ストリングの大きさは?Last Update: 11/14/2012
超ひも理論ではとても小さい「ひも」が登場します。このひもをストリングと呼ぶことにします。どのくらい小さなひもかというと、 約10-34メートル くらいの大きさです。でもこう書いただけでは、どのくらい小さいのかわからない人がほとんどだと思います。もう少しわかりやすく説明しましょう。 ストリングはとても小さいので、大きく拡大しないと実感がつかめません。1021倍にしてみましょう。 よく初歩的な説明では、原子を太陽系になぞらえて説明しています。(地球が太陽の周りを回っているように、原子では電子が原子核の周りを回っている、と説明されます)これくらい拡大すると、ミクロな原子はまさに太陽系くらい大きくなります。原子はちょうど(太陽を回る)地球の軌道くらいの大きさになります。 ミクロな物体がこれほど大きくなったのだから、ストリングも大きくなったでしょうか?ところがこれほど拡大しても、ストリングは原子核の10倍程度の大きさにしかなりません。ミクロな原子が巨大になっても、ストリングはミクロな物体のままです。いわば、ストリングはミクロな物体に対してもミクロな物体、と言うことができます。
このような小さなストリングがどのような役割を果たすのでしょうか?この世界の物体は、すべてクォークや電子、光(光子という粒子)といった素粒子でできています。ただ素粒子にはいろいろな種類があります。超ひも理論は、たった1種類か2種類のストリングで、これらの素粒子を全てあらわそうとする理論です。 2種類のストリングというのは、下の図のように 「端のあるストリング」と「ループ状のストリング」のことです。
たった1種類か2種類のストリングで、どうやっていろいろな素粒子を表すことができるのでしょうか?ひもはいろいろな形に振動することができます。ストリングも同じです。そして、さまざまな素粒子はストリングのさまざまな振動だと考えます。 ストリングが実際にどう振動するのか、どの振動がどういう素粒子を表すか、つぎにもっと具体的に見ることにしましょう。 なお、一般向けの説明では、よく「超ひも理論」と呼ばれますが、こう呼ぶ専門家はまずいません。専門家は「超弦理論」もしくは単に「ストリング」と呼びます。 より詳しいコメント:
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