kai petite」に出演すると聞き、びっくりです。
(ご本人のblogのお気に入りを3月ページにしてしまって、更新されていないと思っていたのに気づいたのが5月...スミマセン)
ということで、楽しみがまた増えた後、ライブステージです。
今回演奏するバンドは4つ。


まずkai petiteのステージから。
静かにギターのインスト曲を奏でる。
これが心地よい。
その後、ゲストのくまちゃんと倉井さんが入り、稲垣潤一や山下達郎などアーバンなサウンドを主体としたスタンダードナンバーを披露。
くまちゃんのつぼを押さえたリズムと歌詞と演奏に寄り添うように彩を与える倉井さんのハープ。
最後にKAIさんのオリジナル曲を披露。
これが英語の歌詞で内容はわからなかったけれど、ゲストとの演奏は聴き応えありました。
KAIさんはギターはもう文句なしのテクニックを持っていてMCも場が和む雰囲気を上手に出してくれます。
場が見えていて、余裕が感じられるので、聴いているほうも安心して委ねることが出来る。
この後どのように活動していくのかなぁ。
シンガーとしても頑張ってほしいなぁ(というか、もっとオリジナルを聴かせてくれ!日本語でね)。
そして倉井さん。
この人と知り合ってほんとに感謝ですわ。
歌、歌う人の気持ちを感じながら吹いてくれていて、その音が主張している。
初めて間奏のソロを聴いたけれど、奥歯がくがく言わされちゃった(笑)
しかも私の顔まで覚えていてくれて、声までかけられちゃったんだから...恐縮です。
今20歳でしょ。
これからどう人生を吹き込んでくれるか、楽しみです。


しばしの休憩の後、火凛さんの登場。
まずゲスト、ピアノの中田さんと二人でスティービー・ワンダーの「Lately」を披露。
下から持ち上げるようにソウルフルに歌い上げる火凛さん。
MCではあんちょこを見ながら。
そしてCajohnの武井さんが入って、オリジナル曲「ラルラ」を披露。
聴いていると...一番伝えたいところがスキャットで伝わってこない...
「苦しい時、悲しいとき...で、どうすりゃいいんだ?」 って。
うーん、もったいない。
次にカバー曲、ちあきなおみの「黄昏のビギン」。
CMでも流れていた曲だし、自分はリアルタイムものだから懐かしく聴いていた。
サビの部分が伝わってこない。
ソウルを好きな歌手の歌い方なのかな。
スキャットのように持ち上げるだけで、歌詞が伝わってこない...
英語でも日本語でも、歌詞なんかどうでもいいって感じになっちゃてる。
その後オリジナル曲を2曲演奏して終了。

バンドでの活動をしていた火凛さんがソロとして活動し始めてお初のライブ。
緊張感もあったのでしょう。
歌声を聴いていて、スタイルもあるし、個性もある。
でも、一番歌詞として主張して欲しいところが伝わってこないのは、聴く側としてはつまんない音楽に聴こえてしまう。
ちあきなおみのカバーをして、「ちあきなおみの歌は良いよね」で終わってしまうよ。
もったいないよ。
今回のメンバーの中で、武井さんのリズムは伝わってくるね。
歌の流れを作ってくれるリズムというのは気持ちよい。
バンドとして互いの音をわかっていたらもっと伝わっていたでしょうね。
これは時間が解決してくれることかもしれないけれど。


ここでまた少し時間を置いて、高橋一平さん登場。
最初から飛ばします。
「Before It's Too Late」、「Anytime」と続けて演奏。
演奏が始まるとアース・ウィンド・ファイアーのようなソウル・ファンクなサウンド。
歌声がまた良いんだ。
この10数年間のメジャーの音楽でも同じサウンドで繰り広げたミュージシャンがいるけれど、変にいやらしさが残る人が大半だった。
高橋さんの歌声は一線を画す。
声が突き抜けていくんだ。
そして、スローなナンバー、「Ocean Blue」。
これがまた切なくさせるね。
そしてリズムを強く「Playboy Play In Girls」。
最後に「Just A Friend」。
Garyさんのサックスが気持ちの奥をくすぐったあと、ミドルテンポでグッとさせて終了。

Garyさんのパーカッション、サックス、ヴォーカルとこのバンドの肝です。
グルーブ感といい、音の余韻が頭に染み付いてしまうサックスの音色。
そしてやさしいヴォーカルが高橋さんの情熱のある歌声に花をそえてくれる。
ギターのHarryさんも歌の良さを引き立てるようにリズムを刻んだり爪弾いたり。
そしてHuman Beat BoxのMOTOさん。
初めて生でHuman Beat Boxの演奏を聴きましたが、こりゃぁ面白い。
MOTOさんのビート、体の揺れ具合に合わせてどんどん引き込まれていく。
そして今回上物とベースの音を打ち込みにてカバーしていたのは場所の関係かな。
でもさりげなく入っていてライブとしての演出の配慮も伺えた。

歌は女性への想いを歌ったラブ・ソングが大半だったかな。
灼熱のビーチで焦がれ、焦がしちゃった感じがするぐらい気持ちよく熱が入ってます。
そんな曲を高橋さんの歌声で聴いたら、女性はイチコロだろうね(笑)
持っている人が歌うから伝わる歌っていうもあるもんです。
普段はクラブなどで歌、演奏しているとの事。
年甲斐もなくクラブに一度足を運んでみようかと感じさせるだけの凄み。
演奏終了後に挨拶したところ、曲順の書いた紙をもらいました。感謝です(_●_)


最後にGypsy Vagabonzの登場。
最初に「Love Me Or Leave Me」、「I Love Paris」 を続けて演奏。
サーヤのベースが気持ちよくスウィングさせて、ギターの二人が風を吹き込んで行くように演奏。
小悪魔チックに歌い上げる
「I Can't Give You Anything But Love」。
最後は元気に歌い上げるところはHidekoさんならではですね。
哀愁感溢れるオリジナル曲「マトリョーシカ」。
Hidekoさんがフルートで一層醸し出してくれました。
次に「The Gift」。
曲が進むにつれてお客さんの注目度が上がってきて、どんどん客席の揺れ具合、拍手が多くなっていきます。
そしてカバー曲、「シモンの歌」を日本語で披露。
Hidekoさんの歌声とみんなの気持ちが伝わってくるアレンジの仕上がりに酔ってました。
そして「Boom Boom」 。
ドライブしている時の疾走感にお客さんから手拍子が渦巻き、それに呼応するように演奏にも熱が入っていく。
ここでお客さんもどう反応してよいかわかってきて、最後の「After You've Gone」では、手拍子、歓声がいたるところで起こる。
やっと楽しみ方のツボがわかってきたお客さんは消化不良でアンコールを要求。
「There Will Never Be Another You」をお客さんの惜しみない手拍子を受けながら演奏し、この日のライブは終了。

既に当たり前のように聴いてしまっているけれど、この疾走感やライブでの楽しませ方はGypsy Vagavonzならでは。
ギターの二人も自分のスタイルで勝負する。
そしてサーヤのベースがどんどんスウィング感が高まっています。
そしてHidekoさんの歌・演出はさらに磨きがかかってます。
いつ観ても飽きないGypsy Vagabonz。
今回対バン形式のライブでしたので、お初のお客さんの盛り上がり方も注目していましたが、徐々に注目を浴びていく様は気持ちよかった。
これだからライブは楽しいね。


さて、今回のような企画は、いろんなジャンルのミュージシャンと出会いたい時にはうってつけ。
渋谷 emma Loungeさんの企画、「渋谷 オーガニック」に感謝です。


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で、今回思った事。
(結構悩んで書くことにします)
カバー曲を演奏するってことは実は難しいことなんです。
これはインストのジャズでも同じことが言えると思うのだけれど。

みんなが知っている曲だからお客さんは食いつきが良いよね。
で、みんな懐かしんで聴いている。
その後、何が起こるか。
聴いて共感した人が、「あなたの歌、演奏をもっと聴かせて欲しい」となるか、懐メロをもう一度聴くようにレコード屋さんに走るか。
そしてもう一度足を運んだお客さんがあなたの歌、演奏を聴きに来ているのか、昔の想い出を追想したくて来ているのか。
それは、あなたが歌い、演奏しなくてもいいのかもね。
自分がどこまで主張できているのかわからないでカバー曲をやっていると、お客さんに足元掬われるよ。
私がライブに足を運んでいるミュージシャンの大半は自分のオリジナリティをお客さんに聴かせながらカバー曲を演奏しています。
それでもお客さんがどう思うのかはお客さん側次第なんだ。
お客さんから「あなたの歌う・演奏するあのカバー曲が聴きたい」と言わせて欲しい。
カバー曲に自分の主張を入れて歌い、演奏することの難しさをもっと知って欲しいよ。
以上、ミュージシャン側に向けての私の主張を最後に今回のライブレポを閉めます。


倉井夏樹さんのBlogはこちら
高橋一平さんのBlogはこちら
高橋一平さんの所属する「HIGHBRID-ENTERTAINMENT 」のHPはこちら
GYPSY VAGABONZのHPはこちら
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ラウンジ 渋谷 emma LOUNGEのHPはこちら
渋谷オーガニック公式HPはこちら ⇒

 

渋谷オーガニック Vol.7 at 渋谷 emma LOUNGE
kai petite
KAI(G, Vo)、くまちゃん(Perc)、倉井夏樹(Harp)



KAI(G, Vo)


くまちゃん(Perc)


倉井夏樹(Harp)







火凛 "colyn"
火凛 "colyn"(Vo)、中田征毅(P)、武井達郎(Cajon)



火凛 "colyn"(Vo)


武井達郎(Cajon)


中田征毅(P)



高橋一平
高橋一平[IPPEI](Vo, G)、HARRY(G)、
GARY SCOTT(Perc, Sax, Cho)、
MOTO(Human Beat Box)

高橋一平[IPPEI](Vo, G)









GYPSY VAGABONZ
Hideko(Vo, Flute)林さやか(B)
浜脇こうへい(G)、大西孝旺(G)


Hideko(Vo, Flute)


林さやか(B)


浜脇こうへい(G)、大西孝旺(G)















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