<山崎ヤマト、村治進&キロフェイ Live at 曼陀羅>


山崎ヤマト(Vo, Perc.)、村治進(Steel Pan)

キロフェイ
フェイターン(Vo, Theremin)、ゲスト:キロトフ(Key)

2007.09.28.(金) 山崎ヤマト&村治進、キロフェイ Live at 曼陀羅

会社へお泊りの後の金曜日。
早めに帰宅して曼陀羅に向かった。
既に9ヶ月経ってしまった山崎ヤマトさんのライブだ。
今回はムムッ、 Steel Pan奏者の村治進さんが一緒だ。
一年以上前のマッカラン以来のお久しぶりの生演奏が聴ける。
そしてテルミン???。
若い時分からTVやラジオで聴いただけのテルミンを弾いている人が来るとあって期待が膨らむ。
曼陀羅に到着すると既にお客さんも入っていて、「後ろのカウンターで聴こう」と思っていたら、マスターより「ここに椅子があるよ」と一番前中央に座ることになった(感謝!)。


さぁ、ライブです。
まず、キロフェイから。
通常フェイターンは「マコフェイ」といったユニットで活動しているが、この日はメンバー一人事情により来れなくなって、代役キロトフさんがキーボードで参加。
ということで、「キロフェイ」としての演奏です。
フェイターンさんの前には紛れもなくテルミン!!
この日はマコフェイのオリジナル曲を演奏。
まずはインスト曲、「Waltz」の演奏が始まった。
キロトフさんのゆったりしたリズムで奏でた後、フェイターンさんがテルミンを奏ではじめた。
音が太くて力強い!
それを繊細な指の動きでフェイターンさんが奏でてくれた。
テルミンがこんなに力強い音をしているとは、生の音を聴けたから感じられるんだな。(moogだからかなぁ...)
そしてゲストの村治さんが加わり、「ツインバード」を演奏。
無音階のテルミンを奏でながら、バックでエレピとスティールパンがやさしくサポート。
そして「プラネタリウム」では、軽やかなリズムに乗せてフェイターンさんが歌い始めた。
「幸せな時は物事みなきれいに見えるんだよ」っていう曲にお客さんはほんわかな気分になり手拍子でサポート。
次に「月夜の潜水艦」では、ゆったりと進む潜水艦のイメージをキロフェイさんのシンセ(NORD LEAD)で不思議空間を作りながら、 村治さんはカウベルで一拍一拍「コツン、コツン」と叩く。
フェイターンさんは歌いながらもテルミンを演奏。
フェイターンさんの歌はやさしさと祈りを空に届けるように歌ってくれます。
最後にインスト曲、「レノン」を演奏(キロトフさんの曲)。
歌うようにテルミンを奏でるフェイターンさんの演奏。
そしてカウベルを叩く村治さんは、一拍一拍を落ち着かせるように叩いて、凄みががありました。
(何というか、ちょうど良い塩梅の浮遊感と言えばいいのかな)
フェイターンさんは無音階のテルミンの面白さも曲中に存分に演奏してくれました。

ここでお客さんからアンコール。
いきなりの編成ユニットだったのですが、「ひょっこりひょうたん島」を披露。
お客さんも手拍子と合唱で応戦。
みんなでほんわかした気分でキロフェイの演奏は終了。


しばしの休憩の後、山崎ヤマト&村治進が登場。
「闇を走る」から始まった。
ここはヤマトさんの地元である。
ずしんと来るジャンベの音とスティールパンの音にお客さんもスイッチが入った。
初っ端から力強い手拍子だ。
そしてコール&レスポンスではきっちり決める。
ヤマトさんは連戦のステージで声はいっそう荒々しくなってました。
そして、「頑固者」、「Soul Soup」、「オタノシミ」。
スティールパンが入っていつもと違った地で聴くような仕上がりです。
でもやってる演奏はロックンロール。
他では味わえないよ(聴かないとわかんないんだよなぁ)。

ここで、村治さんのソロコーナー。
まず、「Under The Sea」から。
足でカウベルを叩きながら、スティールパンを叩き、歌う。
歌詞はオリジナルで日本語の歌詞を交えながら非常に楽しめる仕上がり。
お客さんは笑いながら手拍子を繰り出す。
そしてしっとりと大人の雰囲気で「Maria Cervantes」。
このリズムはロックやスイングとかでは味わえない。
ジャズのミュージシャンが演奏しても...違うんだな。
「ドンッ」 とは落とさない。
この...前のめりになって、頭やひざで揺れながら、つま先まで力を入れないような感覚(?)
これがカリビアンなのかな(笑)。
そしてオリジナル曲、「Sky From The Under Water」を披露。
ゆったりしたリズムの中から、スティールパン独特のお茶目なフレーズを交えて、潮風に吹かれながら聴きたくなるような曲です。
(子供の昼寝に聴かせたらいいかも)
そしてこのコーナー最後に「Jamaica Farewell」を演奏。
私は西岡恭蔵さんが歌っていたこと思い浮かべながら聴いてしまった。

さて、再びヤマトさん登場。
準備中に村治さんが「スーパーマリオのテーマ」等を演奏して二度おいしい状況にお客さんも手拍子で迎え撃つ。
後半はじめに「abina abina」を演奏。
この曲はアルバムにも村治さんが参加しており、
ハングとスティールパンの競演にお客さんから声援が放たれた。
そして新曲を披露。
ヤマトさんはひとつのハングを立てて箱のように叩く。
曲もずしんとくる印象で新境地でありました。
ここでフェイターンさんと共に「to the moon」を披露。
日本発月行きの世界の「月での演奏」バージョンのようなイメージに感じられた。
お客さんから「やばいよ」と言わせしめる演奏でした。
そして村治さんも加わり三人で「風に」を演奏。
この曲はジャンベのみ、ハングのみのバージョンを聴いていたが、古代へ戻ったようなイメージでまた新鮮に聴けました。
最後に「旅立ち(正式な曲名は不明)」は三人の演奏でもやのかかった朝に旅立つようなイメージを繰り広げてくれました。
このままでは終わらせないお客さんは力強く手拍子でアンコールを願望。
それに答えて「mix」を3人で披露してこの日のライブは終了。

ライブ自体はアットホームな雰囲気に包まれたものだったが、内側の興奮が収まらないライブでした。


この日は曼陀羅に足しげく通うお客さんが揃っていて、この自然な盛り上がり。
ミュージシャンの演奏へのレスポンスが心地よいのです。
音楽を聴くアンテナ良いお客さんが多いと楽しみが倍増するんだ。
それを感じたミュージシャンが反応するという相乗効果。
たまらんですね。

曼陀羅はジャンルにこだわらずにさまざまなミュージシャンが演奏してくれる場所としてマスターがいろんな音楽を聴かせてくれる。
そこで聴いている常連さんはいろんな音楽に適応できるようになっちゃっているんだ。
だから楽しませてくれる音楽ならお客さんはきっちり反応してくれる。
そんな土壌が育ったんだな。マスターに感謝であります。
逆にポリシーがないとお客さんの状況に飲み込まれてしまう。
ある意味ミュージシャンにとって厳しい場なのかもしれない。


そして山崎ヤマト、村治進&フェイターンの演奏は今まで味わったことのないサウンド。
ハング、スティールパン&テルミンの演奏&歌で異次元の世界へ誘ってくれる。
こんなコラボレーションはどの世界へ行っても通じるんじゃないかと私見ではあるが感じている。
ヤマトさんを中心に繋がる音楽の世界、これからも楽しみである。

日本でこんなに多彩な音楽を聴けるってことは幸せだよなぁ。
これも日本ならではの音楽の歴史と、さまざまな音楽に思いを馳せて歌・演奏をするミュージシャンの出会いがあってのこと。
多分、他の国じゃこうは行かないよ。
これだからライブ通いはやめられません。

山崎ヤマトさんの情報はこちら(HP「楽屋」内) ⇒ 
村治進さんのHPはこちら
フェイターンさんのHPはこちら(マコフェイ) ⇒
曼陀羅のHPはこちら

マコフェイ
フェイターン(Vo, Theremin)、ゲスト:キロトフ(Key)
特別ゲスト:村治進(Steel Pan、Cowbell)



山崎ヤマト(Vo, Perc.)&村治進(Steel Pan)
ゲスト:フェイターン(Vo,
Theremin





ハングをジャグのように使ってるぞ!


<ここからフェイターンも加わり異次元の世界へ...>







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